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『未来へ。
こんなお別れになってしまって、本当にごめんなさい。未来は……怒ってる、よね。
未来がこれを読んでいるとき、きっと僕はもう飛行機に乗っていると思う。父親の転勤で海外に引っ越すってこと、先生はもう伝えてくれたのかな。
引っ越しのこと、本当は、一緒に帰るようになるずいぶん前から決まってたんだ。誰にも言い出せなくて、先生にも黙っててもらってた。
未来だけには、伝えなきゃいけないって思ってたんだけど……どうしても、言い出せなかった。
伝えてしまったら、もうこれまでみたいに一緒にいられなくなるような気がしたから。未来を傷つけてしまうのが……怖いって思ってたから。
もともとずっと一緒にいられないなんてこと、僕ははじめから知ってたのに。
言わなきゃいけなかったのに、僕は言えなかった。僕が臆病で、弱虫で……どうしようもなく自分勝手だったから。
未来を傷つけてしまう、なんて言葉が、僕だけに都合のいいずるい言葉だったんだってこと、ついさっき……未来が帰ってしまってからやっと気づいたんだ。
こんな言い訳みたいなまね、するべきじゃないのかもしれないけれど、でも、もう未来に隠しごとをしたり偽ったりしちゃいけないと思ったから、こうやって書いてる。
もし、未来が「そんなの知りたくない」って思うなら、これはそのまま捨ててほしい。
……。
……。
……。
それじゃ、未来がこの手紙を捨ててないものと思って、続けるね。
僕は……未来を傷つけてしまうのが怖かったんじゃなかったってことに気づいた。
僕は……僕はただ、傷ついてる未来の姿を見るのが怖かっただけなんだ。
本当は、なにも言わないままいなくなっちゃったほうが、よっぽど未来が傷つくんだってこともわかってたはずなんだ。なのに、こうやって僕は、傷ついた未来を見なくてすむ汚い方法を使ってしまった。
ずるくて、卑怯で、汚い方法だって自分でも思う。
許してほしいなんて、そんなずうずうしいことは言えないし、許してくれるわけないと思うけど、でも、謝らせてほしい。
未来。
ひどいことをしてしまって、ごめんなさい。
そして、言えないままお別れしてしまったけれど、僕、浅野悠は、未来のことがずっと好きでした。
未来はきっと知らないだろうけれど、一年のときから、ずっと好きでした。
恥ずかしくて言えなかったんだけれど、グラウンドで練習してる未来を美術室から眺めてたのは、実はずいぶん前からでした。
だから、この何週間かの未来との時間は僕にとって一番幸せで、なにものにも換えられない大事な時間でした。
最後の最後だけだったけれど、こうやって未来と仲良くなれるなんて、思ってもいなかったから。
あの絵も結局完成させられなかったけれど、恥ずかしくて見せられなかったのは、実はあの絵に未来を描いてたからでした。
でも、僕がもっとしっかりしてたら、こんなお別れにならずにすんだんだと思う。自分のことばっかり考えてないで、未来の気持ちをわかってあげられてたら、もっと違う最後にできたんだと思う。
本当に……ごめんなさい。
そして、ありがとう』
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