どこからか大きな音がして歓声
小気味よい音色に発電機の唸り
漂ってくる様々な匂い達
カタカタと鳴らす浴衣の群れ

散り行く光は見えないまま
辺りには煙が漂って燻される

家路に就くのがもったいない?
いつかあの喧噪に混ざりたい?
考えずに飛び込めるのなら
変わり果てた土手沿いを想う

多分今そんな気分だ


貼り出されるイベントの告知
胸躍らせたのはいつまでだっけ
何もかも初めての素晴らしい日々
今は割り切れない小数点以下

去り行く声を見ないまま
辺りに散らばるゴミを眺める

今更行くのは意味が無いって
いつも呆れて笑われる
全て終わった誰もいない川べり
対岸の花火を脳裏に満たす

きっと今そんな気分だ


星空じゃ物足りなかったの?
太陽は地味すぎたかな
集めて燃やして光らせて散らす
向こう側に何が残る誰が馳せる

アルバムを焼いて暖まろうよ
スカスカの記憶に冷たい北風
未来地図埋めて忘れようよ
願ってもない明日に脅されて

ワークシート埋めただけ導かれ
武者修行のたらい回しで落伍者


見えただけでありがたいなら
閉じ込めた意思を投げつけたい
消えただけで笑えるのなら
燃えかすを飲み干していたい

抱きしめたい思い出も約束も
煙になって風が運んでいく
重荷が取り去られるように
軽い背中が少し寒くなった


あの時のくじ引きは全部外れ
そんなの最初から分かってたのに

隣で金魚が笑ってたよ「仲間だ」って
すくってもらえるだけましなのに

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

対岸に花火

閲覧数:61

投稿日:2021/11/12 20:06:12

文字数:629文字

カテゴリ:歌詞

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