第四十八話 あの人のおもいで

 「っ……あぁぁ……は……はぁ……」

 突然私を襲った激しい頭痛。
そして私の中に流れ込んできたのは、おそらくおかみさんの記憶だ。

 「はぁ……はぁ……はぁ……」

 いろいろとわかったが、今一番最初に考えないといけないのは、おりんさんだ。
彼女はおかみさんの子だ。
しかし、おかみさんの子ではない。

 おりんさんは普通の人間。

 なぜあの時、私はおりんさん独りを置いて、ぐみと逃げてきた?
なぜ彼女の言葉を信じた?

 はやく、行かなければ。

 
 早く……早く。



 行かなければ―――。






 私は少しまだ頭に痛みを感じながら、走り出した。














 「……え……ぅ……ぁ……?」






 私が今みているものはなんだ。



 そっくりだ、そっくりなんだ、あの時と。





 降りやまぬ雪で染められた、真っ白な地。
 いつの間にか沈んだ日、ぽっかりと浮かぶ月。



 その白によく映える、飛び散った赤黒いナニカ。
その人は、なぜか紅い髪をしていた。

 なんとなくわかる。

 この人は―――おとて、か――――。



 生臭いその匂いに包まれ、異質な空気の中心に立っているあれは――人か――?





 ――誰だ―――?









 「……れん……」





 


 私の名前をはっきり呼んだそれは、誰かをしっかりと抱きかかえていた。
きっと私の良く知る、友人だ。

 頬にはその倒れているおとてのものだと思われる、返り血が点々と付いていた。











 どうしたことだろう。




 その声を聴いただけで、わかる。











 「なっなぜ……このようなことに―――?」










 「私、頑張ったの――。れんを守るために――、私―――」









 私なんて、なぜ守ろうとするのです?
私なんて、私なんて、私なんて―――。











 どうしていつも守らせてくれないのですか――。















 「おりんさん―――!」






















 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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ノンブラッディ

とんでもない方向に行ってしまった……。

閲覧数:110

投稿日:2013/03/25 19:25:46

文字数:926文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • ハル

    ハル

    ご意見・ご感想

    あ、そうかレン君 (すっかり忘れてたなんて言えない
    おりんちゃん!!?どうしたんだいそれはケチャップか!?((おい
    おとてェ・・・

    2013/03/26 21:57:33

    • イズミ草

      イズミ草

      あ、大丈夫ですよ?
      わたしたちも忘れてたんd(それが一番問題だろがッ

      ケチャップ……
      うう……オムライス食べたい……

      2013/03/26 22:33:18

  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    せやなw
    まさかの展開になったねw

    私がこっそりハードル上げたから?w

    2013/03/25 19:54:43

    • イズミ草

      イズミ草

      せやねん!!www

      いや、うーん……。
      その可能性もあるかもですが……。
      おりんちゃんが勝手に……れんを守ろうとして……

      2013/03/25 20:03:46

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