「カイトさん」

俺は、現世に戻りカイトに会いにいった。

「グミヤか、戻ってきたのか?」


「もう、こんなことやめてください。 どうせメイコさんのためなんでしょう?」


カイトは顔を歪め、俺を睨みつけた。

「お前に何が分かる?お前に……」


今にも襲い掛かってきそうなカイトを、ある声がピタリと止めた。


「カイトっ!!」


俺の横に立ったのは、健康な体となったメイコさん。

あの後、メイコさんの体内にグミの血を注入して、奇跡的にメイコさんは助かったと言う。


俺があの深い眠りから目覚めた時には、既にメイコさんの病気は治っていた。


「メイコ、どうして?」

「グミちゃんが、助けてくれたのっ、命を懸けて……」

「だから、もうこんなこと止めてくれますよね?カイトさん」



カイトは小さく頷いた。

「本当ですね?」


「あぁ……、それよりグミは?」



俺は後ろを振り向き、そこに立っていたグミの手を引いた。


一時は危険な状態であったが、これまた奇跡的に助かったらしい。

俺からすれば、それを聞いたときは心臓が止まるかと思った。


「カイト先輩……。」

「グミ、ありがとう」

「いっ、いえっ!! あのっ、これからは2人とも幸せに暮らしてくださいね!!」


メイコさんとカイトは顔を少し赤くしながら、お互い微笑みあった。

すごく、幸せそうだ。







―――――





あれから私達は小さな公園のベンチで座っていた。

「終わったね……、全てが」

「そうだな」


これから私達はどうなってしまうのだろう。

もうグミヤとは会えなくなってしまうのだろうか。


「グミヤ、これからどうするの?」


「グミは、俺にどうしてほしい?」


「えっ……」

そりゃ、もちろん、ずっと傍にいてほしい。


その言葉がなかなか言えなくて口ごもっている私の手をギュッと握るグミヤ。


「俺はグミの傍にいたいな。」

「……えっ?!」


「グミは?」

「わっ、私もいたいっ!!」


グミヤは私の様子を見て笑った。

その笑顔はいままでに見たことの無いぐらい綺麗で、思わず見惚れる。


「心配しないで、俺はグミの傍にいるよ。 ルカ姫様に頼んで、許可もらったんだ。」


初めて見るイタズラっぽい表情。


「もうっ、グミヤ……、大好きっ!!」


私は思わず抱きついた。

それはすごく温かくて、心地よくて、眠ってしまいそうだ。


「ずっと一緒にいてよねっ!!」


「うん」



私は、みんなの幸せを願って、ずっと抱きしめ続けた。



                      ~END~

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Bloody Girl 17 【完】

すみません、なんかドタバタな感じで終わってしまいました!!


まだ、次の予定はあまり考えていませんが、何か書くと思います(汗)


ここまでこのシリーズを読んでいただき本当にありがとうございました!!

初めての長編だったので、挫けそうな時もありましたが、みなさんのコメントのおかげでなんとか書き続けられました!!


次回作も応援していただけたら嬉しいです!!

本当にありがとうございました!!

閲覧数:316

投稿日:2012/11/16 19:47:37

文字数:1,128文字

カテゴリ:小説

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