＃１８－１「みんなに忍びよる魔の手」



今日、また新たな入居者がやってくる


「あ、メイコさん！今日来る人ってどんな人なんですか？」

「えっと…ちょっと待ってね…たしか…この辺にプロフィールが…」


グミが興味本位でメイコにきいた


「あった！えっと…名前は…リリィっていう子みたい」

「リリィ！！！」


グミは驚いて腰を抜かした


「ん？どうしたのグミさん？知ってる人？」


近くにいたカイトが、グミに手を差し伸べた


「あ、うん。それ…私の幼馴染みで…」

「へぇ！それはよかったね！」


グミはカイトの手をかりながら、立ちあがった


「とんでもないです！！…リリィは…私、苦手です…」

「あら、グミにも苦手な人っていたのね」


メイコが皮肉ぎみにいった


「リリィが嫌で…私、ここに逃げてきたのに…もう魔の手が…」


グミがぶるぶると震えながら言った


「ははは、魔の手だなんて、おおげさだなぁ」


カイトが笑っていってる


「おおげさじゃないです……それで、いつ来るんですか？」

「えっと、もうそろそろ来るんじゃないかしら？この場所も教えてあるし」

「えぇぇぇぇぇ！！！じゃじゃ、じゃぁ、私、出掛けます！」


グミは慌てて玄関に向かっていった





グミは勢いよく玄関のドアを開いた


ドンッ！！！


開いたドアが何かに当たった

どうやら、誰かに当たってしまったようだ


「あ、ごめんなさ………！！？」


グミはそう言って、過ぎ去ろうとした

が……グミは目の前に倒れている人を見て、血の気が引いた



「痛た……一体、何なの……って！グミ！あんた！」


目の前に倒れているのは、露出の多い服装に黄色の髪をした女…

そして、グミが最も苦手とする女…

リリィだった




「や、やぁ…リリィ…ひ、久しぶりだね。はは」


グミは一生懸命笑顔をつくった…冷や汗を垂らしながら…


「見つけたわよ！グミ！」


リリィは、キッとグミを睨みつけて腕をつかむ






そして、次の瞬間、グミをぎゅっと抱きしめた


「グミ～！もう、放さないから～！！」


さっきまでのするどい声とは、うって変わっての【猫なで声】…


「や～め～て～！！くっつかないで～！！」


グミはじたばたと暴れた