月光企画という会社について、話し始めた紙魚子さん。
明るい日差しが窓から差し込んできて、おだやかなひと時だった。
でも、話の内容は、それとは似合わない、ちょっと不気味なものになった。
「いろんなとこで、今までよく、聞いてきたのよ。“神隠し”が起こるってこと」
メガネの奥の大きな目をしばたかせて、彼女は言う。
「あの会社が、何か大きい仕事をするときに、陰でそんなことが起こるらしい...ってね」
つられて、ミクさんまで目を大きく見開いてしまった。
「ほんとに? ウン、でも、実は私もそんなことを聞いてました」
●彼女の行方を知らないか
そういって、ふと、ひと呼吸おいて、続ける。
「でも、今回はまだ、ほんとにそれが起こったかどうか、はっきりしてないの。サナギちゃんのことだけど」
「その、サナギちゃんって子に何があったの?」
紙魚子さんの問いに、ミクさんは腕を組んで答える。
「ええ。まず、昨日の夜に家に帰ってないの。ここ数日に、泊まり込みで仕事をしてたらしいんだけど...」
「うん」
「いま、行方が分からないらしいの。今朝ね、彼女の友達のコヨミさんが、電話で尋ねてきたんです。彼女の行方を知らないかって」
紙魚子さんは、聞き返した。
「その子が、仕事してたとこには、いないわけね。家にもいないの?」
「ええ。帰ってないらしいの。私も、じゃあ、どこか他のところに泊まったんじゃないのかな、って言ったんです。コヨミさんに」
「うんうん」
ミクさんは、ここで身を乗り出して言った。
「でもね、不思議なことがあったの。私にも、そしてコヨミさんにも」
「え?不思議なこと?」
●何があったの?
「うん。今朝、コヨミさんから掛かってきた電話の最中に...」
ミクさんは、ここで言葉を止めて、ひと呼吸した。
何か言おうとして、ためらっている。
紙魚子さんは、落ち着いた様子で、うながした。
「電話の最中ね。何があったの?」
ミクさんは彼女を見つめて続けた。
「あたしの部屋の人形が、しゃべったの。“助けて”って」
大きな目で、繰り返して言う
「部屋の人形が、はっきりと、しゃべったの。“サナギを助けて”...って」(゜〇゜;)
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はるまきごはん
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