HaTaの投稿作品一覧
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人生がもしも一つの作品ならば
完成はそれ即ち、死のその時だろうか?
それならば完成した作品を
私自身は鑑賞も評価もできないだろうな
写真の中、咲く無時間の花々
枯れることを許されずに冷たく美しい
切り取った"最高の瞬間"という亡霊
それを愛している限り、先には進めない
失う不安や痛みは
倖せに触れた...幸福でも不幸でもない平凡で幸福な日々と幸福でも不幸でもある非凡で不幸な日々
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眠りに落ちて目が覚める「現在」が途切れて再び始まる
一続きの私の中で小さな生と死が周っていく
浅瀬を泳ぐ魚類(うろくず)の瞳は熟れた柘榴の赤色
つと鮮(あざ)らかに飛び跳ねた飛沫は懐かしい塩の味がした
目が覚めると泣いていた。水母のように透明な午前
涙が作る夢の海、睡中で息をするあなた達...夢幻ヶ島心象埠頭
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死んでしまったその後で、
右と左だけ覚えた夜の抜け殻が「寂しい」と言う。
愛の言葉は長い五月雨ね。
少年!たなびく新世界、
仮初めの公園で鉢合わせ。
すべてを密室の今日に
しまっておけばいいのに、そうでしょ?
三時の約束、メーテルリンクと夜の夢、空の器。
診断書に書くカトレアと隠し事の順番教えて。 ...溶ける金魚──思考の中で溶解しうるもの
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ベンガラ格子の奥の着飾ったそのお嬢さん
紅、差した三白眼、こちらを見つめ笑った
私はといえば物旧りたつんつるてんの
みすぼらしい弊衣破帽のバンカラな風体
笑い声かんらかんら、すちゃらか見世物横丁
分福茶釜が舞って、木戸銭が飛び交いあって
私はといえばちょこなんと独り坐って
ケセラセラの素寒貧、住...どうで逃げれぬ、ござんなれ
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はじめまして、アリスと申します。
私は嘘つきです、本当です。
長所は短所がないことなんです。
短所は長所がないことなんです。
こんにちは、僕はテレスといいます。
共感という言葉が嫌いです。
あなたの経験から僕固有の
痛みを勝手に演算しないで。
真の円が描けないように
理想なんて存在はし...アリスちゃんとテレスくん
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果無(はかな)い幽霊のように
幽(かそけ)く幽く生きる
人間であること以外
共通点のない他人
めぐり来たれる月日、つくねんと噛む
コンナ無為徒食ノアゲクニ何ガ咲イタ?
照明の覆いの中、死せる夏の虫の
黒点が増える
閑閑、閑文字を綴る幾日(いくにち)
「独り」から「寂しい」を引き算して...さてもかなしい憂鬱と
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カランコロン、凛と澄む音
涙を集めて出来たような
硝子の瓶の中で
今際の息をただ吐いている
身も世もなく沈んでは
優しさすらも重荷になって
どうしたらそんなにも
何も感じずに生きられるの?
信じあって積み上げて
裏切られ壊されるのなら...瓶と蜥蜴
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小さな広場には予感と期待が渦巻いて
色とりどりに揺らした鮮やかなリボンの海
白い玉兎の瞳は螺鈿(らでん)細工の真珠色
極彩色キラキラ、舞台を染め上げる
舶来品のブローチ、素馨(ジャスミン)の香水をふって
今日だけは自分から他人の匂いがした
さあ、踊れ、音に合わせ
存在を確かめるように
手をつな...独りじゃない場所
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泥だらけの月の息継ぎ、光素(エーテル)いっぱい吸い込んで
夜がな夜っぴて枯木星の酔歌が聞こえる、百年祭
忘れたい事があったけど何だったっけ……忘れたな
窓の外に描かれてる冬、南の道には蚤の市
計量化された愛と言葉と旋律、絵画の見切り売り
くだらないと口にすること自体がもうなんかくだらない
そこな...周縁漂流記
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流れに流され記憶も曖昧
地獄の四十二丁目
覚えのない疼痛と
絶えだえの足取りで身も不体裁
それでも軽薄に笑い
無軌道に歩いていた
見舞えよ一撃、亜流の徒手空拳
得体の知れない暗澹を返り討て
なんとも猪口才な!狙い撃て正中線
これ以上付き纏われたら迷惑だ...暗夜と光路
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目抜き通りの記号はチカチカ
遊歩者たちの声は響(どよ)もし
商品のような人々が見る
人々のような商品
「何かを持てる可能性」を持つ
ために今は何も持たないさ
「世界は理解できる」なんてこと
てんで理解できないから
深層に辿り着くことなく...ファンタスマゴリー市街
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ハズレばかりの籤(くじ)引き、当たりを引いた世界、私達、
現実のこの有り様(よう)はまるで神による奇跡
本当なの?でもどれだけ天文学的確率でも
籤が尽きるまで引くならその奇跡は必然でしょ?
「私は存在しません」と言える存在者は存在しません
私は私の非存...世界と私の複数性に関する小考
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銀煙管から滾々と溢る
紅玉色に輝る蝶の群れ
両の翅を往復切符にし
屋上発、銀河行きに乗ろう
世界が不在のうちに汽車は百夜(ももよ)、千夜(ちよ)を駆ける
幸福だけ発明し損ねた機械の国を背に
とみに奇(あや)に悲しくてなって
たまらずにゲラゲラ笑ったよ
釦(ぼたん)ほどの大きさの人工の星
影法師、踊っ...島宇宙行旅
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セカイのパースが狂ってるみたい
近くのものには触れられず
遠くにあるものに突然、ぶつかって擦りむいたんだ
人生を棒に振ろうとは思ってないんだ
そうじゃなく、自分の幸せを自分で
定義し損ねてしまっただけ
365日が全てなにかの日であるように
作り物の特別で飽和してる
普通の日々、普通の人、普通...私は足りないでいっぱい
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隣人を愛し、他人のために行動して生きよ
信心深いことですね
では目の前のどちらか一人しか助けられない
時はどうすりゃいい?
隣人はどっち?他人はどっち?
誰を愛して誰のために行動すればいいのです?教えてよ。
明日死ぬかのように生き、後悔のない人生にせよ
殊勝な考え方ですね
じゃあ、本当に...ヒューマとニズム〈対話篇〉
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やあやあ、ご無沙汰!安本丹さん
のうのう洒落(しゃらく)にお過ごしですね
誰彼構わず優しいなんて案外、冷たい人ですね
ようよう、何処ぞへ?唐変木さん
いやに粧飾(めか)したお召し物ですね
正しさばっかり遮二無二追って心底、間違った人ですね
美しさに汚れてゆく耽美なこの情感
綺麗事は汚く路傍に積もる
...変梃の市~へんてこのまち~
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ハローこんにちはネオ人類
ここ、希望の跡地のノーフューチャー
差し当たり、何か喋ろうか?
いや、何を語ってもほら、模造品(イミテーション)
終わりの終わりが始まって、そう、僕らはまだ生きてる幽霊
やがて底をつくものばっか信じて、夢を見て、悲しんだ
ここには全てがあって、ただ新しいものはなくて
他人と...予め失われた君たちへ
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貝殻に包まれて生まれ落ちた私たちは
大切に守られて、閉塞感で死んでく
"現在"だけを生きてたいな、あの泳ぐ魚のように
"過去"を生きた私はすぐさま"未来"を生きなきゃいけなくて
横になり目を瞑って、呼吸整え、意識は絶える
毎晩、ベッドの上で死の練習をしてその時を待つ
あの綺羅びやかに降る流星雨を
大...昨日をうまく生きられなかった私達はきっと明日もうまく生きられない
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サァサァ皆見て御覧(ろう)じろ!
御目通り控えましたるは
救えぬ者らの滑稽譚
悲劇は此れ喜劇で御座い
のらくら歌って夢語り
矯(た)めつ眇(すが)めつ不安に生き
否定をされれば黙念と
そうして最後はポツネンと
人生取りもなおさず幕間狂言
ゴメンと謝りお役御免...東西東西狂乱興行
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翼広げ、どこか遠く、
ひとりという名の鳥になり飛んで
いけたらいいな、そこには見たことない
きれいなものがあるの
不幸の森で惑った少女
誘蛾灯の下で華麗に笑う。
こよなく愛した言葉を摘んで結わえた
花束を持って歩く。
接木(つぎき)のような時制の不連続。
広場に殺(し)した感嘆符の葬列...一縷、散る、満ちる
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「月並みの塔とイデアの月」
照らしはすれど暖めることのない
崇高な月の光をこの胸に
見上げた夕さりの空をきわやかに分かち聳える無骨の塔
下生えの蔦(つた)がひたと絡みつき、小暗い御空(みそら)に塗(まみ)れ行く
身体(からだ)と意志とを脱ぎ捨てて
未完の景色に色を塗れ
誰もがまだ見ぬイメージで
光で...月並みの塔、イデアの月
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遠雷のように鳴りひびかう太鼓の音、地を這って
諸人(もろびと)賑々しく歌い、てんでに言祝ぎ、手を叩く
誰(だ)がためにでもなく、自分のためだけにさ柏手(かしわで)を
信じて仰ぐに足るものはここには何もないさ
突として湧いた蟠る感情。泥(なず)み淀み響(どよ)み胸に残る
神の居ります、在(ましま)す、...騒がば踊れと虚無の国
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そこのけ、広き海へ渡る船、
帆、よく揺れて知らぬ瀬戸も青
釣り餌を食む魚や水面に待ち
〈そこのけひろきうみへわたるふねほよくゆれてしらぬせともあおつりえをはむさかなやすいめんにまち)
青めく空さえ飲み込む摩天楼に
治癒もせぬ羽を癒やす鳥、
星、引き連れ夜更けへ渡る中
(あおめくそらさえのみこむまて...暗ム明ラムパングラム
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燐光性の錆びた言葉が時計じかけの夢を見て
螺鈿細工の猫ヒゲ線が人工鳥の比喩に死ぬ
痛みが通る轍のあとに複数形の白昼夢
君が作った〈世界の終り〉手品まがいの琥珀の音
白黒衝動、逃げる舞踏狂
「可笑しくなって 笑っちゃうわ」
二十二口径ねじ式系統
全て冷たい版画のようね、青い静脈の笑みの中
同心円で...Dr.バロウズインザラボラトリー
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煤煙燻る夜汽車につゆ揺られて、辿り着いたは無人境
憂き身に独り沈む私をもっと寂しがらせよ閑古鳥
繙(ひもと)き、読み解きまた繰(く)る頁(ぺーじ)
切れ切れ幾片(いくひら)の言葉が舞う
ひた集め知らぬ間に崖の縁
探しものに終ぞ出会わぬまま
草臥(くたび)れ折れる赤茶けた羊皮紙が押し拉ぎあう書架の森
...ワールドエンドブックエンド
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素気(すげ)ない風が粛々と葉末(はずえ)にすがる雨露(あめつゆ)をさらう
街の明かりが彳(たたず)んだ夜の暗がりを静かに摘んでゆく
薄暮に霞む後影 行人(こうじん)織りなす街路の淡彩
古い市門に消えてゆくあなたの背(そびら)を目で追った
踊るに似たるその歩み隆(りゅう)ときまって甚だ可憐で
宵に急か...それはあまりに人間的な
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酔狂、積みに積んでレッツゴオ 蒙昧、絵に描いた頓痴気な世界で
巫山戯(ふざけ)て 戯け、パッパラッパ 白痴をぶら下げて練り歩く
醜態、晒したってオオライ 後悔存ぜぬと道楽御一行
手練手管でパッパパッパ 遊惰を引き連れて徒然、道連れ
道中、変に右往左往中 行きつ戻りつでまた間違った
脱兎、遮二無二、這...頓痴気乱痴気珍呑紀行
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褐色(かちいろ)、瞳の奥に目まぐるしく映るは褪せた世界
喉を嗄らし凋む花、今日もまた一つ泪を注ぐ
文字盤の汚点(しみ)は増えて、花の葛(かずら)で編んだ冠は腐り
誕生日を祝う意味すら分からずに過ごしてたんだ
襤褸屑で包む綺麗な嘘
形象(かたち)をなくした不在の都市
余さずに過去は寓話となり
移り香だ...目覚めたあなたよ幸福たれ
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寄る辺のない孤独な旋律はたおやかに谺(こだま)する夜の声と消え
幸福はアイスのように溶け落ちて
少女は淡い本の上で踊る
呵々(かか)と笑う鈍色の月
不束かな夢を一齣(ひとくさり)の言葉で結べ、
繰り返す放課後はやがて時を止め
少女はかくて夜に溺れていく
憂い、...文学 in the 少女
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ボトルシップクロニクル
暮れ行き泥(なず)む斜陽と影
茹だる海の火照り尾を引いて
我儘、気儘、波を辷る
酔いどれ帆船の舵をとれ
一体何を探してるの?
一疋、嗤った回遊魚
回らぬ時計はさておいて
青い鳥の啼音(なきね)の後を追え
昨夜(よべ)の不安と気がかりな夢と...ボトルシップクロニクル
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