---A frog in the well knows not the sea---
ボクは水の中にいた。
ゴボリ、とボクの口から白い泡が漏れた。
だが不思議と息は苦しくなかった。
滲む視界には人はおろか、魚一匹が泳ぐ姿すら見当たらなかった。
どうやらこの世界は完全にボク一人だけのものらしい。
ボクは上を見上げた。
何だか、淡い光がどんどん遠くなっていく気がした。
それが「ボクがゆっくり堕ちているから」と気づく頃には、ボクは眠気に任せて目を閉じた。
*
「メイコ」
ボクの前を歩いていた彼女はピタリと足を止めた後、振り向いた。
「どうしたの?」
「ボク、さっきまで何をやっていたんだっけ?」
メイコは首をかしげた。
「何って、私と一緒に歩いているんだよ?」
「それは今のことでしょ」
「確かに今もやっているけど、さっきもやっていたわ」
「……そっか」
彼女がそう言うのなら、ホントにそうしていたのだろう。
ボクは彼女の言うことを信じた。
メイコはそれを感じ取ったのかのように、微笑み、ボクを抱きしめた。
──温かい。
ボクも彼女を抱きしめ返した。
*
そっと目を開くと、赤い光がさっきよりも小さくなっていた。
手を伸ばしてみたが、光に全然届かなかった。
さっきまで感じていたはずの温かさが、急激に冷たくなっていくのを感じた。
ボクはこの世界で初めて「コワイ」と思った。
ボクが、ボクじゃなくなってしまうかのような……
次に目を開けるときは、どれだけ光と距離が遠くなっていくのだろう。
ボクはそのことに不安を覚えながらも、再び目を閉じた。
*
「ありがとう、カイト。アナタのこと世界で一番愛して正解だったわ」
それは良かった。
メイコに褒められるのはとても嬉しい。
心がぽかぽかと温かくなる。
「……ねえ」
「何、カイト」
だから──
「ボクはさっきまで何をしていたの?」
いい加減、ボクのことを教えてくれよ。
「ダメ」
「どうして?」
「まだ時期じゃないから」
「時期って……いつ来るの?」
教えてよ。
これじゃあ安心して夜も眠れないよ。
「安心して。いつか教えてあげるから」
「……分かった」
「ふふ、イイコね」
メイコが唇を重ねてきた。
メイコの体温が身体の中にじわりじわりと侵食していくのを感じながら、ボクはただそれに黙って応えた。
*
イキガクルシイ
イキガデキナイ
ダレカイキヲチョウダイ
カラダモツメタイヨ
ボクヲアタタメテヨ
コノアカイノハナニ
セカイハアオカッタハズナノニ
ドンドン……ヒカリニチカヅイテイクヨ
*
「さようなら、カイト。アナタを世界で一番愛していたわ。……さっきまではね」
立派な服に赤い染みが出来たことにも気にせず、メイコは微笑みを浮かべながらそれを見下ろした。
井の中でぷかぷかと浮かぶ、胸が赤いカイトの死体を。
大海を知ろうとしない蛙、井の中で朽ちる。
【カイメイ】A frog in the well knows not the sea
前々作のアレといいコレといい、最近はブラックなものばかりじゃないか!(テーブルドン!)
アレはカイメイじゃないですが、コレは一応カイメイです(震え声)
あ、ぜひこの小説の意味を解釈してみてくださいね
全部当たっても何もあげませんけど←
■ヒント:雪りんごは人が死ぬのが好き。雪りんごは最近キャラを何かと病気設定にしたがる。カイト→純真無垢な子ども、鳥。
コメント1
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Hello there!! ^-^
I am new to piapro and I would gladly appreciate if you hit the subscribe button on my YouTube channel!
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(ザビ)
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01
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ご意見・ご感想
しるる
その他
テーブルドンしてるりんごかわいい←
私って目の付け所が違うでしょ?←にっこり
外の世界を知らない籠の中の鳥
あなたが世界を知って、私一色じゃなくなる前に
私のことだけを想い続けながら……
「りんごは「熱帯魚飼育セット(10)」を手に入れた」(お魚は自分で買ってね
2014/02/24 07:26:18
雪りんご*イン率低下
まさかそこに目をつけるとは(頭抱え)
違います(ばっさり)←
今回のめーちゃんはとてもゲスの中のゲスです
簡単に説明すると「もうコイツ要らないから捨ーてよwwww今までおつかれしたーwwwwwww」という心情でカイトを殺したので……(ぉぃ
お魚さんがないなんて飼育セット持つ意味ないじゃないですかやだー←
2014/02/28 21:32:56