食卓に置かれた 水の減ったグラス
窓辺カーテンひだが そっと揺れてた
君の左肩に 声をかける理由も
もう ひとつも見つからなくて
空白の時間が 時計を進めて
並んだカップさえ 違う色してた
息を呑むように 口を閉じたまま
テーブル越しの君を見た
最後に残った あの花がしおれてく
鮮やかすぎた色が 今は痛い
何も言わないことが 一番の答えで
うなずいた僕ら ガーベラの沈黙
記憶へと優しさを 塗って直すように
君は昔の話 ふいに持ち出す
笑えるようでいて 胸に響いてこない
季節だけがやけに変わった
馴染んでる匂いが どこだか遠退き
重ねた手の平が ひどく冷たくて
すれ違うたびに 折りたたむ気持ち
きしんで開かれない まま
言葉をかければ 崩れてしまいそうで
黙った部屋に 時計だけが鳴った
無言を選んだのは 優しさだったのか
それともただたん 逃げだっただろうか
風に舞った言葉のかけら
掬おうとして 指がすり抜けた
白いガーベラ 一輪残して
君はドアを閉めた
最後に残った あの花が語るなら
ふたりでいた日 なんて言うのだろう
答えを出さぬままで 夜に沈んでいく
静かなまんまで ガーベラの沈黙
光の差さない 花瓶の中で
色だけが まだ 鮮やかだった
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