投稿作品16作品
もっと見る-
集まる雲 のぼる風 力強く
蝉時雨が溶ける空 長く高く
泡模様に 透きとおった
甘辛く潤う瓶サイダー
引換え券 まわし飲み 射的バトル
提灯の灯 虫さされ お面の影
ごった返す納涼祭に
入道雲の雷鳴が響く
雨粒溶かした綿菓子
へそを守るように抱え込む夜...青褐色
-
腐るほど熟れた秘密
静寂蝕む屍櫃
蹌踉めき呻きで踏み躙る
枝垂れ 穢れ 舐れ
黒檀の闇 白銀睨み
迷い込んだ逢魔時
御祭り騒ぎ 箒は泳ぎ
温く渡る空気たなびけ
ノイズに弾けた電光が
切り取る草葉の陰にて暗雲踠く骸...晩秋
-
跳ねる泥をやけに嫌った
辺りはもう真っ暗
逃げ場も蝕まれている高架橋
分厚い雲をかぶせては
夜の灯りを急かす
天気予報も役立たず
疲れた顔傘に隠す
背を向いた蛇の目とは 対照的な様子
黄色い長靴が はしゃいでる
あり合わせ イルミネーション...雨のち
-
光泳ぎ 一面にたゆたう白
熱を飲みほしては
軽やかな鳥の影も捕まえて
かすみそうな果てで雲を抱く
連れて行った砂粒と
取り残されている
ぐしょぬれに冷えた心
透明な色を重ねて空っぽになりそうな今も
しぶきが繰り返し ちりばめる思い出
眩しくて苦しくて...波間
-
日の落ちた街で 明日が今日に変わってく
冷房効かせた暗闇の部屋 布団包(くる)み
雨宿りをしてるように
心軽くなるのを待つばかり いつも
逃げて忘れないと 縛り付けられて引き摺られ
息を潜めるのも 苦しくなってくるから
まだ眠れなくて 数えるデジタル時計
携帯 眩しい画面の中 刻々 過ぎる今
誰かの...夜が明けた
-
淡く描かれる青春の裏は
未熟すぎて儚いものだった
顔見知り達がただ並んだ部屋は
窮屈に日常を急かしてばかりだ
寝ぼけ眼が睨んでいた
時計を染める夕焼け
夜に怯えて虚勢を張った
カラスの鳴き声に
ずれた心が宙へ浮かぶ
誰の目にも馴染めなかったよ...思春期
-
アナタを釣った真っ赤な糸が
絡むリップの誘惑
努力実ったアプローチ
視線奪って釘付け
独り占め飽きるまでどーぞこの笑顔
しゃかりきに駆け引き スキル向上中
涙をたくわえて 上目で見つめる
あわあわメソメソ嫉妬ぷんぷん
デレデレつんけん
冷めやらぬ魔性のユートピア...スイート
-
願い首にかける てるてる坊主は
もうすぐ止む雨 晴れて命を落とすだろう
薄暗い街角 目に焼きつけては
誰の姿をも見下ろし 楽しんでいるのだろう
二つの影潜む傘
切り裂く雷鳴にも似た大声
間もなくひるがえる傘
走り去る背中を隠した
名前も関係も知らない
二人が見捨てた置き土産だけが...晴れまで
-
空想描く日々を 遊び続けた
未熟なときめきが いつでも未来を指さす
だれかの言葉で すぐに揺れる素直さは
広がる可能性を 余すところもなく
かがやきの呼ぶほう あこがれが舵を取る
出会えた奇跡に ありがとう
頑張れたら良いんだ 興味本位楽しもう
後悔も流し去る 汗がきらめくまで
情熱は遠回りで 往復...夢限
-
そよ風さざめく丘から遠く
離れる声も薄れるなか
陽気な日はまどろみへ誘うように
永い時をさらった
後ろ手見送りついに会えぬまま
夕焼けに傾く木漏れ日
横切る影がやはり無いのは
夜の仕業だろう
かつて広がった言の葉
飾り付けてきらめく思い出たちよ...影送り
-
誰も彼もがほら
隣り合わせる一筋の光
希望、夢集め映ゆる飛沫
曇り空を稲妻が割いた
街を濡らすプラズマサイン
ガラス伝う紫電の雨粒
引搔かれているワンルーム
水溜りに着替えた穴ぼこ
あちらこちら彩り揺らめく
香り高く花びらはらりと...夏浴み
-
窓ガラス覗く 暇つぶしの街
跳ね返る色に まだ飽きずにいる
約8分前の 貴方が照らした
ただいまの私 どう映るのかな
夢だとか強みなんて あんまり無いんだけど
過ぎる時間をいつでも 笑って見せるからね
黒板を鳴らす 白文字のリズム
眠い目をこする 陽射しのブランケット
上の空 頬杖ついて 思い浮かべ...ねぇ
-
光る音波で漕ぎ出した 誰もを乗せる方舟
丸いほっぺが赤らめる
黄金 座布団 浮かべ
羅針 野心 載せて抱く
雫 焦がす 星明かり
掲ぐ帆を 透いておどける
気まぐれな空に
いつしか よじれた腹は
朝餉を待ちくたびれる
御覧 逸れることない路へ...宝船
-
目覚める体が泣いた 軋む床に射す
朝焼け彩り また ゆめうつつ
寝返るたんびに放る 布団の傍ら
陽だまり添い寝したのか 薄れ色
面倒で開け放つ窓 あといくつ寝れば
誰もが風流という 虫が鳴くの
外には いつでも 光が溢れて
何故だか 部屋まで 届けてくれるね
気付けば 心が 新鮮なんだ
失くした 昨...きっかけ
-
宝の地図と オルゴール
進む先 霞む雷
ダイスは 投げられた
裏表 照るコイントス
Wow
複窓(ふくまど)が覆う 掲示板を曲がれば
ギミック潜む バイオームへの パンニング
濃く深く染まる道に
野花がキラリとそよぎ
潤うスチルは慎ましく...雨遊び
-
頼りなく道を照らすライトが
地平から闇を引き摺っている
輪郭づいてきた暗がりでは
浮かんで惑う星々が光る
天高く 交わるはずない空
朧月を遠く仰いだ ちぎれ雲
七色に染まっていたんだ
レンズには上手く写らない
行き交う人は見上げ
懐かしく微笑む...宵の光明