第八話 誰の真意
―――おかみさんが、「ルカ」―――。
「私だって、早くれんには、課題をさせてあげたいけれど、まだだめよ」
「ーー随分と、余裕ぶっこいてんじゃないのよ、ルカさんよぉ?」
剣呑な空気を醸し出すふたり。
「早くこいつを連れ戻さねぇと、怒られんのは、俺なんだよ。こんなんじゃ、トップの面子がたたねえだろ」
「今のこどもって、血の気がおおいのねぇ」
「…………馬鹿にしてんのか」
更にわるくなる、空気。
ここにあるはずもないのに、鉄のような生臭い匂いがするきがする。
「おっかさん、咲屋さんが…………」
唐紙のむこうからするのは、おりんさんの声。
流石にこの状況は、みせたくない。
「少しおまちなさい」
おかみさんは、かいとを睨んだまま、言った。
「何か、あったのですか……?」
おりんさんが訊くが、だれもこたえない。
おりんさんは、魔界だの、ヴァンパイアだの、知らない。
―――ばんっ
という変な音が、した。
とおもったら、罵声が聞こえてくる。
「ここに化けもんがいるってぇのは本当か!!!!!???」
“化けもん”?
「――まずいわ」
おかみさんが、そう呟いた。
「これだけあつまれば、見つかっても仕方ないわね」
「おっかさん!!!!!―――っれん!!!!!」
おりんさんの叫ぶ声。
“れん!!!!!”
「レン」
何かが、脳裏に蘇った。
懐かしい声が、私のなかで響いた。
長い髪を、結わえて、なびかせながら、私を呼ぶ、あのひと。
白い白い、あのひと。
「おりんさん!!!!!!」
意識もなく、気がつけば、おりんさんを抱きしめる、じぶんがいた。
このままだと、おりんさんは、あの輩に連れて行かれそうなきがする。
もう、戻って来ない気がする。
あの日みたいに―――。
「れん……?」
「…………」
私は、何も答えない。
それより―――――変だ。
なんだか、気持ち悪い―――。
「れん、れん!!!???」
何度も、私の名をよぶ、おりんさん。
そんなに呼ばなくたって、聞こえてますよ。
「れん!!!!!!!」
とうとう、叫んだ。
おりんさんを抱きしめる、私を。
「おりんさ…………」
「れん―――その、牙…………な、に。どうした、の……」
おりんさんが、私を化け物でもみるような瞳でみつめる。
「牙……?」
今は人間の姿だから、牙は、ない筈。
ならばどうして、お嬢さんは、人外の者でもみる軽蔑を、私にむけようとしているのだ。
口元に、手をもってゆく。
冷たく触れる、硬い何か。
今度は自分の手をみる。
長く伸びた、爪が痛々しい。
これは―――?
「ひゃ…………」
おりんさんが、私に短い声をあげた。
嗚呼そうだろう。
やっぱり、そうだろう。
「れん!!!!その姿は――――」
おかみさんが、声を荒げた。
「おま………ヴァンぱ……」
かいとも、驚いた様子で、私をみていた。
―――“ヴァンパイア”じゃねえか……。
その言葉が聞こえた。
言ったのはきっと、かいとであろう。
「れん!!!!????」
俺は逃げ出した。
牙を晒した、醜いすがたのまま。
気持ち悪い。
鼻の奥に感じていたのは、血の臭い。
あの、瞳。
やっぱり、そうだった。
私が人間ではないと、わかった瞬間の、あの目。
そして。
俺は、やっぱり。
ヴァンパイアだったんだ――――。
コメント2
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ゆるりー
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ファントムP
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ご意見・ご感想
しるる
ご意見・ご感想
リンちゃんは……養子か何かなのだろうか……
じゃないと、リンちゃんは……いや、まぁ、それはそれでかっこいいけど←
レン君は、なぜ変化しちゃったのだろう?
2012/12/22 08:56:22
イズミ草
うーん、その辺は後で出そうかなあw
よくわかりませんがw
色々と、ねww
2012/12/22 16:43:45
つかさ君
ご意見・ご感想
つ、ついにバレて..っ!?
おりんん!そんな顔せずにれんを守ってあげて(h
2012/09/29 14:28:42
イズミ草
これから色々あるんですwww
そう簡単にまもってもらっちゃ、困るってモンよぉwww
2012/09/29 16:03:40