(…どうしよう…)
戸惑った顔のワンちゃんとカイコ。それに慌てた顔のマスター…俺は、一体どんな顔をすればいい?
…あぁ、泣きそうな顔をしているんだろうな。
カイコやワンちゃんに励まされて、必死に告白しようとがんばった。のに…そんなチョコ、食べられる訳ないじゃないですか…
「ち、違うの!このチョコは、本気のチョコじゃなくて!」
マスターが話を続ける。…マスターの顔はいつの間にかほんのり赤い、気がする。
「これは、みんなで交換した友チョコ!!女子と交換したのしかないよ!」
「………は?」
…何ですか?友チョコって…
「えぇ?!ワンちゃんはともかくカイトも友チョコ知らないの?!」
びっくりして声を上げたのはカイコ。俺とワンちゃんは首を振った。…もちろん縦に。
「あのね、最近は友達とチョコを交換し合う友チョコが流行ってるの。…ですよね、マスター」
「えぇ、これはみんな友チョコ。…誰がバレンタインにラブラブするかってんだ…」
「な、なんだぁ…」
無茶苦茶びっくりしたじゃないですか!…と言おうとして思い留まる。…マスターが下を向いている。…なんか、マスターから(勝手に)借りて読んだ少女漫画のヒロインが告白する前みたいに、顔が赤い。
「あ、あのさぁ…」
「?…なんですか、マスター」
マスターは無言で俺につかつか歩み寄り…そのまま素通りした。
「…………ふぇ?」
そのまま通学カバンやら甘い香りのするバッグなんかを床に置くと、おもむろに冷蔵庫を開けた。…
…話が全く読めない。
「え?マスター、それって…自分用じゃ…」
「……いいの、奮発しちゃったし、そ、その…みんなで食べよ、かなぁ、って…」
「………え?何の話?」
思わず俺は二人に聞いたけど、見事に流された。…ワンちゃんと目を合わせ、首を傾げる。
マスターの右手にあったのは、…半透明の小さな袋。
付いているテープを取ると、そこからさらに小さなウサギ型のケース。かわいい花のゴムが付いている。……
……ま、さか……?
そのケースの中にはウサギやらクローバーやらの形をした…
「…チョ、コ?」
「そうよー。高かったんだから!みんなで食べよかなー…って…あ、で、でもウサギ型のチョコは私のだかんね!!」
「わぁーい!じゃあこのくろーばーはんぶんこしよ、にーに、ねーね!」
「……マスター……」
嬉しくて、胸がじんとなる。
「ごめんねカイト。マスターに内緒って言われてたし…それに、あんたと食べるために…じゃなくて、みんな用なんて思わなかったから」
「うぅん、いい。嬉しい…!!」
思わず泣きそうになり、慌てて「はーい、にーにどうぞ!」と言いながら渡してくれた3等分の緑のクローバーチョコを受け取り、口に入れる。…おいしい…
マスター、手作りじゃなかったのは残念ですけど。
すごく、嬉しかったです。 ……だいすき。
口の中のチョコは、甘くとろけていった。
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