「はーい。コーヒー、入りましたよ」
ルコ坊がカップに入ったコーヒーを、レン君たちに運んできた。
ちょっと不思議な雰囲気の、りりィさんのお店「星を売る店・上海屋」
りりィさんを送ってきたレン君は、美味しそうにそれを飲んだ。
「いつも、美味しいね。ルコちゃんの淹れるのって」
「へへ、どーもありがとう」
レン君の言葉に、長身のルコ坊は、ちょっと背を丸めてお礼を言った。
カウンターの中から、りりィさんが彼に言う。
「どうしたの、さっき。何か、メールかしら?」
「ああ、そうなんです」
彼は思い出して、ふたたび携帯に目を落とした。
●人気のブロガー、リンちゃん
送られててきた文面を読んで、彼は言う。
「リンが、雑貨フェアの会場に遊びに行ってるんですけど」
「あら、妹さんが?」
「ええ。なんか、霧雨さんのブースで、ファンに囲まれてるそうです」
それを聞いて、ルコ坊は、カウンターの隅で自分にもコーヒーを注ぎながら、言った。
「ふうん、リンさんって、いまブロガーとして人気者なんだよね」
レン君は苦笑いして言った。
「なんかねえ、そうなんですよ。あんなジャジャ馬のくせに、結構、写真と文がうまいから」
「うん、見た目もカワイイしね」
「見た目はね」
レン君が、ルコ坊の言葉をまぜかえした。
レン君は続けた。
「それであいつ、最近“はっちゅーね”の人形のことをしゃべるでしょ。だから、“はっちゅーね” ファンに人気があるんです」
「そうね。噂によると、“はっちゅーねファン”の人たちって、ヴァーチャルとかオカルトとかが好きな人が多いみたいね」
りりィさんが言った。
「じゃ、そのマニアくんたちが、リンさんに押し寄せてるのかな?」
ルコ坊が、コーヒーカップを置いて心配そうに言った。
●変なヤツの写真を送るよ...
「いやいや、何かそうじゃないみたい」
レン君はメールに目を落として読み上げた。
「こう書いてある。“オタクくんたちは、いっぱい私の写真撮ってくれてサ。それはいいけど、ほかにへんてこなオジさんが1人いるんだ”…だって」
「へんてこな、オジさん?」
りりィさんとルコ坊は、同時に聞き返した。
「ええ。あ、またメールが来た。なに、“そっと、そいつの写真を撮ったよ。へんなヤツの”…って、書いてあります」
そう言ってレン君は、携帯の画面をりりィさんとルコ坊に見せた。
そこにはリンちゃんから送られた画像があった。
それを見て、りりィさんは驚いて声を上げた。
「あら。この男の人、ジローラモ・れおんさんよ。ハミングスのバイヤーさんよ!ルカさんのいる会社のね」??(・_・*)
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ブクマつながり
もっと見る霧雨さんのブースの前で、ルカさんとテトさんは久々に声を交わした。
「元気?ルカちゃんのとこの商品、相変わらず、いい調子ね」
「テトのとこの、テト・ドールも可愛いよね」
仲良く話す2人。
じっさいには、テトさんの方がかなり年配なのだが、タメ口を聞く間柄だ。
2人ともその方が、気が楽であるらしい。
意気...玩具屋カイくんの販売日誌(193) リンちゃんキャラの取りっ子に!?
tamaonion
“はっちゅーね”の人形を持った、リンちゃんに、どこかアヤシイおじさんは、話しかけつづけている。
「アナタもかわいいし、人形もカワイイねー。」
リンちゃんはちょっと困って、でも強気に応戦する。
「でも、おじさん。写真ばかり撮ってるけど、私が目的?人形が目的?」
おじさんは、ニコッと笑って答えた。
「ウ...玩具屋カイくんの販売日誌(189) リンちゃん攻防戦、開始!
tamaonion
ブースの前で、コヨミ君と、れおんさんは、にらみあって立っていた。
ザワザワ、と騒ぎ出した男の子たち。
それを見て、テトさんは思わず、コヨミ君に声をかけた。
「ねぇ、どうしたの? もめ事はよくないですよ」
フッと我に返ったように、コヨミ君は彼女の方を見た。
「あ、テトさん。ごめんごめん。ちょっと、大人...玩具屋カイくんの販売日誌(194) 新商品で勝負だ!
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お店の売り場には、コスメや、美容関連のアイテムが、いろいろ並んでいる。
それを、レイムさんは目を丸くして眺めている。
「ワタシ、こういうの詳しくないんだわ~」
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ゆくりさんのお店で、バイトのレン君が、青くなっていた、その頃。
東京・有明にある東京ビッグサイトで、人気のイベント「雑貨&コミック・フェア」が開かれていた。
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ヘルシー&美容雑貨のお店、「アディエマス」。
ふらりと遊びに来た2人組、ぱみゅちゃんとレイムさん。
お店に仕事で来ていたルカさんと、たこるかちゃんと、話に花が咲いている。
4人が今、見つめているのは、売り場の棚の上にマスコットとして置かれている、はっちゅーね人形だ。
人の問いかけに答えたり、なんだか...玩具屋カイくんの販売日誌(180) はっちゅーねの謎を解け!(レイムさんのオカルト理論?・その2)
tamaonion
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ご意見・ご感想
enarin
ご意見・ご感想
またまたこんにちは、続けて拝読させて頂きました。
なんと! 変な奴とは、”レオン”おじさんだったのですか! レオンさんは、あの伝説の動画(女性の胸がどうこうとかいうの)で、すっかり”変なガイジン”が板についてしまいましたからね。その後に出てきたBig・ALも、”ダンシングサムライのカバー動画”で、”ニホンかぶれの変なガイジン”になっちゃって、どうも、洋物男性ボカロ(と女性では唯一Sweet・Ann)は、そういう運命にあるような気がしますw
さて、それでもレオンさん、どうも”偉い人”のようですね。このギャップがとっても楽しいです! 私はこういう設定、大好きです!
これからが楽しみです! ではでは~♪
P.S 三寒四温、荒天続きのニホンですが、そろそろ安定してくるようです。それでもご自愛くださいませ。
2013/03/14 15:12:45
tamaonion
メッセージ、ありがとうございます!
>どうも、洋物男性ボカロ(と女性では唯一Sweet・Ann)は、そういう運命にあるような気がしますw
ほんとですよね。
昔「ガイジンはつらいよ」という外国人の書いたエッセーがありました。異人さんはどうもイジリたくなるのだ私たちのようです(笑)
>さて、それでもレオンさん、どうも”偉い人”のようですね。このギャップがとっても楽しいです! 私はこういう設定、大好きです!
ギャップの設定って、楽しいですよね。この間観た「図書館戦争」のなかで、主人公が年配の作家に「ギャップ萌え」を説明していて、すごく面白かったです。
意外性は、お話に必要だと思います。
また、感想を聞かせてください。
いまはちょうど「三寒四温」っていうんですね。なるほど。
健康に留意したいですね。
それでは、また。
2013/03/17 20:50:56
オレアリア
ご意見・ご感想
tamaonionさん、今晩は!
今回は、いよいよ困ったおじさんの正体が明らかになりましたね。するとまさかのレオンさん!
レオンはミクたちのように公式なイラストがなくて、ネット上では2通り(金髪イケメンとジローラモさん)のイメージが知られていますよね。後者の方は、思わず笑ってしまいました(笑)
しかし、変なオジサンのイメージにはぴったり…!?
レン君も、リンちゃんのことは何だかんだ言って可愛いと思っているんですね。その少しだけ素直じゃないところが、とても可愛いで(ry
困った人・れおんさんはリンちゃんにとても引かれている様子ですが、一体その目的とは?
しかもりりィさん曰わく、ルカさんのいる会社のバイヤーさんだとか。これが気になります!
次回の更新も楽しみにしています!
メッセージ、読んでいただいてありがとうございました!
2013/03/11 22:04:56
tamaonion
オセロットさん、コメントありがとうございます!
>レオンはミクたちのように公式なイラストがなくて、ネット上では2通り(金髪イケメンとジローラモさん)のイメージが知られていますよね。後者の方は、思わず笑ってしまいました(笑)
そうですね。とくにジローラモさんを持ってきた人は、Good Job ですね!チョイワルで憎めないキャラを当てるイメージには、私も最初、感心しました。
>レン君も、リンちゃんのことは何だかんだ言って可愛いと思っているんですね。その少しだけ素直じゃないところが、とても可愛いで(ry
ですね(笑)、素直じゃない年頃ってとこですネ?。
ボカロ設定では、リンちゃんがレンの姉ということが多いみたいですよね。
この話では妹にしました。もちろん、ともに双子ですけど。
兄にしたほうが、いろいろいじりやすいかな?(笑)
感想を聞かせてくれて、ありがとうございます!
オセロットさんも豊かなイメージで読んでいただいてくれて、嬉しく思ってます。
また、聞かせてくださいね!
ではまた。
2013/03/13 22:16:36