黄金の翼広げ 空高く舞う鳥よ
導く峰の向こう 天空の湖
陽の光煌く波 蒼く澄み渡る水
古き伝説の都市 湖底に眠る
愚かなる若き王 神の怒りに触れて
その躰貫いた 雷(いかづち)の刃
降り続く雨の中 逃げ惑う人々の
祈りの声届かず 水底(みなぞこ)沈む
岸辺に咲く白い 名も知らぬ花
優しき風に そよいでいる
葦舟が行き交う 小さな港
石碑に残る 御伽話
星明り映して凪ぐ 蒼き水面ざわめく
闇に踊る蛍火 揺らめく蜃気楼
波音に紛れ届く 切なき祈りの詩
水の上に浮かぶは 美し乙女
麗しき神の巫女 その生命捧げても
鎮まぬ神の怒り 崩れ行く神殿
水の檻に囚われし 罪なき人の想い
祈り込めた調べで 天空(そら)へと放つ
星降る夜のなか 昇る蛍火
生命の海へ 還る為に
神々がが与えた 僅かな時間
夜明けの星が 輝くまで
岸辺に咲く白い 名も知らぬ花
朝の光に 淡く薫る
朝靄に漕ぎ出す 葦舟の影
神の気まぐれ 一夜(ひとよ)の夢
天空の湖
チチカカ湖をモデルに「湖底に沈む黄金都市の伝説」
みたいなものを書いてみました。
金色の鳥に導かれ辿り着いた、険しい山脈の中の広大な湖
岸辺には可憐な白い花が咲き、湖面には葦舟で漁をする人々の
姿が遠くに見える。港の市場では、珍しい色とりどりの魚と
新鮮な野菜や果物が売られ、金細工のアクセサリーを売る店もあった。
市場に程近い宿の酒場で、新月の夜、湖に蒼い蛍が飛ぶ話を聞かされる。
深夜湖に行ってみると、本当に蛍が飛んでいた。
波音に紛れ、誰かの歌声が微かに聞こえて来る。
港の桟橋から湖の真ん中あたりを眺めていると、水の上に立つ
女性の姿が見えた。
見たこともない不思議な衣装に身を包み、空に向かって
聴いたことのない歌を歌っている。
子守唄の様な切なく物悲しいメロディに聞き入っていると、
辺りを飛んでいた蛍が、一斉に空へと昇りやがて消えて行った。
歌が聞こえなくなった事に気づき、彼女の方へ目を向けると
空を仰いだままの姿で、まるで陽炎のように儚く消えてゆく。
東の空には明けの明星が輝いていた・・・。
11/11.22:10追記
【解説長っ】←いつもはうpしたらすぐ付いてたのが、
今回は無しかと思ってたらやっぱり付いてた(^O^)
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