さぁーっと、心地よい風が頬を撫でた…
いつの間にか、ベランダの窓が開け放たれている。
「めーちゃん、外で何してるの?」
カイトは少々訝しげに声をかけた。
先程までテレビを見ながらケラケラ笑っていたはずのメイコがベランダに出ていたのだ。
「んー?天の川…見れないかなーって…」
飲みかけのビールを飲みながらメイコが呟いた。
「今日一日雨だったしねぇ…見えないんじゃないかな…」
雨は上がったものの曇った空を見上げて、カイトはそう答えた。
空は完全に雲におおわれ、天の川が見えそうな気配もない…
「織姫と彦星ってさ…天の川がなきゃ会えないわけじゃない?」
呟きながら、メイコは空を指でなぞる…
「彦星と交際したことにより、自分の目的を忘れて遊んでたことで天帝の怒りを買ったために引き離されたって神話のだよね」
「うん。でもさぁ、日本って、七夕の時期って絶対梅雨だから天気悪いじゃん。なんかかわいそうだなーって…」
ため息をこぼすようにメイコはそういうと、残りのビールをすべて飲み干した。
「実際、七夕に晴れるのなんて、何年かに一回じゃない。そーなると一年に一回どころか、数年に一回ってことになってしまうじゃん」
メイコはすこし、落ち込んだように、そう吐き出した。
「めーちゃん…どーしちゃったの?らしくないよー」
カイトがクスリと笑う。
「酔っぱらってるだけですぅー」
メイコは少しふくれて、そう反論すると、部屋へ戻ろうと方向を変えた。
しかし、それは思い通りにはいかなかった…
後ろからふわりとカイトがメイコを抱き締めたからだ。
「嘘ばっかりー。ビール一本や二本じゃ、めーちゃん酔わない癖に」
クスクスと笑ってカイトはメイコの首もとに、自分の顔を埋めた。
カランッと音を立てて、メイコの手から、空になったビールの缶が滑り落ちた…
「俺はどこにもいかないよ。どーせ、めーちゃんのことだから、自分だったらとか考えたんでしょ?」
からかうようなカイトの言葉に、
「自意識過剰なこと言わないでよね。バカイト!!」
真っ赤な顔で、メイコは吐き捨てると、カイトの腕から抜け出し、落とした缶を拾い上げると、スタスタと部屋へ入ってしまった。
「まったくー。めーちゃん素直じゃないなぁー」
カイトはそう言いながら、メイコの後を追うように部屋の中へ入っていったのだった…。
End
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みに
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