まぶたを閉じたような暗闇にも慣れて
絶望とも少しは仲良くなってきたころ
当たり前のように君は隣で
僕の名前を何度も呼んでたんだ
まぶたを閉じたような暗闇も彩りを
取り戻すことはいともたやすいな
あまりに単純な僕の心は
君と生きることに飢えてたんだ
本能のままに小さな嘘をつき続けて
汚れてしまった僕の心は震えていて
それでも君は
気づかぬ振りして当たり前に好きだと言うからその言葉に
見合う言葉を知らない僕は恐る恐るその手を握った
君はまた僕の名前を呼んだ
色を取り戻したこの世界にももう慣れて
それでも君を失うことが怖くて
「自意識過剰」「被害妄想」
僕にはそれしかなかった
怯えるようにでも君の隣を歩き続けた
君の存在が僕にとっては全てだった
何度も君は
気づかぬ振りして当たり前に言葉にするから泣きたくなる
情けない僕を抱きしめて情けなさの強さを教えてくれた
君は震える声で僕に話す
失うことも見失うことも恐れるたび
好きという言葉だけじゃどうにも足りないから
あなたの名前を
呼ぶ続けてるの溢れるくらいに
私だって同じだってそう言って
潤んだ目で笑ってたんだ
君もずっと僕と同じことを思っていたんだ だからずっと
失くさないように途切れないように
僕の名前を呼んでいたんだ
僕も何度も君の名前を呼んだ
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