「ただいま」
「あら、お帰りなさい」
MEIKOが出迎える。MEIKOに案内されるまま、リビングにいく雅彦。リビングにはKAITOがいた。
「雅彦君、お疲れさま」
そういって雅彦に飲みものを渡すKAITO。
「雅彦君、対談って長かったの?」
「まあ、確かに対談は長時間でしたが、それほど疲れは感じませんでしたね」
「それで、対談の様子ってどうだったの?」
「対談ですけど、幸田さんが司会を務める形で、僕と沢口さんが用意した質問を互いにこたえたり、あるいは沢口さんが用意した質問をこたえる形でしたよ。幸田さんの司会がかなり上手かったですから、スムーズにいきましたよ」
「雅彦君から見て、沢口さんの印象はどんな感じだった?」
「そうですね。おおらかな感じで、割合親しみやすい印象は受けましたね。僕の用意した質問にも丁寧にこたえてもらいましたし。あと、実は僕は対談をする前は僕のせいで沢口さんが最後の生身を持つ人間になったことで、いやな思いをされているかもしれないと考えていましたが、完全な取り越し苦労でした」
「そういえば、沢口さんは何をされている方なの?」
「ええっと、作家をされているそうです。デビュー当初は純文学だったらしいですが、他にも色々なジャンルで出されているらしいです。僕は純文学はあまり読まないんですが、知り合った機会に読んでみようかと考えています」
「それは良い心がけね」
「そういえば、色々と質問したんだよね?何を質問したの?」
「先ず最初に質問したのは、僕のことをどう思っているか聞きました。そうすると、沢口さんは非常に勇気のある方だと話されていました。ミクのために、自らの命を危険に晒したというのは、非常に勇気のある行為だと話されていました」
「そうよね。確かにあの時には雅彦君のとった行為にはとても驚かされたわ。ね、KAITO?」
「僕は最初は勇気があると思っていたけど、話の詳細を聞いていくにつれて、無謀な行為だと思ったけどね」
「まあ、当時の技術レベルから考えるとそう考えるのは当然だと思いますし、何より僕自身もそう思っていましたから」
「それで、他には何を聞いたの?」
「アンドロイドの体をどう思っているかと、なぜ沢口さんがアンドロイドの体を持つ選択をしなかったのかの二点です」
「それにはどんなこたえが返ってきたのかな?」
「最初の質問に関しては、人類の進化という点では面白いアプローチだと思ったということです。次の質問に関しては、体をアンドロイドに変えなくとも、生活はできるからと話されていました」
「確かに考え方としては面白いわよね。これを考えだされた佐藤教授は、中々変わっていたわよね。私たちの生みの親の一人である佐藤教授にこういうことをいうのは失礼かもしれないけど、一歩間違ったら捕まっていたかもしれないわね。自分の教え子である雅彦君を実験台にしたといわれても仕方のない状況だったから」
「そうですね。僕はミクのことがあったからそれに乗っかっただけですし、何かあったら責任は全部自分が被るつもりでしたが」
「本当は私たちをふくめて周囲が雅彦君を止めなければいけなかったのかもしれないわね。その後雅彦君が私たちと家族になって、色々としてくれたことを考えると、雅彦君の決断が良い方向にいったけど、これは結果論よね」
「確かにそうですね。ただ、あの時はミクと結ばれるのに他に手段はないと思ってましたから」
「それで、沢口さんからは、どんな質問をされたの?」
「アンドロイドの体を持って苦労した点は何かというのは質問されました。僕は、その当時は技術的に未成熟でしたし、なにより前例がなかった事態ですから、色々と不具合が出たことだと話しましたね。でも、僕なりには楽しめましたから、あまり苦労だとは思ってませんけど」
「雅彦君が苦労してないと思っても、ミクはかなり心配していたよ。それは覚えてるかい?」
KAITOが少し呆れたようにいう。
「もちろんです。ただ、これは避けられない道だといって説得したはずです。ミクはすぐ納得してくれましたよ」
「雅彦君、実際頭でそうと理解していても、実際に雅彦君が不具合が出た時に間近で見ていて、ミクがどれだけ心配したと思ってるの?ミクは雅彦君ほど割り切った考え方をできる性格じゃないのよ?」
「もちろん分かってましたよ。ですから、そのミクの不安を和らげるために、僕は色々とミクに対してスキンシップを始めたんです。ただ、今は僕がしたいからという感じで、目的は変わってますけどね」
「本当に、雅彦君はKAITOに似てきたわね」
「めーちゃん、何でそんな顔するの?僕のスキンシップって嫌いじゃないでしょ?」
少しすねたようにいうKAITO。
「確かにそうだけど、KAITOの場合は少しやり過ぎよ」
呆れたようにMEIKOがいう。その後も、雅彦は沢口との対談の様子を二人に根掘り葉掘り聞かれた。
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