暑い。もう夏だ。

ひぐらしの鳴き声がミンミンゼミに変わったのを聴くと、さらに暑く感じる。

「暑いな」

「そうだな」

俺の隣には可愛い彼女・・・ではなく加々見がいた。

こんな暑い日に男二人で公園のベンチ。暑苦しい。

なんて我ながら思っていた。

そして遠い目で公園の入り口を眺め、

通りかかる車の数を数えて・・・はいなかったが、まぁあれだ、暑い。

そんなとき、ある記憶を俺の中に再び蘇らせる出来事が突如としておきた。


彼女だ。あの先日(といっても夏休み前だから1か月前か?)の美少女が

公園の前を通り過ぎていったのだ。 そう、足の無い美少女A。

今日も足が無いのかな、なんて俺が気楽な構えなのは

あの時から時間が経ちすぎたせいだろう。うん、きっとそうだ。

だが残念ながら彼女の足の存在を確かめるほどの時間は、

彼女が公園の入り口を右から左へ約2mを通り過ぎたのでは、足りなかった。


普通なら彼女のあとをついていくのだろう。

それが定番だ。セオリーだ。

だがそんな元気は出ないほど、おれは夏の暑さの餌食になっていた。



翌朝。教室である話を小耳にはさんだ。


「ねぇ、知ってる?」

「なにが?」

「美久さんのこと」

「あ、・・・だったんでしょ、かわいそうに」

「そうみたい。まさか・・・だったなんて」


漫画とかの会話で重要なところだけ聞こえないなんてのは

所詮フィクションだと思っていたが、なるほど、こうも都合よく聞こえないのか。

しかし、だんだん苛立ってきたな。

まぁ話題となっている“みく”なる人物を俺は知らないわけだし、

特に気に留めるほどでもなかったのだ。そうだ。気にするな。

・・・結局10分後に女生徒が各々の席に戻るまで俺は無駄な努力をし続けていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

なつきたるらし ~視れる少年、視えない少女~ 03

またしばらくは更新ないと思います、忙しくて(泣

この後の展開どうしたらいいのかな、アドバイス等、

心から待ってます!

閲覧数:121

投稿日:2009/08/08 21:37:48

文字数:762文字

カテゴリ:小説

  • コメント4

  • 関連動画0

  • 旧アカウント

    旧アカウント

    ご意見・ご感想

    そうですね、それが一番ベターかなと思います。

    ちょっと意外性を含めて、展開させたいと思います。

    2009/08/03 15:03:32

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    これからの展開……う~ん

    夜の涼しい時に予想外で見かけて追いかけるみたいな?
    そしたら予想外のところについて……

    2009/08/03 15:01:43

  • 旧アカウント

    旧アカウント

    ご意見・ご感想

    わぁ、そういうの初めて言われたので、すごく嬉しいです(笑

    ありがとうございます!

    2009/08/03 14:40:05

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    ヘルフィヨトルです。
    驚きました!
    言い回しがうまいです!

      ひぐらしの鳴き声がミンミンゼミに変わったのを聴くと、さらに暑く感じる。

      漫画とかの会話で重要なところだけ聞こえないなんてのは
      所詮フィクションだと思っていたが、なるほど、こうも都合よく聞こえないのか。

    この表現うまいです!!
    私も見習わないと

    2009/08/03 14:34:15

オススメ作品

クリップボードにコピーしました