人形が話すは、とても古い物語。
北の果て、一年のほとんどが雪になる土地にひとつの国があった。
その頂点に君臨するは、心優しき青年。
青年の人柄に民衆から賢帝と呼ばれた。
「皇帝!いい加減城の外に出るのやめてください!」
部下に叱責されながら皇帝は城を出て城下街に行く。
「別にいいじゃないか。民に迷惑かけてないだろう。」
「そうではなくて、まだ公務が終わってません!それにもし不審な輩に襲われたりしたら・・・」
「それは大丈夫だ。公務は城に戻ったらすぐに片付けるし、もし変な輩に絡まれたら、おまえが居る。別に私は戦えないからではないからな。」
「それは、そうですけど・・・」
あっさりとした解答に部下は戸惑う。
「では、今日は何処に行こう。雪菫、何かいい所はあるか?」
「・・・」
皇帝はいつもこうだ。
でも、人々の為だという時はいつも真剣に取り組んでいらっしゃる。
せめてそのままでいてほしいーーーーーー
「雪菫?」
部下ー雪菫ーは、さっきから呼ばれているのに気付き、答えた。
「あぁ・・・。では広場に参りましょう。この時刻なら歌を披露していると思いますし・・・」
「歌を?」
「えぇ。」
「面白そうだ。よし、行ってみよう。」
彼らは広場へと足を進めた。
二人が広場に着いた時、広場には沢山の人だかりができていた。
「あんなに人気があるのか?」
皇帝は驚く。
「はい。歌い手はこの国で一番の歌姫と呼ばれる程です。あ、そろそろ始まりますよ。」
現れたのは皇帝と同じ若草色の髪を二つに結んだ少女だった。
簡素な衣服にリボンを付け足した質素な衣装だが、彼女のかわいらしさを引き立てていた。
少女が歌い始めた。
甘い歌声は人々を魅了する。
もちろん二人も例外ではない。
歌を終え、人々は少女に拍手喝采を送る。
しかし、皇帝だけは、少女にくぎづけだった。
小説 或る詩謡い人形の記録 1
ようやく一話です。
なんか、皇帝は時たまに城を出て街へ行ってたみたいなイメージなんです。私の中では。
んで毎回部下(雪菫の少女)に叱られるみたいなカンジです。
・・・部下に叱られる皇帝って・・・
あ、あと、順番はメドレーに沿って書いています。
簡単に言うと、4、1、3、2、5の順です。
でも、四章、一章、三章はある意味同時進行にする予定です。
今気付いたんだけど、雪菫がミーハーに見えるのは気のせい?
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