HaTaの投稿作品一覧
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寄る辺のない孤独な旋律はたおやかに谺(こだま)する夜の声と消え
幸福はアイスのように溶け落ちて
少女は淡い本の上で踊る
呵々(かか)と笑う鈍色の月
不束かな夢を一齣(ひとくさり)の言葉で結べ、
繰り返す放課後はやがて時を止め
少女はかくて夜に溺れていく
憂い、...文学 in the 少女
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ボトルシップクロニクル
暮れ行き泥(なず)む斜陽と影
茹だる海の火照り尾を引いて
我儘、気儘、波を辷る
酔いどれ帆船の舵をとれ
一体何を探してるの?
一疋、嗤った回遊魚
回らぬ時計はさておいて
青い鳥の啼音(なきね)の後を追え
昨夜(よべ)の不安と気がかりな夢と...ボトルシップクロニクル
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二六時中、取り巻く喧噪が、頬を撫でるそよぎのなか隨に舞った
可成り懶さに歌う聖歌隊、頓痴気な列をなし歩く言葉
錻力を戛々打つ通り雨が錆びた風の余波のなか矢庭に降った
雨に濡れるのも厭わず歩く、願を懸けるように傘を閉じて
いつか終わりはくるんだ。その希望にひたすらに縋った。
...八釜しの国
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淡い淡い海鳴りの底、群立つイルカの呼気さながらに
溶けた瑠璃色の泪、視界が滲む
爛漫敷き詰めた青と青、世界は止め処もなく美しく
頓に永久に満ち満ちて居場所をなくした
言葉少なな睡余の街、妙ちきりんな言問繰り返し
今日も亦、惑うばかり彼は誰の空
薄明果てしない白と青、世界は当て所もなく輝...こんな夢を見た。
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朝霧閉ざす往来 青ざめた空
神様より早く起きた
朧に眠るのろくさ気だるい街に
ノイズ混じりハレの予報
物憂い門扉 幽(かす)む物の音は遠く
紙魚喰いの地図を片手に
明日のページに栞を挟もうか
どうだい首尾はいいのかい?
どうにも纏わり苛む絡まり絡げた閉塞感
軽薄白けて素知らぬ顔してついてくる...ブッキッシュタウンヒッピー
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いつか名付けた野良猫 今日は未だ来ないようだ
独りになりたがるのに 寂しがるんだねえ?
拝啓、そぼ降る雨の夜々 魂暗い午前三時
並べられた標本の中で夢を見ていた
幼子の吐く駄々のように 喧(ののめ)き呻(うめ)く波のように
傅(かしず)くように縋るように今日を生きて《明日も生きた》
落日に消ゆ街のよ...晴天に記す雨の印象
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うらぶれ旧市街 靴の音
夜天銀天の夜もすがら
調子の外れた樂音で沸く
虚しく豪奢なパレードだ
鋳型にはまった瑪瑙の星
赤い幻燈 夜市を射す
祈りをま喰らう広場の慾
踊れぬ私は所在なげ
蓄音機から天の声 戯曲を諳んじるように語る
やがて言の葉は散りぬれど 伝えることなど何一つないさ...そぞろサンクスギビング
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夕立呷り朱(あけ)染まる市街がぐでんぐでんと夜を吐いて
鬼灯みたいな飛行船団が寝入りばな君を誘った
左手(ゆんで)すり抜けたペーパーバックは溺れたように宙を舞って
夢と現実を綯い交ぜにしては歪な地平の夢路を行くけど
起きれば昨日の延長がただただ続いていくだけで
過ぎたる景色の群像を追って、走って、手...螺子式夢遊船
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暖炉の炎が煌々と霞む自意識を照らしだして
絵の具はやがて泥に変わり、それでも眩暈(くるめき)、美しく
各自(てんで)の愚劣をぶら下げた、狂いに狂った蒙昧どもの
批評家気取りの値踏みの目、ここに価値あるものはないさ
誰も見たこともない景色を誰にも見せることなく描いた
朽ちゆく心に讃美の歌を礼讃の声を死...せめて一花の祝福を
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あやふやで不確かな言葉が澱のように積み重なっては
淀み、惑い、形をなくして喉の奥に溶けていく
あなたを語るに足る言葉は生憎、持ち合わせてなくて
戯けて口噤み笑っては、路傍の塵芥一つ蹴った
曖昧が募って
迷妄、渦巻いて
それでも伝えたくて
同じ言葉ばっかを切っては繋いでまた積み上げて崩して
もううんざ...言葉とエポケー
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青年少年、鬨の声を上げろ
後塵拝すは不甲斐無きと思え
嘲笑、豪雨どこ吹く風進め
か弱き、幼き、革命兵
遅れ馳せ登場 悪のアジテーター
傾いた天秤 ひしゃげた拡声器
ガラクタ接いで 作れ電波塔
アンプ直 醜声 轟く御高説
誰彼送信 簡単に盲信 故、猪突猛進
もうわからないなあ...ハイティーンアジテーション
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さあさ、おいでませ空中楼閣、何人も十把一絡げ
下界の憂いを一時忘れて、他人、懇ろ、吹き溜まり
空の盃にゃ追い酒をさあ空の頭にゃ愛嬌を
へべれけ、不作法、のんべんだらりん、酒色漂う花街の風
どうせ死ぬ身の一踊り
嗚呼、どうにもこうにもいかないな、ここらでちょいと一休み
何でもかんでも引き連れて、大手で...空中楼閣
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孤島の洋館、切れた電話線、時化る海原、怪しげな執事
神算鬼謀密室殺人、謎の暗号、古い言い伝え
それはお話の中のフィクションさ、完全犯罪もっとスマートに
オートロックの簡単密室と凶器のギター
私の事を無視するあなたの事を私は無視できない
ジャズマスターで殴りたい ムカつくあいつをめがけてさあ!
...ジャズマスター殺人事件
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眠たげな小路、赤い窓、街灯の明り、盲目の娼婦
廃屋で猫がニャーと鳴く、乱痴気騒ぎとはびこる悪習
虫喰いの聖書、ガラス玉、ムクドリの子ども、淀む六ペンス
全てを売って手に入れた 拳銃忍ばしこの街を歩く
あなたはいつも我が儘ね、熱病患者のように震えて
ハズレを引いてまたリセット、出口抜け道はどこにもない...廻るデカダンス通り
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絡繰りの天使たち
空想のティーカップ
真鍮の騎兵隊
キ印のシルク帽
ノイズ混じりの音楽で、踊れ
食器の散らかった円卓を、周れ
気狂いティーパーティー、さあ、みんなで騒げ
全て忘れて無礼講、醒めない夢の中
気狂いティーパーティー、さあ、みんなで踊れ
切り取った午後、死んだ時間、泡沫の世界で...気狂いティーパーティー
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異国の街のあなたに向けて 紙の飛行機、海に浮かべる
知らない街のあなたに向けて 送電線に手紙をくくる
行き場所のないあなたに向けて 一握の砂、小瓶に詰める
生き場所のないあなたに向けて 林檎の弾丸、背に撃ち込んだ
記憶、棺、日射病、苦痛、赤いジェラニューム
女衒、笑い、アパルトマン、焼けつく太...異国の街
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