「はぁはぁ…なんて奴だ…さすが龍だな。くそっ!【葬龍滅牙陣】」
「俺も…繋げます。はぁはぁ…【滅龍斬】」
「駄目だ、全くきかない」
「龍ってこんなに強かったんですね…」
その時、銃弾が龍の目に命中する。テトとルコが振り返ると皆が笑顔で手を降る。
「助けに来たぜ!テト!」
「お前ら…逃げろと言っただろ?」
「ルコ…黙れ。はぁはぁ。カイト、すまないな。正直助けに来てくれて大助かりだ」
「お前…こんなボロボロになるまで…」
テトとルコは震える足やぼろぼろの身体を引きずりながらカイトに近寄ってくる。ミク、リツはすぐに二人を手当てした。
「テト様、状況は?」
「…あぁ。状況は良くない、ターゲットは見ての通りだ」
「あの龍…まさか?アポロン?」
「ちょっ…。それ神話に出てくる伝説の龍じゃないですか?」
「いえ、間違いないです」
「そんな…ありえないわ」
「でも、カイトさんの持ってる剣。ラグナシアも神話に出てきますよね?それが此処にあるんですからおかしくもないですよ」
「じゃあ本当に…」
「どうりでおかしいわけだ」
「おい、リツ。その情報が正しければ俺達の勝算はどれぐらいだ?」
「本当に聞きたいですか?」
皮肉を込めた言葉にルコは少し躊躇ったが、ゆっくりと頷いた。
「1%でも可能性があるなら俺は全力で1%に賭けるぜ!」
「皆さんの戦闘力が良く解らないので適当な計算で…8%ぐらいですね」
「テトさん…」
「あぁ、勝てるな」
「リツ、こいつらを甘く見るなよ。カイトは俺より強いかもしくは同等、ルカは能力だけならテトさんより上回るからな」
「うふふ、おもしろいですわね。良く見ると皆さん凄いメンツですもんね。きっと奇跡の巡り合わせですわ」
「じゃあ皆、全力で行くぞ!」
カイトの合図で全員戦闘態勢をとる。
「ハク、呪文の詠唱中、全力でカバーして!」
「もちろんです!当たれ【バースト・ショット】」
ハクはルカの前に立ち、ルカを守るように銃弾をアポロンに撃ち続ける。
「皆さんやる気満々ですわね。私も負けてられませんわ!【撃龍槍】!」
ハクの炸裂弾がアポロンの羽に直撃し、炸裂する。リツは背中に飛び乗り槍を突き刺す。
「ミク、脚を狙うぞ!俺は左、ミクは右!頼めるか?」
「もちろんよ!脚を攻撃して倒すんだね」
「いっくぞぉぉっ!【狭襲剣】」
「いっくわよぉぉっ!【流麗乱舞】」
カイトとミクはアポロンの足に向かって駆けていく。そしてアポロンの脚に攻撃していく、ひたすら同じ場所を。
「あいつらを見てたら僕達も頑張らないといけないね。ルコ!あれやるよ」
「了解です。全力で合わせます」
そういうと二人は高く跳びあがり手を合わせた。
「漆黒の闇よ…」
「聖なる光よ…」
「我が呼びかけに応えたまえ!」
「闇の炎に焼かれて消えろ!」
「聖なる炎に焼かれて塵となれ!」
「【シャイニング・ダーク・メガフレア】!」
テトとルコが協力して放った魔法がアポロンを襲い、続けてルカの魔法がアポロンに直撃する。
「うふふ、くたばりなさい!【スターフォール】!」
「カイトさん!そこは私に任せてカイトさんはトドメをさす準備を!」
「リツ、任したぞ!」
リツはカイトにタッチし、アポロンの左足に強烈な一撃を放つ。
「任されたわ!ほら早く倒れなさい!【煉獄槍】」
リツの攻撃でアポロンは体勢を崩し、地面に倒れた。
カイトは空高く飛び上がりアポロンの首元目掛けて切り掛かる。
「いっけぇぇぇっっっ!」
「うおぉぉぉぉっっ!【殺撃滅臥剣】!」
皆の声が響く中、カイトの鋭い一閃でアポロンの首を刎ねる。
「やったね、カイト。私達勝ったんだよ!」
「やりましたわ、カイト」
「おめでとう、カイトさん」
「やっりー。いぇい♪」
「カイト、お前…凄い奴だな。尊敬したよ」
「僕からも礼を言うよ。カイト、本当にありがとう。君達が来なかったら僕達は死んでいたかもしれない」
「大袈裟だって。テトやルコがあそこまで弱らせてくれたから俺達もあそこまで出来たんだ。こっちが感謝したいぐらいだ」
「アハハ、照れるなって」
皆がカイトを茶化すとミクは大きなあくびをした。
「ふぁぁ。なんだか疲れちゃったよ…」
「俺も疲れたぁ…あいつと戦い終わってから一気に疲れが来たぜ」
「カイト、よかったらギルドに来ないか?今回の礼もしたいし、それに少し相談もある…」
「テトさん?まさかカイト達を…」
「訳ありか?話しぐらいなら聞くぜ?」
「ありがとう。じゃあギルドに来てくれないか?僕は先に行ってご飯の支度でもしとくよ。ルコ、リツ、皆をギルドに連れて来るように!」
「了解!」
「さぁ、ハクさん、ルカさん車に乗ってください」
「カイト、ミク、俺達はビッグスクーターで行くぞ。リツ、下まで俺達も乗せてくれ」
「解ったわ」
「さんきゅ、さぁ、カイト、ミク乗れ!」
下に降りると、ルコはカイト達をバイクに乗せ、轟音と共に去って行った。
それを見たリツもアクセルを踏み、静かにルコ達の後を追った。
「ねぇ?あなたたちはいつまで正体を隠してるの?」
「さ、さぁ?一体何のことかしら?ね、ねぇ?ハク?」
「何が言いたいんです?」
「賞金首700万Divaの弱音ハク…。いや本名ハク・ヴァレンタイン。4年前の《1stBrake》事件の時突如現れた、神威率いる謎の軍団『漆黒の魔団』に対抗して結成された『純白の騎士団』の隊長ハク・ヴァレンタインと言えばこの国の英雄…知らないわけがないですわ」
「どうしてそこまで…?」
「ハク?貴女が本当に王都グローリーを救った英雄なの?神威を討ち戦争を終結させた…。じゃああの時私を助けたのも…?」
そう言うとルカは腕のアームウォーマーを取り、腕に刻まれたディーバ家の紋章をハクに見せた。
「まさか?あの時戦場で助けたお姫様は…?」
「そうよ、本名、巡音・ルカ・ディーバ。正真正銘の王都グローリーのお姫様よ」
「嘘でしょ?貴女があのディーバ姫ですか?」
「そう、世界一有名な歌姫、巡音ルカは表の顔よ」
「ごめんなさい、騙すつもりはなかったの。ただ、言ったら皆の関係が崩れてしまいそうで怖かったの」
「アタシも同じ気持ですよ。でもルカがお姫様だろうがアタシには関係ない。アタシの親友のルカさんに変わりはないです。きっとカイトさんだってミクちゃんだって考えは変わらないわ」
「ハク…」
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