BATTLELOID「STAGE1 苦悩・戦闘」-(2)

投稿日:2014/05/25 19:59:28 | 文字数:4,300文字 | 閲覧数:271 | カテゴリ:小説 | 全4バージョン

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注釈は「BATTLELOID BEFORE GAME」を参照してください。

味方になってくれたと思ったメイコが裏切った!
現状を理解できぬまま逃げるミクは、また別のボーカロイドたちと出会う。
そこでミクは意外な言葉を耳にした。

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TEXT
 

「…っ!」
 ミクは慌ててベッドから出る。メイコの歌った歌によってマイクが光り、光線となって襲いかかってきたのが、短時間ながらミクの目に鮮明に焼き付いた。
 そしてその光線はついさっきまでミクがいたベッドを粉々に破壊した。
 …もし、よけていなかったら。
「ちっ…起きてたのね」
 メイコが舌打ちする。ミクは信じられなかった。
「メイコ姉さん…どうして…!」
 頼りにしてたのに。
 …信じてたのに!
 ミクは急いで自分の持ち物…といってもマイクとフォンだけなのだが、それらを持った。そしてマイクを構えたが…混乱してしまい、何も歌えない。
 とにかく…逃げないと!
 ミクはすぐさまドアを開け、廊下に出る。エレベーターまでかなり距離がある。
 まさかメイコ姉さん、最初から私を確実に倒すつもりで…!
「『夕闇ノ殺メ唄』っ!」
 メイコの次なる攻撃は直線の廊下を走っていたミクの背中を確実にとらえた。
「きゃあああっ!」
 ミクは反動で吹き飛ばされた。大きな叫び声が上がる。
 体はエレベーターのドアにたたきつけられた。
「う…あ…」
 痛みに耐えるミクから声が漏れる。
 だが不幸中の幸い、攻撃によってメイコとの距離が開き、しかも目の前にはエレベーター。
 手を伸ばしてボタンをおす。自分たちしか使わなかったからだろう。すぐにドアが開いた。
「しまった…!」
 メイコが走るも、その前にドアが閉まった。
 何とかミクはその場をしのぎ切ったものの、まだ状況の整理はつかない。おどおどしている間にエレベーターは一階につき、ドアが開いた。
 周囲を確認。…メイコはいないようだ。
 ホッとしてエレベーターを出るも、すぐに階段を駆け下りる音が聞こえた。
 …来るっ!
 ミクは急いで建物を飛び出して走る。別にどこかに行く当てがあるわけではないのだが、とりあえずメイコ姉さんから離れなければと、その思いだけで走る。
 そして建物を出てすぐの交差点を右に曲がろうとしたとき。
「わっ!」
「きゃっ!」
 ミクは誰かとぶつかってしりもちをついた。
 しかもあろうことか、ぶつかった相手が…。
「リンちゃん!?…レン君も!?」
 リンだったのである。しかもレンも一緒だ。
 メイコ姉さんが、近くにいるから気をつけろと言った二人。まさかこのタイミングで遭遇するなんて。
 しかも、後ろからメイコが追いかけてきているのが、足音で分かった。
 ミクは自分の運命を恨みたかった。挟み撃ち。もう、詰みじゃないか。
 リンとレン―双子がマイクを構えた。…やられるっ!
「「『エンクロージャー』!!」」
 双子のそれぞれのマイクから光線が発射される。
 だが、その攻撃はミクをかすめ…後ろのメイコめがけて飛んで行った。
「な…!?」
 メイコは対応が遅れ、その攻撃を正面から喰らってしまった。
 一方ミクはあっけにとられていた。そんな彼女に、リンが手を差し伸べた。
「さあミク姉、今のうちに!」
 訳も分からぬまま、ミクはリンに手を引かれ、三人そろって走り出していた。
 メイコがダメージから立ち直り、追跡を再開しようとした時には、もう姿はなかった。


「危なかったね、ミク姉」
 ここは路地裏。あのまま三人は走り続け、数百メートル行ったところで路地裏を見つけ、そこに避難した。
 今ミクは、リンによって簡単な傷の手当てを受けていた。
 ミクは地面に座りこみ、無言でされるがままにしている。
「うん、メイコ姉さん、追いかけてこないよ」
 周囲の様子を探っていたレンが戻ってきた。
「どうする?このまま逃げる?」
 あらかたミクの手当てを終えたリンが話しかける。
「…いや、どうせ逃げても、同じエリアにいる以上見つかる可能性が高いよ」
「じゃあ倒しちゃう方がいいのかな?」
「…そうじゃない?今三人いるし…」
「ちょ、ちょっと!」
 ミクは勝手に話を進める双子の会話に割って入った。
 何やら自分と違う認識をしている。…結局は…この二人も…敵、じゃ…ないの…?
「…どうしたの?ミク姉」
 リンが問うてくる。
本当はこんな質問、するようなものでもないとミクは一瞬考えたが、自分が会話を遮った以上後には引けなかった。
「…えっと…私を…助けてくれるの…?」
 それこそノーなんて言われ戦いが始まったらたまったもんじゃなかったが。
 二人は優しく答えた。
「「もちろんだよ」」
 と。


 おそらくメイコ姉さんは俺たちが遠くに逃げ出すのを止めるために駅の方にいるんじゃないか、とのレンの提案で、三人はその方向へ慎重に足を進めていく。
 予想通り、まるで駅の門番かのようにメイコがいた。
「メイコ姉さん」
 ミクは静かにその名を呼んだ。
「…やっぱり、ここに来たわね」
 メイコは冷たい目でミクを見た。
「ねえ、やめよう?やっぱり私たちが戦うのは良くないよ。戦っちゃだめだよ!」
 ミクは願いを込めてメイコにその言葉を言った。だが、メイコは冷たいままだった。
「甘ったるいことを言うんじゃないよ、ミク。これはサバイバル。あなたが思ってるようにみんながそんな戯言についていくことはないの。そう、このゲームに仲間なんて…」
「いるよ」
 メイコの話をリンが遮った。
「はあ?」
「…俺たちは、三人で協力して、ゲームを勝ち残るんだ!」
 レンも強く言った。
 メイコは目を丸くしたが、すぐに…狂ったように笑った。
「あはは、バカじゃないの?生き残るのは一人なのよ?協力なんて…まやかしよ!」
 そしてマイクを構えた。
「そんな仲間ごっこ、今すぐ終わらせてやる!私は人間になる!『壊セ壊セ』!」
 メイコの攻撃はミクに向かって飛ぶ。ミクはそれを伏せてかわすと、自分もマイクを構えた。
 やるしか…ない!
「『恋愛フィロソフィア』!」
 ミクのマイクは光り、光線が放たれた…が、それはメイコのそれと比べると弱いものだった。
「ダメだよミク姉!そんな弱々しい歌声じゃ!」
 リンが叫ぶ。どうやら威力は歌声に比例するらしい。確かに、今のミクの声はいつもの彼女からは想像もつかないか細いこえだった。それでも光線として働いてくれたのは、曲自体に基礎威力が備わっていたからだろうか。
 メイコが鼻で笑うのが見えたミクは、もう一度歌う。
「『桜前線異常ナシ』!」
 今度は十分な威力が乗り、メイコに襲いかかる。
 だがメイコは左にかわし、さらに仕掛ける。
「『KURENAI BEAT』!」
「『迷子ライフ』!」
 次なるメイコの攻撃はリンが相殺に入った。
 それを見たメイコはいったん後ろに下がった。ほかからの反撃を心配したのだろう。
 互いに睨みあう。
「…これで終わらせる」
 メイコが暗く言い放った。一方、ミクはリンに肩をつつかれた。
「ミク姉、一緒に歌おう?きっと三人で歌えば…」
「ごちゃごちゃうるさいのよ!『忘却心中』!」
 メイコが大声で歌った。それは今までよりも威力の高いものとなり、三人を一気に仕留めようと襲いかかってくる。
 だがミクは冷静だった。
「行くよっ!」
 ミクの合図に、リン、レンもマイクを構えた。
「「「『ReAct』!!」」」
 三人のマイクから放たれた光線は絡み合って一つの大きな光線となり、メイコのそれとぶつかった。
 すさまじい衝撃。ミクは反射的に腕で顔を覆う。
 …だが、人数にして三対一、結果は目に見えている。
「…嘘!?嫌ああ!!」
 悲鳴を上げたのはメイコのほうだった。
 攻撃を受けた体は宙に舞い、そしてマイクが…砕けた。


「…仲間の力…ね。負けたわ…」
 メイコが辛そうに呟く。だんだんその目が生気を失っていく。
「メイコ…姉さん…」
 ミクは何も言えなかった。
 こんな時なんていえばいいのだろう?
 謝るの?同情するの?
 そんなことを考えていると、メイコがゆっくりこちらを向いた。
「あなたたちは…どこまで…生き残れるかしらね…」
 その言葉の直後、ガクッ、とメイコの首が垂れた。
朝日が昇る。その時、フォンがけたたましい音を立て、メールを受信した。

『C‐1 MEIKO
 C‐3 初音ミクにより、脱落』





[C区画 山エリア]
 山奥。起伏の激しい土地に、動きを制限する木々。そんな中で戦う二人のボーカロイドがいた。
 激しい動きのため、認識できるのは一方は青い色、もう一方は腰にさした刀。
 森の中を駆け巡り、木々が少なく、茶色い土が丸出しの斜面に出て、二人の行動は止まり、互いの様子をうかがう。
 戦っているボーカロイドは、カイトと、勇馬だった。服は汚れ、互いの息は荒い。それだけ彼らがどれだけの死闘を繰り広げていたかがうかがえる。
「さすがですね…カイトさん」
「そっちこそ…な」
 今は周りに邪魔なものはない。残された道は…真剣勝負。
「『悪徳のジャッジメント』!」
「『粘着系男子の15年ネチネチ』!」
 山あいに、響く歌声。冬ならば雪崩を引き起こしそうなもの。
 そして衝突する力。拮抗している。
 それを見てすぐさま行動を起こしたのは勇馬だった。追撃を試みる。カイトはそれに対応が遅れた。
「『硝子のは…』…っ」
 だが、紡がれた歌声は不意に止まった。
 糸が切れたように…勇馬は倒れた。体力の限界。それに尽きるだろう。
 ぶつかっていたエネルギーは相殺され消える。
 そしてカイトは勇馬が倒れているのを確認した。
 揺れるフォンのバイブレーション。

『Y‐2 VY2 勇馬
 C‐2 KAITOにより脱落』

「俺の…勝ちだな」
 カイトが呟いた。…だが、もし勇馬が歌い切れていたら…結果は真逆だったかもしれない。
 勇馬を見下ろす。マイクはまだしっかり機能していて、『Y‐2』と文字が光っている。
「…ん?」
 カイトはフォンにもう一通メールが来ているのに気付いた。それを見たカイトは驚愕した。
「めーちゃん…!」
 そう、見たものは、あの…メイコ脱落を知らせるメールだった。しかも倒したのは…ミク。
 だんだんと湧き上がる、恨みの感情。
ミクは…大切な妹分だ。けれども…今は…めーちゃんの…好きだっためーちゃんの…敵。
フォンのマップを取り出す。ミクはどうやら双子と一緒にいるようだった。
「A区画…か。遠くない」
 カイトはそう言うとフォンをしまった。
 行こう…めーちゃんの…かたき討ちだ。どうせ俺はもう勇馬を倒したことで…けがれてしまったのだから。

しがないボカロ小説書き。生粋のミク廃。
書くものはなぜかバトルものばかり。
みんなを楽しませることができればなあと、思う。

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