グミヤ、あの時何を叫んだの?
なんでもっと早く気づかなかったんだろう。
私は・・・死んだのかな?

「んんっ・・・。」
華やかなシャンデリアの光が眩しくて、私の目を刺激する。
ここは一体・・・?夢?
重い体を起こして周りを見ると、綺麗な花やたくさんの本。
おとぎ話の世界みたい。
「そうだっ、私・・・刺されてっ・・・」
服をめくってお腹を見ても、なぜか傷1つなかった。
「傷が・・・。」
このままボーっとして考えても何も変わらない。
私は部屋を出て、まず人を捜すことにした。
「誰か、いませんかー?」
まだ体が上手く動かなくて、弱弱しい声しか出せなかった。
けど、それ以前に人の気配が全くと言っていいほどない。
諦めかけて、ふと横を見ると大きく豪華なドア。
興味心が私の体を動かして、気づいた時には部屋の中。
「誰か・・・いませんか?」
小さい声で呟きながら、部屋をウロウロ。
たくさんの見たこともない花が飾られていて、イイ匂いがする。
「あれっ、あなた・・・。」
大きな窓の側に立っている女の人。
すごく綺麗な人、どこかのお姫様みたいだ。
「あっ!勝手に入ってごめんなさい。」
「・・・フフッ、いいのよ。」
笑った顔なんて、女神そのもの。
・・・ってまぁ、見たことないんだけど。

「あのっ。」
「どうかした?」
「ここは・・・一体、、どこですか?」
女の人は一瞬、驚いた顔をした。
でも、また微笑んで答えてくれた。
「ここは、ルカ姫様のお城よ。」
「ルカ姫様・・・。」
前にもグミヤから聞いた名前。
ん?・・・てことは、ここはヴァンパイアの世界?
妙な汗が私の体を伝う。
「ねぇ、ぐみちゃんって人間の世界から来たのよね?」
「えっ、あっ、はい。」
いきなり‘‘ぐみちゃん’’って呼ばれたからビックリした。
こんな綺麗な人に名前を呼ばれる日がくるなんて。
・・・でも、どうして私の名前を知ってるの?
「そう・・・。」
質問しようとした私の思いを遮って、ポツリと呟かれる。
女の人の顔は、とても悲しそうで・・・、今にもたくさんの涙が美しい瞳から零れ落ちそうで。
どうにかしなきゃ、と思った私は女の人の手を掴んだ。
「あのっ、大丈夫ですか?」
「えっ・・・?」
「えっと・・・、今にも泣きそうな表情だったから。」
だんだん自分のじた行動が恥ずかしくなってきて、女の人から目を逸らした。
すると、クスッという笑い声。
「ぐみちゃんは優しいのね。」
そう言って、女の人は私の手を更に強く握り締めた。
「聞いて・・・くれるかしら?」
「はっ、はい。私でよければ。」
ありがとう、と微笑んだ女の人は、ゆっくり話し始めた。
「私ね、ここで待っている人がいるの。」
「待ってる・・・人?」
「小さい頃からいつも一緒で、すごくイイ人なの。
 誰にでも優しくて、物心がついた時には彼に恋をしていたわ。」
女の人の頬は少し赤くなり、それを隠すように小さく笑う。
すごく好きなんだな、ってひしひしと伝わってくる。
「でも、私が原因不明の病に罹ってしまって。」
「えっ!?」
そう言われると、女の人の顔色はあまり良いとは言えない。
それにお花の香りに混ざって薬の匂い。
「彼は私の病を治すために、いろいろ調べてくれたわ。
 ・・・・・・でも、ある日、彼は私の前から姿を消した。」
「・・・どうして?」
私の質問の横に首を振って答える。
「分からないわ・・・、でも彼は国を抜け出して何処かへ行ってしまった。」
言い終えた女の人の目には、ほんのり涙が溜まっていた。
私の手は自然と伸びて、彼女の涙を拭っている。
「あなたは、本当に優しいのね。」
「そんなこと・・・」
「ねぇ、メイコ・・・って呼んでくれないかしら?」
「えっ・・・」
「私、メイコっていうの。」
さっきと同じ、すごく綺麗な笑顔。
それに‘‘メイコ’’っていう名前もすごくピッタリ。
「メイコさん。」
メイコさんの笑顔には劣るけど、精一杯の笑顔で呼んだ。
「ありがとう、ぐみちゃん。」
この時の私は1つの胸のつっかえに気づかないフリをした。
今の、このほのぼのとした平和な時に浸っていたかった。

「ぐみっ!!!」
大きい声で呼ばれて振り返った先には、息を切らしなぜかドレス姿のお母さん。
「お母さん!!」
どうしてドレス姿?、と言おうとしたが、お母さんの迫力に押されて言えなかった。
「ぐみっ、体は?大丈夫?」
「うっ、うん。なんともないよ。」
「良かったっ!」
お母さんはきつく、強く私を抱きしめた。
温かい・・・、他の人に抱きしめられるときとは違う。
親の温もりというものだろうか。
「ルカ姫様。」
メイコさんはお母さんをそう呼んだ。
何を言っているんだろうと思った私を離して、お母さんは口を開く。
「メイコ、体は?」
「大丈夫です。」
「そう・・・。」
どうしてお母さんは普通に話しているの?
お母さんが・・・・・・ルカ姫様?
「お母さん・・・一体、どういうこと?」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Bloody Girl 12

メイコさん、初登場♪
いや・・・本当のことを言うと・・・
最初は登場する予定なんてなかったんですよね←
でも、今はすっごく大事な役を(笑)

グミヤくんは、お休み~

グミちゃんは相変わらず可愛いくて♪

予想外の展開になりましたかね?
次回も早く更新できるよう・・・
頑張ります(笑)

閲覧数:310

投稿日:2011/10/01 22:24:30

文字数:2,056文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • 紅華116@たまに活動。

    どもども~!!
    いきなりの急☆展☆開!!メイコさん可愛いよメイコさん←
    しかも、ぐみのオカンがまさかのルカ姫!!メッチャ続きが気になる!!
    めーちゃんの思い人があの人なら…
    そ う ぞ う が 止 ま ら な い ! !

    次回も待ってます^^

    2011/10/02 15:12:57

    • 甘菜

      甘菜

      メッセありがとう♪

      急展開にしてみたっ! ((キリッ☆
      続きは今、私の頭の中にあります(笑)

      めーちゃんの思い人は・・・
      『   』ですぜ!!!! ←誰やねん

      メガハイスピードで書いてきます(汗)

      2011/10/02 20:14:34

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