「たっだいまー!!」

家の主(肩書き)であるチビが帰ってきた。
ここまで元気にただいまと言ってる日はそうそうない。
今日は何かあったのだろうか。

「お帰りなさいすぅさん」
「ただいまるか様!あーもう可愛いねるか様まじ俺のよm」
「チェストおおおおお!!!」
チビがるかを口説きそうになったので強制終了。
るかは俺の嫁だ。異論は認めない。
「ちょっとがくぽ何してんですの!すぅさんはこれでも一応マスターなんですよ!」
「るか様一応ってひどいなあ・・・」
「だって14じゃん」
そう言って話に入ってきたのはいろは。なぜだか今日はいあがついてきてない。
「いろはたんだって14じゃんか」
「でも君よりしっかりしてるという自信はある」
ね?と同意を求めてきたので即効で頷いた。
「ちょっとがっくんもひどくない!?ねえなんかみんな今日厳しいよ!!」
チビが涙目で訴えてきた。だが無視するのがこの家のステータスだった。


「ねえみんな、血液型なに?」
あれから一時間。宿題を終えたらしいチビがリビングで話し始めた。
ちなみにメンバーはチビ・るか・いあ・リンレン・Lily・俺である。
「わたくしはA型ですわ」
「Bですわね」
「アタシもいあちゃんと同じー!」
「俺はAだな」
「アタシリンちゃんと同じ!やったね!」
「俺はOだ」
「ふーん・・・」
ここにいるメンバーが言い終わったところでチビが唸り始めた。
「いろはたーん、血液型なにー?」
いあの「いろはたんなんてはしたない呼び方をいろはさんにしないでください!」という声をよそに、チビはキッチンでお菓子を作っているいろはに声を掛けた。
「んー?僕はOだよー」
へー、いろはも同じなのか。
「そーいえばグミもO型って言ってたよ!」
グミもか。いろははともかくグミはO型っぽいからな。
チビのほうへ目をやるとさらに唸りは強くなっていた。
「・・・先生は!?キヨテル先生は何型なの!?」
「キヨテルはー・・・確かAって言ってたかな」
チビの問いかけに即答したのはLily。流石キヨさんの教え子。
チビは唸り、そして机を叩き立ち上がった。


「ねえAB型ってそんな少なかったっけ!?」


そんな訴えが部屋中に響き渡る。
AB型ねえ・・・確かにクラスに5人いなかったときもあったしな。
「へーすぅってABだったのか」
「ABって確か不思議ちゃんって言われてるよね」
「それは数が少ないから押し付けだよね!」
「でもほわほわーって感じしますわよね」
「あーそれは確かにるか姉さんの言う通りだ」
「てかチビは天然バカだろ」
「あー言えてるよがくぽさん」
「最後の2人ちょっと表出ろや」
あ、ちょっと乗っかってみたらブラック引き出してしまった。
まあいいか。所詮チビだし。


「・・・なんか今日の夕食豪華じゃありませんか?」
夕飯の準備中にいあがそう漏らした。
「いやだってそうでしょ?新しい人来るんだから」
いろはがサラダを盛り付けながら言う。そういえば今日か。
「え!?わたくし初耳ですわよ!」
「「それはしょうがない」」
おっと、いろはと台詞が被ってしまった。
「なんかな、知らない人がいるんだよな」
「そうそう。巷の噂では後に絡みが多くなりそうな人を勘で選んでるらしいよ」
「・・・そうなんですの」
「そうらしいぞ」
いあがかなり落胆している。だがまあなんとかなるだろう。

「たっだいまー!連れてきたよーん!」
会話が終わってすぐにグミが帰ってきた。ナイスタイミング。
そういえばグミっていつの間にか来てたんだよな・・・あいついつ来たんだ。
「ささ、上がって上がって!」
「お、お邪魔します・・・」
「もーうゆっかりん!ここはマイホームなんだから!」
新人の言葉にグミが茶々を入れてるのが聞こえた。
がちゃ、とドアを開けて入ってきたグミの後ろにいたのは・・・結月ゆかりか。
「あらら?すーぅ!ゆかりん来たよー!」
「あの・・・グミさん、すぅというのは・・・?」
「・・・廃j」
「これでもマスターだっつの!!!」
グミが何かを言いかけようとしてチビに止められたっぽい。
つかお前さっきまでどこにいたんだよそして駆けつけるの早いな流石。

「はーいみんな集合!」
すぅがリビングに人を集めるようなそぶりをした。
キヨさんはいつの間に帰ってきたのかコタツでまったりしていた。
「みんな知ってると思うけど、今日来たのは結月ゆかりさんです!」
「初めまして、結月ゆかりです。宜しくお願いします」
そういって頭を下げた。
なんと礼儀正しい。るか、グミに次ぐ礼儀正しさだぞこれ。
そう思ってたら顔を上げたゆかりが驚くべき発言をした。

「あ、嫌いなものはいあです」

・・・。
あれ?
待てよ今何て言ったんだろうかこの人。
「いあ」って・・・多分アイツだろうなー・・・。
そしたら案の定いあが火を噴いたように話し始めた。

「ちょっと貴方いきなりなんですの!?いきなり物扱いだなんて!」
「・・・忘れたの?私が事務所に行く前にいた学校で会長をしていたものだけれど?副会長さん?」
「おま、まさかあのゆかりんなのですかよ!」
「あの時はよーくも侮辱してくれたわねいあ」
「そっちこそ!会長だからって身分片手にいろいろなもの押し付けやがりましたわね!」
「「あのときの恨み・・・今ここで晴らす!(晴らしますわ!)」」

あーあ、なんか言い合いが始まった。
早く止めろよ・・・とチビに言おうとしたが。
「ケンカップルきたこれ!!!」
だめだこれ。壊れたし修理に出さないとな。
「はい喧嘩はやめろ!早くしないとご飯冷めるよ!」
「いろはさん・・・お見苦しい所を・・・」
いろはに言われ、いあはそそくさと料理を運び出すためにキッチンへ逃げた。
「・・・いろは、さん。か・・・」
ゆかりは呆然としながらそのまま立っていた。

いつもより少しにぎやかになるはずの食卓は、いあとゆかりの一件で少ししんとなっていた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

血液型とケンカップル【すぅ家】

はーい!なすぅです。
今回はケンカップルです!
あと血液型ネタは以前からやりたかったやつです。ちなみに私は昨年のクラスでAB型が2人だけというクラスにいました・・・33人いてですよ!?
あとね、うん。本当はミクさんを出す予定だったんだけどねうん。
今日いきなり「ゆかいあっていいよね!」みたいな思考になりまして。ミクさんごめんなさい。
さーせんした(主にミクさん)

閲覧数:185

投稿日:2013/12/06 22:13:38

文字数:2,467文字

カテゴリ:小説

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