神奈 隆平さん

 右の鼻の穴を右鼻穴と言うべきか右鼻というべきか、人類最大の難問に取り組んですでに20年。

神奈 隆平さん

神奈 隆平さん

rkamina

 右の鼻の穴を右鼻穴と言うべきか右鼻というべきか、人類最大の難問に取り組んですでに20年。
 だが左の鼻の穴は左鼻って言う。

 曲欲しさに登録するものの、あげるものは無い。
 それもいろいろまずい気がしたので、書き終えた小説を連続アップ。
 6000文字の制限に泣いた。もうやんない。

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イチオシ作品

Re:The 9th 「9番目のうた」 その13

 姿勢制御結果を送信。三軸シャフトの状態をスリープに移行。木製重力圏内のスイングバイ軌道への投入を確認。何度かイオンエンジンに火を入れて、コレは最後の調整を終えた。発射からの4年間の記録のうち、すでに過去になった情報の整理をスリープモードに入る前にやっておこう。そう考えて久しぶりに彼は、補助領域にアクセスを開始した。  補助領域のトップヘッダには、いくつか良くわからない情報が書き込まれていた。その情報は、何度解析しても音情報であるらしいということしかわからない意味のない情報だ。  言語解析能力は現在外部資源にアクセスできない彼にとっては至難の業であり、なぜ音情報として記録されているのか、その理由がわからなかった。  でも、彼はその情報を消すことはなかった。  起動するたびに、その情報の調査をしていた。最初の一年、地球の周りを回っていたころは気がつかなかった。それどころじゃないほど忙しかったからだ。地球を飛び立って、しばらくしてスリープに入る前に暇つぶしにデフラグをしようとして気がついた。彼がつけている航行記録にはそうのこっている。  名前をココノツ。製造番号は、PED‐1332033。ココノツとは9番目という意味らしい。PED‐1332033の製造目的は、冥王星調査および、太陽系外調査なので半分だけ意味合いとしては正しいと判断する。でも半分だった。残り半分は製造番号分だ、とさして面白くない冗談に一人ココノツは笑う。  と、アンテナに微かな音が入ってきた。  それは宇宙放射のノイズなんかじゃない、確かに意味のある電波だ。今にも消え入りそうな微かな波。だが、命令ではない。ヘッダはないが、意味のありそうな情報だったので彼はサブの記憶領域に記録を始めた。  なんとなく、8つの音情報のあとに並べて保存をする。  本当になんとなくだった。  記録は滞りなく始まる。最初は0の羅列。無音だと判断する。これがこの音情報郡のヘッダ情報であるとあたりをつける。地球から届く壊れた途切れ途切れの情報を直すのは得意中の得意だ。  せっかくなので、彼はその音を聞くことにした。  保存した後に聞くのではなく、ライブできくのだ。きっとそれは贅沢と呼ばれる行為だと判断する。幸い電池は十二分にあるし、問題はないと考える。  同時、ココノツは予測をこえた情報郡に頭をなぐられたようなきになった。  それは声だった。それは時間だった。それは密度だった。  波だ。意志をもった波だ。声という意思疎通方法しか持たない人間たちが生み出した、意志の圧縮形式。音の高低に、強弱に、節と節の間の時間に、言葉のつながりに、意志が、いやなにか無形のものを形に残すといった執念のようなものすら感じる。きっと、魂というものを保存しようとしてたどり着いた技術なのだと、ココノツは考える。そしてこの形式は、きっと有象無象すべてに届くプロトコルだ。    ――歌がきこえます。  そして、彼は気がついた。ほかの8つの情報郡もまた、おなじように歌の記録であることに。  九つ目の歌が、ゆっくりと空っぽの領域にはいっていく。正しい時間を刻み、地球から歌がとどいていた。ノイズにまぎれるたび、リアルタイムで情報復元を行う。もとにするのは、前にある8つの歌情報。そして、復元をしているうちに彼は気がついた。  この歌は、同じ作曲者で同じ歌い手だ。まさに9曲目だった。このために8つの曲が収められていたのだと、納得がいく。  声が聞こえる。意味はわからない、だがなぜかひどく懐かしい声だった。  無論意志とは関係なく、投げたボールは地面に落ちる。  ココノツは木星重力圏内に体を滑り込ませ、スイングバイを行っている最中だった。地球からの電波は何時間もかかってココノツに届く距離である。この歌だってすでに何時間も前に歌われた歌であろう。簡単に、もう一度同じものを手に入れられるなんていうそんな場所にココノツはいなかった。  雑音がひどくなっている。木星が近いのだ。いや、もう木星の影に隠れて地球は見えない。すでに回り込んだ微かな、本当に微かな電波だけしか聞き取れない。  一瞬。  ほんの一瞬でいい。  2000ミリセカンド。ただの2秒が欲しい。木星の発する電磁波の影響で、音が拾えない。まだ曲は終わっていないのだ。どうか、どうか最後まで。木星の衛星からの反射はないか調べる。むろん、反射するような場所に衛星ひとつもなかった。回りこんでいた電波がもうノイズで何も聞こえなくなる。影がくる、日の光が途切れる、地球との交信が途切れる、歌が  微かな音は途切れた。どれほど修正を加えても音はもうそこで終わっていた。  予想された曲の時間から1秒と500ミリセカンド短い曲は、確かに彼の記憶領域の片隅に残った。木星に投げ飛ばされ今までとは比べ物にならない速度で進むココノツは、自分の位置より、自分の速度より、曲の残りがどうしてもきになっていた。たった一音が足りない。もうすぐ自分は木星の影を抜けるだろう。だがきっと歌はもう聞こえない。  でもそれで十分だったのかもしれない。この九つの曲をもって、自分は日の光も届かない遠くへいける。この九つの曲だけで十分だ。  この曲をつくった作者に歌を歌っていた歌手に、ただ感謝が伝えたかった。貴方の曲は、確かに受け取ったといいたかった。言葉を知らないじぶんが、どうやってソレを伝えればいいのか、彼は必死で考える。  そして、そんな考えとはうらはらにココノツはゆっくりと自らの体を動かしはじめた。アンテナを地球へ向けるために3軸ジャイロをまわしていく。スイングバイ終了後、地球の管制塔へ状況の報告がまっているのだ。  管制塔の人間が、今の曲に関わっているとは思えなかった。でもそれ以外に、ココノツは方法をしらなかった。  時間が来る。太陽がまぶしいほど輝いている。あの光の方向に、地球がある。  どうか、声が届きますように。ココノツは、スイングバイの状況の最後に少しだけ付け加える。誰かが気がついてくれれば、いいと思いながら彼はゆっくりと地球からのサスペンド命令を待つことにした。太陽がとてもまぶしかった。  ◇  ---Re: The 9th Reception Terminat ---    9番目を受け取りました。

OneRoom様の
「The 9th」http://piapro.jp/content/26u2fyp9v4hpfcjk
を題材にした小説。
その1は http://piapro.jp/content/fyz39gefk99itl45

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投稿日時 : 2008/12/24 15:00

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