ある日の昼下がりのこと
「レン~、どこ~?」
「どうかした~?」
ドアの陰からレンが出て来て答えた。
「…あのね、明日って何か予定入ってる?」
「ううん、明日は一日中フリーだけど」
「じゃあさ、明日一緒に出掛けない?」
リンが目を輝かせながら聞いた。
「いいよ。」
レンは冷蔵庫の中をのぞきながらそっけなく答えた。
「やった!それじゃ、明日の10時に公園で待ち合わせね!」
「同じ家に住んでるんだから、わざわざ外で待ち合わせしなくても良くない?」
レンが不思議そうな顔をしながら聞くと、リンは少し語勢を強めて
「それじゃあ意味ないの!」
と言った。
「わかったよ。」
レンはイマイチ理解出来ていないがとりあえずリンの言うことに従うことにした。
せっかくリンが上機嫌なのに機嫌を損ねるようなことをしても良いことはないだろうと思いっての判断だ。
「じゃあ10時だからね。すっぽかしたら許さないからね!」
「さすがにすっぽかしたりはしないよ。」
苦笑いしながらレンは答えた。
「うん、ところでさ、それ…なに?」
リンはレンが手に持っているグラスを指して聞いた。
「これは俺特製のスペシャルブレンドバナナジュースさ!」
「へえ、そう…(ブレンドって一体何まぜてんの…)」
自信満々に答えたレンに対し、リンは呆れた顔で返した
「飲む?」
「これからレコーディング行くからいい。」
レンの質問にリンは瞬時に返した。
そう?とレンはグラスに注いだジュースを飲んだ。
「それじゃ行ってくるね。あ、そうそう。明日はオシャレしてきてね!」
足早に出掛けて行ったリンを横目に見つつ、冷蔵庫にジュースをしまいながらレンは考えていた。
さっきからよくわかんないことだらけだ。リンは何がしたいんだろ?
「明日二人で出掛けるんだって?」
いきなり後ろから声をかけられ、レンは驚いた。
「うわぁ!カイト兄!驚かすなよー」
後ろ側から冷蔵庫最上段にある冷凍庫を開けてアイスを取るカイトに向かってレンは言った。
「ゴメンゴメン、そんなつもりはなかったんだけど」
「…アニキ、そのアイス今日何個目?」
「ん?まだ6個目だよ。」
「まだって…食い過ぎだよ。そのうちハラ壊すよ?」
「え!?アイスってお腹壊すの!?」
「…アニキなら大丈夫そうだ」
一息ついたあとレンは続けた
「で、いつから俺達の会話を聞いてたの?」
「明日予定入ってる?ってリンが聞いたところからかな?」
「ほとんど全部じゃないか!…リンが何考えてるのかイマイチよくわかんないんだよね…」
「ふふふ、レンもまだまだ子供だね。明日見られるであろう光景を他人が見たらデートにしか見えないと思うよ?」
「じゃあリンはそのつもりで…?」
レンは少し顔を赤らめながら聞いた
「そうだと思うよ。だってリンとレンをみてると仲良しの枠には収まらいし。リンに対してそれ以上の感情があるでしょ?」
「んー…まぁ…ないと言うと嘘になる…かな」
レンが少し照れた顔をしながら言った。
「でしょ?リンはうじうじしてるレンのことを好きじゃないと思うよ。明日は器での大きいところを見せてあげないとね」
「うん、でも細かいところでどうしたらいいかわからないよ!正直、オシャレとかも疎いし…」
「僕が協力してあげるよ。ただし…」
「ただし…?」
「ダッツ3個ね」
「うっ…わかった」
そこで、そう来るか。と一瞬と惑ったがレンは要求を飲んだ
「よし、服については任せておいて」
「ありがと、よろしくね」
そう行ってレンは自分の部屋に入った。
「とは言ったものの僕の服じゃあレンにはサイズ的にも合わないし…少し街に探しに行って来ようか」
カイトはアイスのゴミを片付けて家から出て行った。
レンは部屋に入って閉めたドアに寄り掛かるように座りながら考えふけっていた。
たしかにリンに対して特別な感情を抱いていないわけじゃない。
でもリンもそうだと言う確証がなかった。だから怖くて何も出来なかった。
だけどリンも多分俺のことを意識しているはず。だからさっきあんな変わった誘い方をしたんだろう。
多分話を切り出すときは勇気がいっただろう。いや、リンなら平気かもしれないな。
レンはふっと少し笑った。
俺も頑張らなきゃ
いつまでもうじうじ考えてても仕方ないし!
アニキは出掛けたみたいだし、とりあえず帰ってくるまで一人で出来ることはやっておこう
「あれ、そういえばリンレコーディングっていってたけど、カレンダーには予定は書き込まれてなかったな…」
つづく
レンとリンの初デート(仮)第一章
絵の才も音楽の才もない自分が中身のすくない頭で考えてみたストーリーです。
つたない文章ですがどうか見てやってください。
レンの名前が先に来てるのは多分レン視点の事が多いかなと思ったので。
ちなみに、ストーリーの中にはニコニコ動画でみた曲、PVからのインスピレーションを大きく受けております(一部もはやパクリとしか思えない部分もありますが、どうか目を瞑っていただけると助かります。)
もしメッセージを受け取った場合、自分喜びで飛び跳ねてしまいそうです(笑)
感想、アドバイス、何でもお待ちしておりますので、思ったことを率直に伝えていただけるとうれしいです。
>第二章http://piapro.jp/content/iw7utzdl956q76o7
コメント1
関連動画0
ブクマつながり
もっと見る俺はえびせんの袋に手を伸ばした。
「レン」
「何だよ」
リンが俺の頭にのしかかる。
ちょっと勘弁してほしい。
「ねー、レン。
リンのこと、好きぃ?」
「……?」
「別に変な意味じゃないよ? 兄弟としてっていうか…家族っていうか……嫌いなら嫌いでいいし」
こいつはいきなり何を言い出す……...頬へのキスは、親愛の情
ハルカP
※注意※
この物語は、元動画を作られたトラボルタP様の承諾なしに勝手に書いたものです。
私なりの解釈と、原曲から派生した曲や一部のPVの影響を受けつつ進行しております。
リン=ロボット レン=科学者
科学者の歌はがくぽが歌ってますが、ここでは大人のレンが出てきます。
読んでくださる方、前のバージョン...ココロ 勝手に小説 最終
蒼い時計
大学3年生。
理系の学部らしい。(頭いい!)
自称彼女ナシ。(あたしはいると思ってる)
歌のサークルに入っているらしい。(聞きたい。とても)
バイトは、コンビニと家庭教師。(あたしの)
好き、です。(片思い)
あたしの持っている、レン先生の全ての情報。
カテキョ。
「あたし、先生のことこれだけしか知...カテキョ。1時間目
cam_cam
それは突然の出来事だった。
いつもの様に公園で二人で遊んでいた時の事。急にリンがしゃがみ込んだと思ったらガガガガという音と共にその場に倒れ込んでしまったのだ。
今までになかった出来事に驚いて、とりあえずマスターのところへ連れていかなくちゃと足を走らせた。
「リン…!リン…!もうすぐマスターのとこに着...どこにもいかないでね?(レンリン)
恭華、
あのとき少年は、まばたいて問い返した。
『リンは?』
『リンはクマのぬいぐるみ。胸に抱えて寝られるほど大きいもので。いつも寝るときレンを下敷きにしちゃうから、代わりにするものが必要だって』
『……。』
いつか、"リンは寝癖が悪すぎ。おかげでオレがいつも下敷きになってちゃんと寝られないんじゃん"と流し...アドレサンス1.Au revoir(下)
ファンタ
リンは公園のブランコにただ座っていた。
空は青く澄み切り、太陽の陽が降り注いでいる。
「さすがにあのままあそこにいるのは無理よね~…」
レコーディングがあるといってきたが実際今日レコーディングは無い。ただ家から出るための口実として嘘をついてきたのだ。
「…明日ココで…10時に待ち合わせ…ね…」
頭で...レンとリンの初デート(仮)第二章
yj
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
秋徒
ご意見・ご感想
初めまして。
リンレン可愛いですw地の文も丁寧で、読みやすかったです。
続きを楽しみにしてます!
2008/12/03 07:29:36