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そうそれは回想に築く聯
暑き、ただ暑き、蝉叫ぶ日でありました
陽炎道揺らめき喘ぐばかりの隣
紫陽花散り愛が咲き蓮華が咲いて何が散ったのだろう?
束の間の何でもない日々
それだけで歩みを進められました
青透き通り白に変わる快晴の日
暑き季節に不意に感じた
肌伝う悪寒にも似る何か
その行方すら掴めず儘過...夏の鳥
出来立てオスカル
「坊や!坊や!いざ立ち上がらん!!
この空青きは何故であるかを! 死に逝く流弾の輪廻転生が何故であるかを!
支えが朽ちれば人はなく、人がなければ世界はなく、世界が無くなれば、真の平穏が訪れる!これこそ真理であるが故!!
瞬く無かれ! いざ立ち上がり勇猛果敢の修羅とならん! まずは鉤赤の旗から焼却だ!...蚰蜒ノ行(げじのぎょう)
出来立てオスカル
逃げ惑う
果ての誓いに火を点し
裏の道だけを走る
もう後戻りは出来ない所以
青黒い天を仰げば込み上げる理解できぬ何か
悟りを排他 後悔すらも握り潰し
愛したものも忘れた時 鬼となる定め
揺れる風に逆説の唱和
涅槃を辿る足跡に見出す物は皆無
遠き記憶へ回帰すれば...唯識(ゆいしき)
出来立てオスカル
一夜の過ちは雪洞の下にて候
輪廻には背徳が仄仄
過ちの数だけ鈍く照り輝くと謳う
疑念、その先の視点までブレさせる
終わりの無い不埒が苦痛を増やし
今の自分を省みて後悔
五臓六腑に染み渡るその流水、
毒素微かに嗤う 止めどない後悔
そして再び積み重なる後悔
それこそが勇敢なる砂上の楼閣...死有(しう)
出来立てオスカル
瞬き、残酷な行為の果てに得た快楽とは何だ
桜散り哀愁と美しさ
月蝕 肉喰らい 怪物は血を滴らす
陰落ちて 悲しみのそこにぷかり浮かんだ鬼灯
燃える原色の感情が昂ぶり割れる耳鳴りに包まれ
輪廻崩す力 欲して 幻しか掴めず
闇に溺れ重ね塗った単調な音が耳を焦がす
閉ざされてゆく 恐怖にも似た 負の感覚が...彼岸ニテ綴ル
出来立てオスカル
癒せない苦しみが
胸に焦げ付いて
Ah…獄心と成せ
破滅を誘う異端の針
墜落した奇人のdaybreak
既に浸食
砂の色すら疑う
篝火に焼かれた...波羅蜜(はらみだ)
出来立てオスカル
磔の夜、梵鐘が鳴り響けば大地には風が吹き渡る。
二つめの棺、見透かすかのような傀儡(かいらい)。
業(かるま)、掻き消すようなhoma。でも染み付いた汚れは二度と落ちず、さまよう針山。
今更縋る釈迦三尊はただの石で、追い詰められる俺は叫ぶ
「sukhavatiなど存在しない!今こそ悟れ」
何故生きる...訴歌(そか)
出来立てオスカル
ささめく謡に涙すれば
歌人冥利に尽きて言葉失うと優しき矛盾
隣にいた言葉でした
微かでも鼓膜の記憶の奥底に焼き付けておこうと
澪に座し音無を耳に当て
侘びしく克する移ろいの泥波
汲み取れない砂よりも白くなる音に
花弁を失う蝶の如く切なく
その道筋も糧も無情に定まり苦笑
水鶏が波紋を起こす 朧谺...朧谺
出来立てオスカル
色、失うが故の喪失感
色、是即ち、空なりて
望みもしない呼吸の日々
虚無の果ての悟り
観れるはずのない未來を夢見て
吐き出した文字の数だけ 拙いだけの汚れた非現実思想
もう恐れない 神などいない 狂い焦燥幻想夢想 死の部屋
仏の死に様を焼き付けろ 二度と手に入れがたし 悟り 快感 この眼に
欲望の茨...色、是即ち、空なりて
出来立てオスカル
黙せよ実りが来るまでの辛抱と
堪え忍び時代を越える
木偶の坊と罵られても直向きに
太陽を待ち侘びて不変を進む
浄化されるのはこの魂に絡みついた業か
抑することしか知らない愚かさか
蟻禅を重ねて 謀反の術をも忘れた純粋を憎むべきかと
風前の綱渡り
大いなる者が蔓延る嫌な時代になりました
恐らく唇の肉を...蟻禅
出来立てオスカル
日暮、鳴り響く夏の暮
「邪曲な月だ。」と貴方は睨み上げる
その背に見えた夏景色はどこか、落莫
届くかも分からない
貴方の指、崩れそうな旨は直隠し
ほら、聞こえるでしょう
子供達の声、幾何も
でも、聞こえないでしょう
私の声
月は悪戯に濡つ袖を明白に晒すから...蛍と蝉
出来立てオスカル
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