きなこの投稿作品一覧
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世界を隔てる 見えない線が
限りなく 澄んで滲む
夕日は昇る どんな今日だって
忘れ去られた 郵便ポスト
へばりつく 動かぬ足
貼られた切手 10円の言葉
今夜は憂う 熱も冷めて 凍てつきもせず
ただ燃ゆる山は 遠く 近く
映す水模様は 誰がために
手をかけた格子に 問いかける...紅のバルコニー
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永遠に流る不屈のメロディ
幾千の時を経てもここに在り
集っては散りゆく葉で節を知り
そしていつまでも清らなる大地を望む
神が示したこの命
この手はきっと特別だ
大きく移ろう空の下
出ない芽を嘆き果てて
謳おう
この世の命抱ける心もって...木漏れ日の鎮魂歌
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詰めた リュックには
溢れんばかり 好奇心
僕は ここにいる
何を探しにいくのだろう
鳴らす 手拍子は
暗い森さえ 変えていく
得に ならないと
ムクれた僕を 笑ってる
大きな背中が 見せてくれた 世界で
両手広げ 風を纏い...will be
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据えた目を低く構えて
見守るひと旅のカゲロウ
ズレた陽にまだ消えぬ影
ここにいると叫んでいた
濁った朝はいつかの事
ブルーライトに染まるから
どうせならもっと 貪り喰って
灼熱をタイトにするのさ
真夏の日 ここは縄張り
護る盾すら生み出せるのさ...秘密基地
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こうして立っていると
あなたが揺られているみたい
十を吸って 噎せるあなたに
百を飲ませる 酷な海で
正しいことも 教わらず
知らざるを 罪という
意味のない この空に
価値を付けるのが
辛そうで、辛そうで
あなたのための この水を...海とあなたと
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夜が来て暗くなるのか
暗くなって夜がくるのか
わからない わからないけど
雪の音を聞いたんだ
優しい声に気付いたんだ
冷たい今日の閉じ方を
あなたは知っているか
いま 灯しを消せば 灯しを消せば
どこか遠くが暗くなる
でも 灯しを消せば 消してしまえば...灯しを消せば
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飲めない針でできた あなたの言葉は
深い青をして
傷つけたいんじゃない そういったっけな
関係ないけど
夜がきたら朝が来るし
好きと言えば好きと返す
悪くはないんだけど
花が咲けばいつか散るし
暇ができて目をつむると
何故だか虚しくなる...消灯時間
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1A
小さく咳払いをしてみた
気付いてもらえるよう
静かに覗き込んでみた
あくまでもさり気なく
1B
楽しいかい?そんな暮らしして
こっちはボチボチやってるよ
こんな自分を認められるのが
なにより一番怖かった...放浪アイデンティティ
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たった2本しかない足で
重たい枷を諦めて
小さく生きる少女の手
宙ぶらりんな私の瞳
もっと大事に持っていて
もっと優しく愛していて
薄く潰れた好奇心
大人と子供の吊り糸の上で
猶予なんて言葉じゃない
いいよなんて言われたくない...モラトリアムは消えたのだ
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日の沈む駅のベンチで
長く長く僕らは待ってた
いつ貼られたか濁してる
褪せた時刻表
どこから来たのかもわからないのに
一体どこへ行こうというのか
宛先の消えた飛行船に
地球ごと乗っかってる とするなら
いま この 瞬間 も
誰かが指さしケラケラ笑う...宇宙船地球号
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瞳と瞳を繋いだ 線の上
思考の汽笛 最終便
長い肩紐は あなたの証
共に居た 街灯が
散らす白は 天使のようで
それでいて 地獄のようで
黒く濁った 苦しい朝を
少し 笑った
探しても 探しても
足跡すら 逃げてしまった...雪上列車
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1A
小さく咳払いをしてみた
気付いてもらえるよう
静かに覗き込んでみた
あくまでもさり気なく
1B
楽しいかい?そんな暮らしして
こっちはボチボチやってるよ
こんな自分を認められるのが
なにより一番怖かった...放浪アイデンティティ
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野良猫の細い声に 泣いたことなんてなかった
私を通さない改札に ほっとしたりしなかった
路地を抜け 朝6時 星が眠りについた頃
私ははじめて私に出会う
白い花 ガスの音 小鳥の羽がやってくる
霞む山 目が慣れたなら
あなたがいない 夢からさめる
澄んだ風 朝の音 冷える足先ひっこめる
ぬるい布団 気...はじめまして
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どこか遠い遠い点で 結ばれた僕らは
いつまでも傍にいる
目先のことじゃなくて 未来をみて
決めたことだから
きれいな空 出会えた時に
それでも僕は
変わらず一番に 届けるのだろう
たとえ交われずとも
君だけを 信じて
不思議な 巡り合わせ...カスタネット
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A
回路図は最終関門
浮気性なのね
どんでん返しは不採用みたい
垢抜けた南京錠なら
執行猶予はカウベルの音色で
B
導火線のずっとずっと奥
睡眠不足の金字塔から
突き刺すサーベル...X戦争
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①
A 重ねた手と手 触れた細い
君の心は 凍ったまま
2人を隔てる 夜想曲に
酔いしれる深夜この頃
B 眩むような真珠で
君の価値を決めないで
深い窓の奥の届かない
瞳へ いま
サ 縛る鎖と 躊躇う理由も...深窓の令嬢
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そして僕は歩く だから僕は歩く
遠い水音(みずおと)を近づけるために
力じゃなくて 気持ちを込めて
昇るなら待とう いつか見た朝日を
触れちゃ駄目なこと 忘れるべきこと
色は豊かに いつも絶やさず
浴びる悪意も 青い善意も
決まった言葉はどこにもないのに
染まる空に ただ手を翳す
溢れた波は 隠した...いつか見た朝日を
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あなたにもらった言葉を
1つ2つと噛んでみた
酷く苦くてしかめる私を
愛おしそうに笑う横顔
入道雲が渡らせた空に
鳴り止まぬ声を重ね合って
溶け落ちるその一滴をどうか
大事に大事に すくいとって
私の喉に 沈めて ほしいのです
あれは綺麗な臨海の彼方...心の中
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咲いた花は 蕾(つぼ)まぬように
夜を照らせば 目を引くように
屋形船浮かぶ 河上の
残像をまだ 焼き付けて
まばたきもせず
走る 切れた息 一時の
唸る 暑さから 逃げ狂い
熱帯夜の先を 覗けば ああ
収まらない 熱に逆らい
迫ってくる 地力負かせて...打上花火
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1A
かぶりついたような恋だった
藁以外にもすがってしまうような
情熱的だとかなんだとか
言ってるのが馬鹿馬鹿しくなるほど
1B
蹲踞のデフォに 嫌気が差したし もうやめたかった
知らない裏通り 惹かれるように
あなたに出会う
あいこを繰り返し 延命治療も飽きてきた...LOVE ROCK
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1A
変わらない風が 変わらない夏を
僕らはずっと願ってたんだ
飽きることなく 馬鹿みたいに
1B
空模様に連れ去られ 白紙を丸めてみたものの
知らないことはいつまでも 牙を見せたまま
1S
どうかこのまま 蕩ける前に
僕を留めて 抱えておくれ...ひまわりの墓場
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A①
緩く融けていくコバルトの中
時期が来たのだと目を瞑る
海馬を走らせ 記憶を灯そう
温もりが尽きる前に
B①
淡く首に 染み付く口癖が
篭って ここに 留めている
サビ①
それでもまだ 溢れるとしたら...海水を飲む
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1A
知らない街の 知らない踊り
部屋番号は みんな 知ってる
きれいな文字 汚い言葉
並べ替え きみの声を
1B
路地を抜け しんとなる頃
時計の針が 息を吸う
「ユートピア」 言うときみは
『都会の街』 と鼻を掻いた...都会の街
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A
ふざけた顔したアイツが
今でもちょっと許せなかったりする
未熟なままで大人になったから
辛いことばかりで 折れちゃいそうだよ
B
幼気な願いを 痛い怪我した日を
思い出す夜があるなんて めんどくさい奴だ
サビ
大人気ないな...20
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あなたにもらった言葉を
1つ2つと噛んでみた
酷く苦くてしかめる私を
愛おしそうに笑う横顔
入道雲が渡らせた空に
鳴り止まぬ声を重ね合って
溶け落ちるその一滴をどうか
大事に大事に すくいとって
私の喉に 沈めて ほしいのです
あれは綺麗な臨海の彼方...心の中
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A
緑の褪せた靴の踵を踏んで
だらしない真似を演じてみる
馬鹿でいる方が気持ちがいいさ
そう気付いたのは18の夏
ふと鼻歌が歌えなくなる頃に
僕は僕をやめようと思った
書き溜めを破き散らしてやっと
人間になってみようとしたんだ
「優しい人間」にさ...世界が僕らのものなら
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満月の模様が 僕を笑う人にみえた
そんな今日の夜はきっと
なにをしても駄目なんだろう
積もった嫌なこと 涙を堪えた日々から
逃げたいのだ 逃げたいのだ
僕を知らないどこかの国へ
乱暴な足音で目が覚めた
どうも心がまとまらないな
喉の乾きに慣れる前に
優しい優しい君に会いたい...逃避行
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大切の感じ方が
こんなにも違うなんてね
笑っちゃうわ
自分のモノサシに合わないと
信じることができない
2人だけの裏舞台
だってさ
逃げて引きずった痕が癒えない
傷薬をそっと塗ったなら
わたしたちはどこへ向かおう...だってさ
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特に照らすものはない 溶けかけた街灯の下
ふらり覚束無い足音は 鈍く歌う
整ったひらがな それで急(せ)いたような
傘をささなかったのは 何故ですか
寒く凍えていたのは 何故ですか
涙を隠してたのは 何故ですか
自虐の被虐の間に燃える
希望を吹き消したのは 何故ですか
息を吸って 君を呼んで
どこか...置き手紙
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どうやったって分からないんだ
なんでそんなに笑っているのか
挟んだ栞は吹かれていった
どうやったって有り得ないんだ
なんでそんなに平気でいるのか
書きかけの幼さ 黒が差す
いつかわかるからって
はぐらかされてた真髄が
カレンダー達に噛み付いては
蝋燭をだんだん増やしていく...18
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A
曲の趣味も変わったし 枕なしで寝れるようになった
たった数日たった数回笑いあっただけなのに
人が笑うのが好きな人で
人が驚くと嬉しそうだった
B
あなたの笑顔をなんと彩ろう
タバコ臭いけど洗い迷う服
どうしようもない 夜を繰り返し
日が昇るだけの朝を迎えた...恋と呼ぶには
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誰になんと言われようと
私は生きていたんだよ
そう言えたのなら よかったのかな
君になにを言われようと
私の宝物だから
そう言えたのなら よかったのにな
深夜のラジオはすぐ飛ぶ刹那
曖昧な関係も 会いたいな言わないよ
それでもさ 白いままさ 居られたらさ
また 笑ってくれるのかな...おわかれ
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どうやらまだ生きているみたいだ
何回一体
同じことを繰り返すんだろうね
どうやらまだ死なないみたいだ
難解一切
小さすぎて掬ってやるには
複雑すぎた
生きる中で消え薄れ
それでも幸せをつくり
藻掻く中で絶えぬよう...セイ
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言いたいことの1つさえも
書けなかった手紙を渡したこと
そんな最後が思うより
そっけなくて心がぽかんとする
言いたいことの1つさえも
言えなかった私の履歴には
数えきれないその名前
何度もみて閉じてを繰り返した
私をどんな人だと思う?
気が遣えて話をよく聞いていつも笑顔で...昨日まで夏だったのに
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A
どこか遠くの空の下で 猫たちの鳴き声がする
荒々しくてけたたましい 僕の心みたいだ
等々と 滔々と
喧嘩はなんだ、収まったか ついに後は僕達だけ
弱々しくて偽物の 僕の言葉みたいだ
杳々と 様々と
B
見つけたんだよ くらい所
もう誰だって来ない所...喪失旅行