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「…見つけましたわ」
リンの声が響いてから数分後が過ぎて、ようやくモモは手がかりを、いや、二人の居場所を発見した。
「まったく、二人になって厄介になったかと思ったら、むしろ始末しやすくなりましたわね」
モモの声からは余裕が見えた。
彼女の目にははっきり見えた。コンテナがあまり積まれていない部分...BATTLELOID「STAGE14 解へ」-(2)
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[G区画 海エリア]
「げほっ!ゲホッ!」
海辺で大きく咳き込む少女がいた。
その姿をミクが見たらどのような表情をするだろうか、喜びか安堵か、しかし涙を流すことは確実だろう。
完全に水を吸って萎れてしまった大きなリボンを頭に着ける少女。
それは、海に投げ出された、鏡音リンだった。
一体何が...BATTLELOID「STAGE14 解へ」ー(1)
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[某所 廊下]
「…行ったか」
モニタールームにだれもいないことを確認すると、ネルは歩き出した。
ついにこの時が来た。あれを読んでしまってから、私はこうすると決めていた。
今までUTAUたちの雑談やら何やらが騒がしく響いていた廊下も、今はネルの足音のみが響いていた。
ボーカロイド殲滅、と言っ...BATTLELOID「STAGE13.5」
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「どうして泣き叫ぶ?よかったじゃないか、蹴落とす敵を減らしてやったんだぞ」
違う、違う、違う…!
「これで余計な感情なく戦えるんだよ?」
違う、違う、違う…!
「まだ泣くのか、お前は一体…」
「違う!!!!」
ついにグミは叫び、顔をあげた。二人の声が聞こえていたはずだが、視界には姿は移らなかっ...BATTLELOID「STAGE13 表裏」ー(2)
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[G区画 街‐1エリア]
どうする。
レンは困惑しきっていた。なんて運が悪いんだ。…とは言ってもこのままやられるわけにはいかない…!
どうする、どうする、どうする!?
「…いないわね…」
一方のグミたちはレン探しに手間取っていた。
付近には戦闘の跡。倒れているユキも見つけた。騒がしさが収ま...BATTLELOID「STAGE13 表裏」-(1)
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「ああ…あ…」
ミクから零れる声は、はたして自分の意志を持って発せられているものなのだろうか。
ざっざっと足音が、テトのほうへ向かっていく。恐らくテイだろう。
「ああ…あ…あぁっ…」
そんな…こんなことって…こんな突然…!
呼吸が整わない。涙が止まらない。
唐突な別れに、ミクはただただ泣き...BATTLELOID「STAGE12 激突戦線」-(2)
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[D区画 海エリア]
軽快に電車は進むが、それでも遅く感じてしまう。
ミクとリンは、レンを追うべく彼と同じ方向に移動中。フォンを見る限り、おそらくユキとミキを相手に戦っているのだろうが、仮に勝ったとしても…。
どうやら、グミとリリィも、レンたちの後を追っているようなのだ。しかも、自分たちよりワ...BATTLELOID「STAGE12 激突戦線」-(1)
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[D区画 街‐2エリア]
「…どうして?」
ルカの口から、それ以上の言葉は漏れない。
すべては…たった数分で崩れ去ってしまった。
彼女の前にはたった今脱落した二人のボーカロイドと、脱落を知らせるメールが二つ分。
『A‐1 氷山キヨテル
Y‐1 MIZKIにより脱落』
『Y‐1 MIZKI
...BATTLELOID「STAGE11 大切な」
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[某所 モニタールーム]
ガチャリ、とドアが開いた。
「…テイ!一体どこにいたの!?」
中に入ってきたテイの姿を見るや否や、リツが声をかけてきた。
「…ちょっと釘を刺しに行ってきたの」
「…は?」
訳の分からない返事に、リツは変な声を上げた。
「…まあ、何でもいいですわ。丁度、あの方からの指令...BATTLELOID「STAGE10.5」
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「三人…ですか?」
ほかに誰かいるのかと、キヨテルはあたりを見渡した。
「ええ、あなた以外にも、私に協力してくれる人がいるの。本当はがくぽさんもそうだったんだけどね…」
遠い目をして、ルカは言った。
「そうなんですか…」
「ま、とにかく、話をしましょう。おーい、ミズキさん!」
ルカは自分の真後...BATTLTLOID「STAGE10 発狂」-(2)
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[D区画 街‐2エリア]
「…ユキ…ちゃん?」
恐る恐る、ミクは声をかける。だがユキはそれを全く気にせず、ペラペラとしゃべりだした。
「…あーあ、しんじゃった。せんせい、やられちゃったー…!」
狂った。まさにその言葉がぴったりくる。普段の、いや、さっきまでのユキの姿は…全くない。
「…どういうこ...BATTLELOID「STAGE10 発狂」-(1)
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[D区画 街‐2エリア]
「初めて、じゃない?」
リンが呟いた。
「…何が?」
「こっちから向かうんじゃなくて、あっちから来たのを迎え撃つのって」
ミク、リン、レン、三人の視線の先には、また別の三人組があった。
少し待機して様子をうかがってみたところ、やはりキヨテル、ユキ、ミキはこちらに向かっ...BATTLELOID「STAGE9 悲劇か、喜劇か」
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[E区画 街‐1エリア]
暗い海が窓から見える。小さく波が立っているのが分かる。
その窓のカーテンを閉めると、ルカはベッドに腰掛けた。左手に持つマイクは、今は「C‐5」というルカを示すコード番号は刻まれていない。それはおそらく、デフォ子たちがこの区画を戦闘禁止にしているという証、なのだろう。戦わ...BATTLELOID「STAGE8 思考回路」
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[某所 廊下]
時はすこしさかのぼり、デフォ子たちがヘリコプターで出陣しようと忙しく準備をしていた頃。
マイクを渡し終えたネルは、一人廊下を進んでいた。行く先は…あの部屋。
早く行動にでないといけない。そのためにはやつの協力が絶対だ。あいつなら、きっと解決策を…いや、ヒントくらいはくれるだろう...BATTLELOID「STAGE7.5」
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ドカン、と表しても小さすぎるほどの爆音があたり一帯に鳴り渡る。
「うわああ!!」
「きゃああ!!」
とてつもない爆風が六人を襲い、爆音の中に悲鳴が溶ける。
ミクは体を持っていかれまいと、必死で地面を踏みしめ、前かがみになる。
だがさらに、大きな地響きが襲いかかる。それは、以前起こった地響きと...BATTLELOID「STAGE7 混沌の舞台」-(2)
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[E区画 海エリア]
だんだん見えてくる、車窓に広がる青い世界。作られた空間でありながらも水平線はきれいな境目を作っていた。
ミクは何も考えず外をずっと眺めていた。
結局、あの時の地響きがなんだったのかは分からないままだ。ただ、リンもレンもなぜかものすごく不安そうな表情だったので、とりあえず大...BATTLELOID「STAGE7 混沌の舞台」-(1)