#85「窮地」
黒いフードの女性の正体がわからない
ただ、メイコさんを宮中からさらえる人物がそうそういるはずもない
ということは宮中の人間があやしい……
「あの、メイコさん!ルカさんより強い人って、宮中にいますか?」
「え……そ、そうね、ルカもかなりのものだから、そんなにはいないだろうけど、いると思うわ」
僕は頭の中でぐるぐると推理してみた
が、よくわからない
「カイトさん!メイコさん!早くここから出ましょう!ルカさんも心配です!」
リンちゃんはそういって、僕の腕を引っ張った
「あ!」
その時、メイコさんに渡そうとしていた【妖精の指輪】が僕の手からころがり落ちた
「……そういえば」
前にこの指輪をつけた時に過去が見えた……
今もなぜかはわからない
今回も過去を見ることができれば、あの犯人の正体や狙いがわかるかもしれない……
でも、自分で好きな過去を見ることはできない……
それに前に見たのは先代女王に関係していた人の記憶……
あの犯人の過去がみられるとは限らない……
「カイトさん!何をしているんですか!?早くルカのところにいかないと!」
メイコさんは涙目でそういった
ルカさんのことを本気で心配している証拠だった
「はい!今行きます!」
僕は指輪をポケットにしまって、先に出て行ったリンちゃんとメイコさんの後を追った
僕らが下の階について、目の当たりにしたのは…………
ぐったりとして倒れているルカさんの無残な姿だった
「ルカ!」
メイコさんは一目散に走り出す
「待ってください!危険です!」
僕はメイコさんの腕をつかんで止めた
「離して!ルカが……ルカが……」
メイコさんは冷静さを完全に失っていた
「あら?あなた達……人間なんかに助けてもらったのね。」
黒いフードの女性が不敵に笑った
「あなたは何がしたいんですか!今すぐ、ルカさんから離れてください!」
リンちゃんが大声で叫んだ
「何って……そんなの、復讐に決まっているでしょう?」
女性は楽しそうに笑っていた
「それより……あなたたち、よく立っていられるわね?」
女性のその言葉の意味が僕にはわからなかった
「どういうことだ!」
「ふふ……あなたたちがここに来る前。そこの女王と姫には、遅効性の毒をプレゼントしてあげたの。」
「なんだって!?」
よく見ると、メイコさんは肩で息をしていて、リンちゃんは顔がすごく赤い
とても苦しそうだった……これに気づけないでいた自分が恥ずかしい
この2人はルカさんを助けたい一心で、今も無理して立っている
「大丈夫よ。今すぐ死なないから。ゆっくり、じっくりと後悔しながら死んでもらわないとね」
女性の口元がにやりと笑っていた
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もっと見る#88「昔話」
「あなたの話が無駄話となった時、あなたの命の終わりです」
フードの女性の言葉に偽りはないだろう
でも、僕はまだ終われない
「これはある一人の女の子のお話です」
「何言っているの?早く、私の動機とやらを説明しなさい!」
僕の話を遮ってフードの女性が怒鳴った
「これには順序が必要なんです...妖精の毒#88
しるる
#90「本音」
先代とリンちゃんに恨みをもっていた人物
メイコさんに睡眠薬を飲ませることができる人物
あのルカさんを投げ飛ばすことが出来るのは訓練された人物
僕が人間だとあらかじめわかっていた人物
そう、初めからこの人しかありえなかった
「やはり……あなたでしたか…………ハクさん」
「お見事です。ま...妖精の毒#90
しるる
#79「勘違」
翌日、天気がいい
ただ、孤児院の中が心なしかどんよりとしている
義弟や義妹たちは、いつも通り、元気なのだが、ミクがややぼんやりとしている
完全に僕のせいなのだが……
レンもリンちゃんが心配なのか、どこかイライラしている
そして、僕もミクへの罪悪感と、リンちゃんが森に帰っていたらどうし...妖精の毒#79
しるる
#82「再び」
僕とルカさんは妖精の世界への入り口に向かう
「ルカさん、メイコさんとリンちゃんを助ける方法って、考えてあるんですか?」
ただ単に相手方に乗り込んでいっても、駄目なのは目に見えている
「正直、何も考えてないわ。」
僕の横を歩くルカさんは、しれっとそう言った
「手紙の相手が誰かもわからな...妖精の毒#82
しるる
#84「戦闘」
「ええ。二階で生きてますよ。まぁ、今は……ですけど。ふふ……」
不敵に笑う手紙の差出人
「ふざけるな!いますぐ、2人を返してもらう!」
ルカさんが相手に向かって走っていく
ルカさんが相手をとらえれば、あとは力で吹き飛ばせるはずだ
しかし、相手は向かってくるルカさんの胸ぐらをつかんで、...妖精の毒#84
しるる
#96「名前」
僕とリンちゃんは、孤児院に帰って来た
僕らが玄関に入ると、雪崩のようにながれてくる義弟妹たち
「おいしゃのおにいちゃん!おかえり!」
「まいおねえちゃん、どこにいってたの?」
「かいと、おみやげは?」
群がってくる子供たちに、僕もリンちゃんも、もみくちゃにされ、立ち往生してしまった
...妖精の毒#96
しるる
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ご意見・ご感想
Turndog~ターンドッグ~
ご意見・ご感想
何という悪党!!
悪党らしすぎる悪党!!
ホントに『あの人』だったらこれはもう泣いていいですかt(うるさい
とっ、とりあえず解毒と回復だな!?
よし、ヴォカロ町からうちのリンちゃんとレンきゅんを(おいこら邪魔すんな
…しかしつくづく毒と薬に縁のある話…
2012/11/25 13:27:13
しるる
うん、泣いてもいいと思うよ←
それをテーマにしてますからね
でも、これでも少なめにしているつもりです
全部盛りしたら、大長編になってしまうのでww
2012/11/29 18:41:10
イズミ草
ご意見・ご感想
うわあああ!!??何て奴だっ!!
ルカさん大丈夫かあ!?
はっ
「妖精の毒」……
2012/11/25 11:04:12
しるる
ルカさんでも勝てない相手にどうするか……
う、うん……
2012/11/29 18:38:37