誰の目にも留まらないのなら
誰の手にも触れられないなら
そこにいる意味を得られないのなら
僕はそこにいちゃいけませんか?

誰かとの繋がりを保つことで必死で
どこかに繋がれるために全力で縋る
全ての力も時間もそのために注がれる
それだけが拠り所で生き甲斐で全て

「寂しいね」って簡単に言ってくれるな
望まれてそこにいる人なんて一握りだろ?
誰よりも想われる事をせがんで欲して
誰かを蹴落とす事が蜜のように甘い呪い


人の目にも入らないのなら
人の手にも取られないのなら
ここにいる意義を受けられないのなら
私は存在することを許されませんか?

死に物狂いで命綱みたいな繋がり握って
血眼になってほつれを取り繕おうとする
周りなんて知らない他人なんていない
他のなによりそれだけが全て私の全て

「虚しいね」って安直に言ってくれるな
求められて地を踏む人なんてひとつまみだろ?
誰よりも愛されることを妬んで恨んで
誰かを持ち上げたその下で誰かにつばを吐く


時々見失いそうになる「消える権利」とか
最初から何も無かったらいっそ清々しい
生まれ続ける子どもたちで星が埋め尽くされて
誰もが数字を持たない望まれなかった子

ママ見てって泣き叫んだって誰も来ないよ
パパ抱っこって喚き騒いだって誰も来ないよ

望まれない子は居ない?要らない?偽り?
透明になった瞳はもう光を捉えなくなった

浮き上がっていた微かな輪郭も弱まってきて
気付かれないうちにそれは終わる静かに終わる


ああこの世の誰にも見えない言葉ならば
そうこの世の誰にも聞こえない叫びならば
もう鎖さえも意味はないのだろう?
この枷さえも在りはしないのだろう?

どこにも響かない無為で無様な遠吠えが
透明な夜を貫いてどこかの星に刺さるまで

化石にすらなれないまま砂の一粒にもなれないまま
霧のような雲のようなスパイシーなスピリチュアは
ピリオドも打てないままインクが掠れて消えていく
遠くで小さな笑い声が聞こえたのは気のせいだよ


そうさ何もかも気のせいだったんだおかしいな

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

望まれない子どもたちの歌

閲覧数:66

投稿日:2021/06/26 07:33:32

文字数:873文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました