【Aメロ】
花丸の答案用紙に 赤ペンの褒め言葉
手作りの金メダルを下げて
走った 真夏の空の下
満開の朝顔の観察日誌は
水をやるたび色鮮やかに
字がきれいねと頭を撫でられて
絵がうまいねって褒められて
【Bメロ】
向日葵のような伸びしろ
明日が楽しみだって笑ってた
将来の夢なんて なりたい物が
多すぎて頭を抱えた
なんにでもなれる気がして
どこにだって行ける気がして
壁なんて見えやしなかった
あの日の主役は確かに僕だった
【Cメロ】
埃を被った表彰状
くすんでしまったトロフィーも
結局 ただの凡人と
突きつけられた現実のよう
昨日はただの残骸だ
生きるために早く行かなきゃ
分かってる 分かってるけれど
【サビ】
ねえ 僕は何になれたんだろう
諦めなきゃ何になれたんだろう
昔、好きだったものが 今では
僕の首を絞めてる ただの縄だ
天才なんかじゃなかった
そんなのずいぶん前に知ってた
気づかなければ どこまでも行けたのか
いつからだろうな
青空が眩しくて顔を伏せるようになったのは
【Aメロ】
心もない頭を下げて 軽い賛美で受け流す
手探りの話術 終わらせて
笑った 薄っぺらな表情
満開の朝顔の観察日誌は
いつの間にかどこかに消えてた
綺麗な字は崩れて殴り書き
絵なんて金の役にも立たない
【Bメロ】
高層ビルの隙間から咲いた
向日葵に似るわけもない雑草
生きるために 腹を満たすために
なあ それの価値がわからない
なんにもなれない気がして
もうただの余生な気がして
道なんて見えやしなかった
ただの背景に描かれた通行人
【Cメロ】
くたびれたスーツ 脱ぎ捨てて
たまったゴミばかり 投げ入れて
結局 ただの歯車と
抜け落ちたネジ穴は埋まらない
何者にもなれなかった僕へ
生きるために前に進まなきゃ
分かってる 分かってるけれど
【サビ】
ねえ あの日あの時の選択を
しがみつけば僕は何になれたんだろう
天才なんかじゃなかったこと今では
痛いほどわかってる ただの重しだ
夢を語るにはもう 少しだけ
歳を重ねすぎたな 馬鹿みたいに
あのままずっと 走り続けたら行けたのか
青空の向こうへ 行けたのか
向日葵みたいに太陽に 真っ直ぐ顔を上げて
【変曲】
もう一度やり直せるなら
馬鹿みたいな夢ばかりが浮かぶよ
もう一度やり直せるなら
もう一度やり直せるなら
せめて 愛だけは手に入れたい
【ラスサビ】
拝啓、何者にもなれなかった僕へ
ねえ 僕は何になれたんだろう
諦めなきゃ何になれたんだろう
あのままずっと走り続ければ
青空の向こうへ行けたのか
陽炎のような笑い声が
幻のように 通り抜けて消えた
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