ルカの声が張り詰めた空気を切り裂くように響いた、そんな中、誰かがルカの肩をポンと叩いた。
振り向くと、テトが居た。
「ルカ、ハクはまだ死んでないよ」
「テト…?どうして?貴女逃げたんじゃ無かったの?」
「君は実に馬鹿だなぁ。僕が逃げるわけないじゃないか。ちょっと荷物を取りに行ってただけだよ」
テトはそう言うと、ウインクして親指で後ろを指す。
「カイトにミク…?一体どうして?」
「ルカが神威を追い払った後、テトさんが助けてくれたんだよ、ほら、腹の傷もバッチリだろ?」
カイトは笑顔で服をめくり腹を見せた。
「カイト、ちょっと恥ずかしいから止めなさいよ」
「ミクも助けてもらったの?」
「えぇ、そうよ」
「そう。よかったわ。それより、ハクがまだ生きてるってどういう事なの?」
「あぁ、ハクはまだ死んでない、神威の奴め、魂だけ引き離しやがって!ハクの意思があるからまだ現世にとどまってるけど早くしないと大変な事になるよ!」
「どうすれば生き返るの?」
「まぁ、落ち着きな。此処から北東に行った所に『嘆きの山』がある。そこに生えてる光り輝く花…『鎮魂花』という花があるんだ。それを持って来て煎じて飲ませれば、ハクは助かる」
「本当?カイト、ミク、お願い!私と一緒に来てくれるかしら?」
「当たり前だ!仲間を見捨てられるかよ!なぁ?ミク」
「当たり前じゃない、ハク姉にはいつも助けて貰ってるからね。今度は私達が助ける番だね」
「皆…ありがとう…」
「礼はまだ早いぜ、ルカ」
「えぇ、そうね。カイ…」
「どうした?」
「どうやら先の戦いで魔力を使いすぎたようだな」
「そういえば、神威がいないわね、もしかしてルカ姉が?」
「なんだ、お前は見てなかったのか?ルカは魔力増幅器を装備してルカの本来の力を出したんだ、まぁ初めてだからあまり制御出来なかったみたいだけどね。その代り【ライトニングストーム】を出せたのが、不幸中の幸いだったがな」
「その魔法ってかなり強いのか?」
「君達がくらったら間違いなく即死する。それにあの魔法は魔法の中でも最上級の魔法だから威力もお墨付きってことだ。ルカは無我夢中で出したんだから…。まったくあの娘の潜在能力は凄いな」
「ダメ…行かないと…」
「ルカ。無理すんなって。ルカの代わりに俺達が行ってやるからお前は安心して休んでろ」
「そうよ。私達がちゃんと鎮魂花を持ってくるから、ハク姉と一緒に休んでて」
ルカは静かに目を閉じ、テトがルカを抱きかかえる。
「待て、嘆きの山は二人じゃ危険過ぎる。あそこの山にはとんでもない怪物が住んでるんだ。もし出会ったら確実に殺されるだろう」
「じゃあどうすれば…」
「ちょっと待ってて」
テトが手を2回叩き終わると急に男が現れた。
「呼びましたか?テトさん?」
「ルコ、こいつらの護衛を頼む。嘆きの山の案内もな」
「承知致しました。しかしあいつと出会った場合は…」
「暴れて来い!リベンジだ」
「了解」
「と言うことだ、少々無愛想だがルコを可愛がってやってくれ」
「あ、あぁ…よろしくなルコ」
「私はミク、よろしくね」
「俺はルコだ、こちらこそよろしく」
ルコはカイト達に一礼すると振り返って歩き出した。
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Ⅳ△Ⅴ
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