ブックマークした作品
-
今日の分だと言って無造作に手渡された封筒は余りにも薄っぺらで、中を確認する気も起こらなかった。
無精髭を生やした支配人は笑うことも労うこともせず、用件を済ませるとさっさと控え室を出て行く。
扉の閉まる音を聞いてからゆっくり顔を上げると、鏡の向こうには安っぽい赤いドレスを身に纏った女の姿。ため息をつけ...【カイメイ】on the rocks-前編-
キョン子
-
「ごめんなさい。他に、好きな人が出来たの」
その言葉を口にした瞬間、二人を包む空気が変わった。
遠回しサヨナラは遅効性の毒を持ってじわじわと体を蝕み、体の末端から少しずつ温度を奪っていく。
重苦しい沈黙の中、こんな状況でこれ以上どんな言葉を紡ぐのが一般的なのか私には分からないし、彼もまた同じだろう。...【カイメイ】クライベイビー
キョン子
-
宛先:姉さん
件名:今どこ?
本文:終電間に合うの?
差出人:姉さん
件名:Re:今どこ?
本文:にちょうめー
宛先:姉さん
件名:Re:Re:今どこ?
本文:どこの二丁目?
差出人:姉さん...【カイメイ】ステップブラザー・ステップ
キョン子
-
「ねぇ、今ここに弟クン呼んじゃいなさいよ」
3本目のワインを開けた頃、カウンターの中でご機嫌な酔っぱらいと化したミサトちゃんは、名案を思い付いたというように手を叩いた。
あらそれいいじゃない、呼んじゃえ呼んじゃえと野太い声の賛同が続いて、慌てて首を振る。
「だめだめ、カイトお酒飲めないもん」
「あら...【カイメイ】ニセモノシスター
キョン子
-
「はい、出来上がり」
ゆっくり目を開くと、目の前には満足そうに笑うカイトの顔。
差し出された鏡を受け取って覗き込むと、想像以上に完璧なメイクをされた自分が映っていた。
「……」
「どう?」
「…なんで」
「ん?」
(…なんで、こんなにうまいのよ)
ほんのり色づいた頬と潤んだ唇、毛穴ひとつない肌。いつ...【カイメイ】仕上げはあなたの唇で
キョン子
-
注・!現代パラレル!
自作【恋色病棟】の設定をそのまま引き継いでいます。
お読みいただかなくても大丈夫かとは思いますが、もしよければそちらから先にどうぞ→http://piapro.jp/content/rt95fh23vywkpk7s
【設定】
・お隣同士の幼馴染
・めーちゃん23歳社会人1年目、...【カイメイ】in the rain
キョン子
-
力強い低音。
透き通る高音。
鳥肌が立つような情感。
慢心することのない歌への情熱。
誰しもを魅了する「はじまりの歌姫」。
あなたの妹であることが、私の誇り。
**
「おねえちゃん、お誕生日はなにが欲しい?」
台所に立つ背中にそう問いかける。コトコトというお鍋の煮える音に混じって、おねえちゃんが誕生...【カイメイ前提・ミク&メイ】proud of you
キョン子
-
"iNSaNiTY"
音楽: Matt9five
歌詞: Matt9five
翻訳: Azuralunar
シンガー: SF-A2 "miki" Feat. KAITO
---
日本:
始めと終わりの要らない意味
この心の蒸発へと
だれが品性を覚えてるか?...SF-A2開発コードmiki・KAITO「iNSaNiTY」歌詞
Circus
-
「わぁ、メイちゃんすっごい綺麗!!」
「めーくん、花嫁さんだ!」
振り返ると、いつの間にか控え室の入り口にグミちゃんといろはちゃんが来ていた。
きらきらと輝かせた目。そういえば前に妹たちともこんな場面があったなと苦笑する。
「んふっふー、どうよ、あたしのメイクテク」
「すっごいすっごい!りり天才!...【カイメイ】サムシング・ブルー
キョン子
-
!注!
この先に居るのは
【性転換クリプトン一家】です。
!性転換クリプトン家!
メイト → 常識人苦労症器用貧乏家事担当
カイコ → 三度の飯よりめーくんの鉄砲娘
ミクオ → アイドル・わがまま・家では適当
ルキ → クールビューティーマイペース
リント → 元気印賑やか少年
レンカ → しっかり...【メイカイ】ノック
キョン子
-
ちゅ、と音を立てて、可愛い唇についばまれる。
しなやかな腕は俺の首に回され、艶めかしい足は俺の無造作に投げ出されて、胸元に押しつけられている柔らかな感触は間違いなく女性特有のアレ。
だめだ。
視覚も触覚も嗅覚も、すべてを閉じろ。感じてはいけない。
今この瞬間だけは、彼女から与えられる刺激に鈍く...【カイメイ】夢の中でも
キョン子
-
「ねぇ、カイトってお酒強いの?」
「え?どうして?」
リビングのソファでの晩酌中、私はふと思いついた疑問を口にした。
ローテーブルの向こう側でラグマットに座っているカイトが、きょとんとした表情で首を傾げる。
「だって、酔ってるの見たことないんだもの。もしかしたら私より強いのかなって」
グラスに入った...【カイメイ】酔ってるのは、お酒にじゃなくて
キョン子
-
※大したことはありませんが、少しだけオトナの描写があります※
閲覧の祭はご注意ください。
【カイメイ】赤の刻印
キョン子
-
――今日もまた、腕の中は空っぽだった。
薄暗い部屋の中、ぼんやりと目を開く。壁時計は起床時間の10分前を示していた。
空しく宙を切った右腕を自分自身に誤魔化しながら、俺は寝返りを打つ。
夢の中では確かに彼女を捕まえたはずなのに。柔らかさも甘い匂いも、俺の手には何も残っていない。
もう何度目だろう。次...【カイメイ】モーニングコール
キョン子
-
「――あいしてる」
あの夜、優しく囁いてくれた彼の腕の中で、涙を堪えるのが大変だったのを覚えている。
眼差しも大きな掌も広い胸も彼の香りも、貰ったプレゼントも、その言葉も。その全てが私を包んで、満たしてくれた。
この人と出会えて幸せだと、心から思った。
カイトが傍に居てくれることを心から感謝した。
...【カイメイ】Happy Happy Birthday
キョン子
-
現実は孤独で 眩暈さえ覚えた
この感情が「愛」と言うなら
僕のソレはあまりに破壊的だろう
夢の中で君を奪う
何もかも 全部を
笑顔も感情も身体も
全てを奪って僕のものに
とめどなく流れる感情
欲と言う名の僕の「愛」
満たされない 何をしても...脳内彼女
皐月
-
「新しい女性ボーカロイドをインストールしたい」
マスターの口からそう告げられた時、思った。
ああ、ついにこの日が来たんだ、と。
覚悟していた瞬間の訪れは、予想よりもずっと穏やかだった。
もっと衝撃的で、絶望的だと思っていたのに、私はまだまっすぐマスターの顔を見ることが出来ている。
「名前は『初音ミク...【カイメイ】シスター・コンプレックス
キョン子
-
「はーい、ありがとうございましたー」
ボイスレコーダーをオフにする。
すると、テーブルの向こうでめぇ姉が戸惑ったような表情を浮かべた。
「…ね、ねぇリン、今の本当にマスターに提出するの?」
「するよー?だってマスターからの直々の依頼だもん」
「…それにしたって、今のインタビューは…」
「いいじゃない...【カイメイ】続・恋するふたりに質問です
キョン子
-
Q・あなたのことを、おしえてください
「自己紹介?」
「みたいだね。カイトです。好きなものは歌とアイスとめーちゃんです」
「…メイコです。好きなものは…歌とマスターとお酒と家族です。…なによその顔」
Q・恋が生まれたきっかけは、なんでしょう。
「俺は一目惚れだけど、そういえばめーちゃんは?」
「…言...【カイメイ】恋するふたりに質問です
キョン子
-
叫ぶ教会の鐘
歓楽と言う名の人口密度が
私の体を蝕む
ネオンの濃淡は裏を照らして
見え隠れする腹の渦のように
時計台に集まる夜鳥達
音に共鳴して羽ばたいて
空を埋めるように
広がって消えていった
夢の中 全部投げ出して...Lost
皐月
-
※
彼女は何時も 籠の中で過ごし
籠を壊し彼女を 外の世界へと旅立たせる
それが僕の役目と信じて
1、
初めて出会った日の彼女 惨めな接ぎだらけの服
怯えて僕を見る瞳 何処か震えていたんだ
時が経ち 彼女はこの国の女王になった
彼女は言った「魔女狩りを執り行う」と
屍の山 民の消えた山村...The Knight of Queen【タイトル仮】
anezello@ぶっ壊れP