yuyunの投稿作品一覧
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いづれ掻き消える泡沫[うたかた]の 恋の成れの果てと ――
曙[あけぼの]の空にほの揺らぐ
淡雲[あわぐも]の消えゆくは
愛[かな]し染まりゆく藍[あい]の端[は]の
儚さにも重なり
憂う眼差しを手繰[たぐ]り寄せ
繋ぐこころ ひとつ
ぁあ
届かぬ言の葉 滑り落[お]つ衣[きぬ]の行方晦[くら]まし...泡沫人[うたかたびと]
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震え 愛せ 私を
憂うだけの寂しい
謳え 晒せ お前の
満ちる闇 浮かぶ絲
絡め取るため差し伸べた
手に縋る頬は青ざめて
可哀想にと 撫でてやるだけで
お前は私のものになる
零す 言葉にも
掻き毟る喉...MAJORCA(マジョルカ)
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清かなる蒼[あお]を 従えて
地平まで満ちゆく 黎明
たなびく雲間を 舞い踊る
鳥は広げる羽根を誇るよ(う)に 果てを目指す
遠ざかる影 見送る眼差し
映り込む明日の行方 今はただ祈るだけ
無垢なる瞼伝い 頬を濡らす涙が乾いた地に 弾かれて
たやすく塗り替えられる 運命の音色に 耳を澄ましてた
吹き...儚想歌
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シャンデリアが揺れる
アナタのダイヤ みたいに
冷たいラインで
りりり りりり 揺らいで
カァテンが千切れる
ワタシのハァト みたいに
いびつなカタチで
ちちち ちちち 千切れる
グラスが傾[かし]ぐ 真夜中の隙間
交わした約束 今宵だけの秘密...secret room
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糸で綴る 文様[モレウ]のように
貴方の名前を 繰り返しては
明ける緋[ひ]を 重ね
過ぎる月を 辿る
紡ぐitak[イタ(ク)] 祝福の愛
天地[あめつち]に 響く
歌を 掻き鳴らせ
音が血が 受け継ぐyukar[ユーカ(ラ)]
想い願う 誓いを抱え
貴方の姿を 見送りながら...yukar[ユーカ(ラ)]
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還らずの場所
最果てに見て
引き摺る足を
撫で 摩り 喘ぐ
憂いは 数多
嘆きも 数多
見据える先に
ひかりは ひとつ
時紡ぐ星[トキツムグホシ]が 森の葉に揺れ
深まる夜に ひしめく静けさ...時紡ぐ星[トキツムグホシ]
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揺らぐことのない深淵で
震える頬を 愛撫する
少女は怯え歌いだす
「あなたの為に祈ります」
隠したひかりの陰影で
迷妄のまま 懺悔する
少女は憂い慰める
「あなたの為に泣きましょう」
悲しいからと 晒す涙に
どれほどの価値があるのでしょう?...遺詠(ノコスウタ)
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綺麗な理由を 無様に並べて
紡ぐ言い訳が 唇に覗く
軽薄な笑みは 今日も同じで
可笑しくなるぐらい 切ないの
ぎこちないココロに
追いつかないカラダ
探る指に 気付かないふりで
(怖くないよ、大丈夫)
溢れる音から 逃げ出したくて
耳を塞げば 何も聞こえない...何も聞こえない。
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誰でもいいから 僕を見つけて
小さくないし 薄くない僕を
誰でもいいから 僕を探して
雑でもないし 歪まない僕を
噛み合わないのも 揃わないのも
運命だなんて 呼ばないで
何処にでも有って 似てるけど
此処にしか無い ひとつだけ
取り残されるのには 慣れてるよ
でも忘れたことには しないでよ...僕の鍵
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呼ばれたから 急ぐの
きつい靴を 履いて
甘い匂いを 纏(まと)い
髪に花を 挿すの
垂れ下がるリボン 抓みあげ
今日も服を お強請りするの
笑うあなたは 惜しげなく
応えて与えてくれる でも
物足りなさまで 言葉にしたら
涼しい顔は 引きつるかしら...隷従遊戯(れいじゅうゆうぎ)
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ベルモットの 香りが
まだ唇に 滲んで
飲み干された グラスに
面影を 探してる
Under the moonlight
揺らぐ影 誰も居ない部屋で
Under the moonlight
呟いてみる 貴方の名前
繋ぎとめる リングも
甘く冷たい 言葉も...Under The Moonlight
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滑り降りた つま先
敷き詰められた 淡い ひかり
踏み出したら 砕けた
きれいな音で ほろり ほろり
最果てと添う 空の深さは 限りない藍(あお)で
見上げるたびに 広がる底に 落ちてしまいそう
凝らした目に この星ノ原は輝き 眩く霞んで
誰の影も伸びないここに ぽつり落とす涙
小さな両手のなか...星ノ原(ホシノハラ)
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暗がりの中に 彷徨う明かり
燻る淡い 陰りを連れて
追い縋りゆく 手のひらの
指の先からも 掠め去る
とおく とおく 響く
硝子打つ音に
顔を 上げては
深みに 眩んで
可哀想な 冬の金魚
鉢の底で 水面探し...冬の金魚(side KAITO)
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残夏を拭う 宵風が
この髪端(くしは)まで 揺らすのに
誘われひとつ
咳払い
からころ鳴る下駄 歌わせながら
咥えた煙管の香を呑んだ
遠く日暮、かなかなと
近く蟋蟀、じりじりと
移る季節に 滲み出す
憂うこころは 遣る瀬無く...待宵歌(まつよいうた)
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絡みつく糸 吊られる傀儡の 虚ろな眼窩より
暗い回廊 その奥に燈った 洋灯(ランプ)に揺らぐ影
あぁ 客人様
お待たせしました さぁ遠慮なさらず どうぞコチラまで
お探しのものは どんな色で
どんな音で鳴き歌うものですか
お望みのままに 仕立て上げて
必ずお気に召すものを ご用意します
深まりゆく ...迷執人形館(めいしつにんぎょうかん)
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降り続く真白 しんと鳴り
空と地平の 境目も
混ざり合い溶けて 消え失せる
眩む目だけが 取り残される
積もり凝る 愛惜は
奥底にまで 染み込んで
伸べる手でも なにひとつ
拾うことも 叶わずに
横たわる褥 あかいはな
誘(いざな)う香り 甘くあまく...赤い花
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遥か 地平の果てに沈む朱(あか)と
たゆたう 薄雲の翻る藍
遠く そびやかす土塊の狭間
過ぎ行く 風の手が 衣の端(は)を遊ぶ
冴え凪ぐ 砂の海は幾重にも続き
無窮の地に 記す礼賛の文様
踏み締めるは 芥の過去
掬う指先に 満ち足りずに
滑り落ちて 紛れ掻き消える
悉く...砂礫の記憶
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[A]
頬打つ睫 緩やかに
そっと視界を 広げたら
彩る色は 瞬いて
此処に在る意味を 思い知る
[B]
揺るぎない ひかり
今なら 触れられる
鮮やかな ひかり
濃く 際立ち...来(ひかり)
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[Aメロ]
堆(うずたか)き葉 絡む枝
注ぐひかり 白と闇
踏み入れよ 其のつま先
迷いたくば 此の深み
[Bメロ]
澄ます耳に 静寂が痛み
奪われた 耳の飾り
滑り込む 甘い吐息
[サビ]...紺碧の森
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A
いま 撒き散らす
歪んだメロディ
この 底のない
碧の最中に
A
いま 暴かれる
綺麗なパロディ
その 曖昧で
あさはかな嘘...碧を泳ぐ蝶
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鳥が歌って 啼いたから
パンケーキの端 千切って投げた
晴れた空から 降る雨で
ぽつり、うまれた 水溜り
咲いたばかりの プルメリア
摘まれた籠から 零れて落ちた
今日も祈りは 密やかで
ふわり、漂う 捧げる香り
何処かの知らない 誰かが
此処を 楽園だと言ったけれど...jalan-jalan(ミナミノシマノハナウタ)
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暗がりの中の 小さな明かり
群がる弱いものたちみたい
泣きそうな顔 隠しても
笑う唇が引き攣れる
くらい くらい 場所で
膝を抱えたら
いつか誰かが
見つけてくれるの?
可哀想な冬の金魚
鉢のなかで 泡を吐いて...冬の金魚
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傾ぐ降る日を 浴び照り返す
清かなる刃の 撫でる祈りに
落つ影の淡い 輪郭が疾[と]く
増し深まりゆく 夜はただ濃く
沈む世界を 踏む足音が
歌に響きに 紛れ混ざり
息吹くBarong[バロン]の 差し伸べたる手
目覚めるRangda[ランダ]の 揺らいだ爪が
掻き出す憂いと悲しみは
艶やかに咲く ...Sekala‐Niskala(スカラ・ニスカラ)
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爪弾いた絃(いと)が たおやかに震え
長い夜の足音を 紡ぐ
冷たさを孕む 莢かな風が
緩やかに髪を 撫でて 過ぎた
瞬きの端から 零れ溢れ
蒼の狭間 碧は混じり
鳴る鈴の響き 撓る唇の
歌は遥かなる 空へ吸われ
巡る 辿る
時と 想いは...夢幻詩(ムゲンノウタ:lushiaさまに捧ぐ)
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まるで世界は其処だけのように、
ほの暗い闇のなかに焼き付いた
震わす指先は捧ぐように空へ
滑らすつま先は伏した頭(こうべ)の如く
石床(いわどこ)に、擦り付けられた
轟くのは、音
響くのは、歌
流れ込んだ、風が
散らした篝火の、粉(こ)が
此処に神は居た...Sayang(サヤン)-原詩 ver.-
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ひかりの射した しじまの記憶
深い熱の静まる場所で
ほの揺らぎ澄んだ 淡い波紋が
密やかに生む 細微な辛苦
朽ちないからだに 積もる哀悲
濡らせぬ頬を 悔やみながら
あなたの為に 声を捧ぐ
あなたが呉れた 歌を歌う
あなたが求め 望んだように
あなたを想い 懐かしみながら...コトノハ(銀木犀さまに捧ぐ)
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ゆらゆら揺らいだ光源が
ひらひら閃き微睡んだ
哀れなからだは 知ることも
触れることすら 叶わない
澄んだ水の冷たさも この体には意味が無く
ただ視認する眩さを ひとつひとつ確かめようと
触れる水の柔らかさ てのひら擽る感触
染み込んで沈む最中で 底から見上げた睡蓮の
花の色の、名を。 知りたい。
...睡蓮(カエルヤ ナギさまに捧ぐ)
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A
紫闇に浮かぶ 輪郭を(7・5)12
凝らす目で 確かめ記す(5・7)12
縁取る指で 生まれ出る(7・5)12
依り代に 猛き音韻(5・7)12
B
絡む糸 淵の揺らぎが(5・7)12
黎明に ぴんと張り詰め(5・7)12
沸き立った 躯幹の底の(5・7)12
情動と 感情の行方(5・8)13...化生の音(taman様に捧ぐ)
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A
闇の狭間に ほの紅く(7・5)12
誇りに塗れ 踊り踏む(7・5)12
舞台の石は 冷々と(7・5)12
見下ろす器の 牙も無く(8・5)13
B
祈りは絶え 敬いは廃れど(6・9)15
願いは続き 母の教えは残る(7・10)17
サビ
轟く音と 響く唄(7・5)12...Sayang(サヤン)
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絡まり
響き、
重なり
溶ける。
そんな旋律の最中に有って、見つめた。
透き通る眼球の、放つ視線までが。
当たり前のように交わって、均されるから。
声音に紛れる感情までも、摺り合わされる感覚は。
錯覚なのか。確信なのか。
誰も教えてくれないから。...虚ろな恋。
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