「おねえちゃんのバースデープレゼント、みんなもう用意した?」
ミクが聞いた。
今このリビングにはカイト、ミク、リン、レンの4人がいる。メイコは仕事中だ。
「リンはもう用意してるよ!かっわいいんだー♪」
「俺はまだ」
リンは得意げ答え、レンはゲームをしながらぼそっと答えた。
「今年は二人別々なんだ?リンちゃんプレゼント何にしたの?」
「キラキラのインカムだよー!特注でドクロとハートが入ってるの」
「えー!!!かわいい!!どこで買ったのー?」
(それってどんな趣味だよ…)
盛り上がっている姉たちを横目にレンは心の中でつっこんだ。
「私まだ悩んでるんだー。アクセサリーかコスメにしようって思ってるけど
その前にみんなのが知りたくて…お兄ちゃんはもう用意した?」
ミクが聞いた。「リンも知りたーい!」リンも興味津々だ。
「まだ用意はしてないけど決めてるよ」カイトが答えた。
「なになに?何にしたのー?」詰め寄る二人にカイトはヒミツと答えた。
「アクセサリー?それともそれ以外?」ミクの質問にも
「ノーコメントです」鉄壁のガードだ。
「ってことはアクセサリーだよな?」
ゲームから顔をあげてレンが言った。不敵な笑みを浮かべている。
「だってそれ以外だったら広いから答えてもかまわないじゃん」
「レンくんえらーい!そっかー、やっぱアクセサリーなんだ!」
「指輪ー?ねえ指輪ー?」
ますます盛り上がる二人に観念したのか少し笑って
「アクセサリーと何かだよ。あとはヒミツ。」
とだけ答えて部屋に戻ってしまった。
「お兄ちゃんケチだなー!教えてくれたっていいのにぃ」
ミクが言うと
「もしかして私たちには言えないようなことなんじゃないのぉ?」
リンが含みありげに答えた。
「そっかー、マスターが常々「うちのカイトはよそでは"絶滅危惧種の
本気のカイト"と呼ばれている」なんて言ってるもんねー。」
「そうそう"本気のカイトのバースデープレゼント"だもん。
たぶんR指定だよ。」「えー、リンちゃんそれって…」
約二名が盛り上がっていると、玄関からただいまという声が聞こえてきた。
メイコが帰ってきたらしい。
「おかえりー」「外寒かった?」
パタパタと玄関に駆け寄りメイコに声をかけている。
さっきまであらぬ妄想で盛り上がっていたくせに…と心でつぶやいて
「メイ姉おかえり」リビングでレンも迎えた。
そのまま少し話してからみんな自分の部屋に戻った。
「俺もそろそろ用意しなきゃな。ちょっとメイ姉のとこ行ってくる」
同部屋のリンに声をかけレンはメイコの部屋に向かった。
「メイ姉ちょっといい?」
ノックをして声をかけた。
「うん、どうぞ」
「何?」「ちょっと相談なんだけど」「うん」
「友達の彼女がそろそろ誕生日でさ、何かプレゼントを
贈りたいらしいんだけど、何あげたらいいのか悩んでるらしくて…
センスのいいメイ姉にアドバイスがもらいたいんだって」
われながらベタベタのどんくさい作戦だ、レンだって分かってはいるが
ほかに良い方法を思いつかなかったのだ。
初めて一人であげるプレゼントなのにほかの奴に負けるわけにいかねーじゃん。
と息巻いていた。
(ま、リンには勝ったけどな。)
どうやらリンのインカムは眼中にないようだ。
「その彼女っていくつなの?レンと同い年?」
おお、そうきたか!レンは少しあせって「いや、ちょっと上かな?」
と答えた。さすがにここは誤魔化さねば。
だがマスター曰く”咲音メイコ”に近いうちのメイコは
よそのメイコよりずっと幼く見えるからちょうどいいかもしれない。
「じゃあ高校生ぐらいだ」メイコは楽しそうだ。
”センスのいい姉”としての腕の見せどころだと思っているらしい
「ふわふわのルームウェアとかどう?かわいいのがいっぱい出てるわよ」
(やっぱメイ姉だよな。ドクロインカムの100倍いい。)
「あとオーソドックスだけど、これから寒くなる時期だし防寒具は?
お揃いのマフラーとかいんじゃない?」
「なるほどね。喜びそうだな。ありがと。教えてやろっと」
お礼をいいつつメイコの部屋を後にした。
(最後のは却下だな。マフラーといえばうちではカイ兄だからな。
わざわざあいつとお揃いのアイテムをメイ姉にあげる義理はないよな!)
レンにとってメイコは自慢の姉で、カイトは目標のような目の上の
たんこぶのような、とにかくウザい存在だった。
中二的には素直に認められないというやつだ。
「おかえりー。何かいいもの思いついた?」
部屋に戻ったレンに寝ころんで雑誌を見ていたリンが聞いた。
「んー、まあね」
「そっかー。良かったねー。」
雑誌をめくりながらリンが言った。
(えーーー?マジで?俺には「ナニナニ?」って聞かないわけ?)
内心盛大な肩すかしをくらったレンは、若干傷ついたが
ちょっと出てくる、と何食わぬ顔をしてメイコのプレゼントを
買いに出かけた。
かわいいルームウェアってこれか!
ファッションビルの中にメイコのいう店舗を見つけた。
パステルカラーオンリーのそのショップはレンには相当ハードルが高い。
どうしよ…。そういえばメイ姉「これから寒くなる時期だし防寒具は?」
って言ってたよな。マフラーは却下だけど手袋とか帽子ならいんじゃね?
思いつくと踵を返し、レンはパステルカラーから遠ざかって行った。
結局手袋と帽子にしてしまった。
手袋はニットのロングタイプで明るいクリアな赤だ。
先日メイコが買った袖の短いショート丈のコートによく合いそうだ。
帽子は黒のベレー帽にした。いくつか飾りっぽいものがついている。
おしゃれな店員さんの一押しだ。
もちろんドクロがついていないことを確認して買った。
うちのメイ姉にドクロはないもんなー。
リンのプレゼントは眼中にないと思いながら、
実はリンのプレゼントしか眼中にないレンだった。
帰って部屋に戻ると、ミクとリンがカイトの2つめのプレゼントは何か
予想しあっていた。
二人の予想はキスだった。
「カイ兄からメイ姉にキスってプレゼントになるのかよ?普通逆じゃね?」
「だーかーらー、うちのカイ兄は普段"めーちゃん!めーちゃん!"って
まとわりついたりしないでしょ。それをきっとその日ぐらいはしちゃうんだよー!」
「そうそう、王子様みたいに膝まづいて手の甲にキスするのかもー!」
予想が当たる当たらないそのものより妄想が止まらないようだ。
「早く明日にならないかなー」「うん、リンも早くあげたいな」
自分のプレゼントが誰の興味も惹かないことにくじけそうなレンだった。
(つづく…)
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01
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同じことを何回も繰り返した。
それこそ、気が狂いそうなほどに。
どうしたら、狂った『夜』が終わるのか。
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ゆるりー
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