物差しはとても便利な道具だ
大きさが分かる長さが分かる
数字に置き換えて判断できる
その差を別つことが出来る

言葉はとても便利な仕組みだ
感情を表し要件を伝達して
正確に理屈を理解させられる
その人に命ずることが出来る

輪郭はとても便利な錯覚だ
形を象り境界を明確にして
簡単に意思を把握してくれる
その人の権威を知らしめる


何かに「名前」を付けるのはとても楽で安心する
私はなにものでどこから来てどうしたいのか
その人の何かを感じる前に全て理解出来る
年齢も性別も見た目も経歴も全てにおいて

「名前」がなかったらどうしようなんて考えない
絶対に「名前」は無くてはいけないそうだろう?
誰なの?何を考えてる?何処から来た?ああ怖い
感情も行動もあらゆる全てに「名前」がいるんだ


でもとても「目」が疲れてきたんだ
誰かの「名前」を良く見ることに
僕たちは「名前」を読むのに一生懸命
間違っちゃいけないって血走った目で

本当に「名前」が無い事は不安と恐怖?
君が誰か分からなくても君はそこにいるのに
僕が何かを知らなくても僕はここにいるのに
話さなくても歌えるよ笑わなくても踊れるよ

ねぇ君はなんで泣いているの?
抱きしめた僕の腕に名前は無い
耳元で歌う呼吸に題名は無い
魂に敬意を払うことに輪郭は無い

鎖のように連なった名札だらけの街で
血眼の目が涙で見えなくなる前に

それはきっと本当に小さな小さな
とてもちっぽけな在りようのお話

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

縁・奴隷・沈む

象らなくて良い世界に幸あれ。

閲覧数:882

投稿日:2021/06/05 23:56:42

文字数:626文字

カテゴリ:歌詞

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