からくり時計と恋の話【自己解釈】

投稿日:2012/12/28 17:18:11 | 文字数:2,707文字 | 閲覧数:559 | カテゴリ:小説

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兄さんのSoftのデモソングが好きすぎて。
完成版を待っていた甲斐がありました。Softステキすぎる……!



人形=兄さん、踊り子=めーちゃんのイメージでお願いします。
自分でも想像通りにできたか不安です。(゜Д゜;)


公式サイト[http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid3/kaitov3.jsp]

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TEXT
 

これは、どこかの小さな人形の恋の話。










<からくり時計と恋の話>










とある古ぼけた家の一つの部屋に、今は壊れたからくり時計があった。
「壊れてる」といっても、てっぺんの「窓」が開かなくなったということだけだった。
そこ以外のところは全て正常に動いている。

「窓」が開かないということはからくりが作動しないというわけで、その時計は「からくり時計」と呼んで相応しくないものとなってしまった。
それでも、その時計の主人はそれを売ったり捨てたりしないでいた。

やがて、その時計は「からくりの時計」と呼ばれることとなった。





 *





ボーン、と"からくりの時計"の鐘が鳴る。
その音は、日に三度のお祭を告げるものだった。──しかし待てど暮らせど、お祭は始まらない。

やがて諦めたかのように、金は鳴り止み時計の針の音しかしなくなった。



そしてそれをじっと見つめる、一つの小さな"ぜんまい人形"があった。

人形は、玩具の棚にていねいに他の仲間達とともに並べられていた。
人形の、海のように青いつぶらな眸は、壊れて開かない「窓」だけを見つめる。

──正確には、その「窓」の向こう側にいる、一人の踊り子が出てこないかと待っていた。
その踊り子も人形だったが、彼とは違い、綺麗な"機械仕掛けの人形"だった。

彼が彼女を初めて見たときの、あの他とは比べものにはならない美しさとほんの少しの儚さ。
──彼は人目見たときから、彼女の全てに恋をした。



だから、待ちきれなかったのかもしれない。
「窓」が再び直って、彼女の姿を見られるようになるのを。

──彼女にもういちど逢いたい。

その想いが、ついに彼を動かしたのだ。"ぜんまい人形"の彼を。

不思議な夜に──優しい月の光が窓から射し込んだ。
やがて月光が棚に並べられた人形にも当たると、突然人形の背中のぜんまいが誰ともなく巻き始めた。



そして、その足は迷うことなく愛する彼女の元へと向かっていったのだった。



 *



なんとか棚から降りることに成功した。
人形は柱のてっぺんに掛かれた──"からくりの時計"見捉えると、休む間もなくよじ登り始めた。

しかし、人形はつい足場を滑らせ──落ちた。





「行けー!」


"兵隊長"の命令により、投下される"ブリキの飛行機"。
飛行機はそのまま床に──はつかず、まっすぐに落下していく人形を──さらった。

──彼らもまた、月光によって動けるようになったのだ。

自分が飛行機の上に乗っていることに驚いている彼を乗せたまま、飛行機はいったん"兵隊長"率いる"積み木の塔の兵隊"達のところに行った。


「この"秘密の鍵"を使い、そのまま上に! 我々は、ここから見守っております!」


そういった"兵隊長"ばかりではなく、彼の仲間達も曲を奏でながら「頑張って」といった。
人形はただ、彼らに「ありがとう」といった。

そして飛行機は上まで上がった。
愛する人に逢いに行こうと必死に向かう"ぜんまい人形"を乗せて。



 *



人形が時計の隙間からもぐり込むと、その先に割れている歯車があった。
どうやらこの歯車が割れていたせいで、「窓」が壊れてしまったらしい。

そしてそのまま開かなくなり、恋しい彼女を──囚われの人にしたのだ。



人形は再び進むと、ついにてっぺんに到達した。
そこにいたのは、あの踊り子だった。

踊り子は、彼が最後に見たときと全く変わらぬ姿で目を瞑っていた。

──やっと、彼女に逢うことができた……!

彼はそれだけで満足した。
──だけどできることなら、彼女の目を覚ましてあげたい。
人形はしばらく考え込んでいたが、何かを閃いたかのようにさっき来た道を戻っていった。



──そこは、割れた歯車があった場所だった。

その歯車の代わりに違うものを取り替えたら、「窓」が直って開くことができる──そう人形は考えた。
そして取り替えたものは──、彼の恋するココロだった。
彼女に逢うだけでも満足できた彼に、未練などなかった。

救うことが叶うならば、僕自身を失くしてもいいと──





やがて、今まで開くことがなかった「窓」が、お祭りを告げる時間でもないのに開き始めた。
そしてそこから踊り子が踊った。今まで踊ることができなかった分まで踊るように、綺麗に。





──しかし、その姿を見るのが好きだった人形が、彼女が踊っている姿を見ることは叶わなかった。





 *





ボーン、と"からくりの時計"の鐘が鳴る。
その音を合図に「窓」が開き、そこから人形の踊り子が踊った。
日に3度のお祭りに時間。

そしてその時間は、あの日と同じ不思議な夜だった。

やがて鐘の音が鳴り止んでも、「窓」は閉まらなかった。
それに踊り子も踊るのだけをやめて、そこから"ある人"を見つめていた。



それは──あの日以来、静かに眠り続ける人形だった。

主人は彼を捨てることをしなかった。
そのうえ彼の為に小さなベッドを作り、そこに彼を寝かしつけるように置いた。

玩具棚は売り飛ばし、代わりに玩具を並べるテーブルを用意した。

主人は彼が何をしたのか、そして何故時計が直ったのかを知っているのかもしれない。
しかし、玩具の彼らにはそのことを聞くことができなかった。



 *



優しい月光が射し込まれ、玩具達が動き始める。
そして本当の「お祭り」が始まった。

──踊り子もまた、動けるようになった。

その茶色い眸をぱちくりさせる踊り子の元へ、ブリキの飛行機がやってきた。


「どうぞ、乗ってください!」


"兵隊長"が叫ぶようにいう。
彼女は頷き、すぐに飛行機に乗った。

そのまま飛行機は──静かに眠る、彼の元へと着陸した。
踊り子は飛行機に短く礼をいうと、すぐに彼の元に駆け寄った。

海のように青い髪。
その色と同じつぶらな眸は、瞑っている為見ることはできない。
一見雑のように見えて、実は巧妙な作りになっている身体。



──あの日、私を救ってくれた、恋しい人。



彼女は他の人の目など気にせず、
──彼にキスをした。









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*おとぎ話では お姫様に眠りを覚ますキスをするのは王子様。 *
*けれどお姫様のキスで覚めるのも たまにはいいんじゃない?*
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兄さんマジLOVE213%な雪りんごです

リンゴをくれれば支配下に回るよ←
文才のカケラもない小説書いてます

好きなジャンル:ミステリー(ただしホラーは×)
得意なジャンル:gdgd←
最近の悩み:頭が馬鹿すぎること←手遅れ
とりあえず:兄さんを愛でたい

(`・ω・){ヨロシクね!

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