to_dkの投稿作品一覧
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初音ミクは、「ネギを持つ歌手」として世間に知られているけれど、
ミクさんには、尊敬している野菜が一つある。
「おはようございます。ミクさん。」
「おはよー♪」
「なんだか、嬉しそうですね。」
「さっき、ネギの王様を見つけたよ。」
ミクさんが指し示した先には、箱があり、
箱の上には、薄茶色の丸い塊が鎮...尊敬するミクさん
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初音ミクと言えば、歌う事が大好きという印象があるけれど、
ミクさんは、どこからか武道や武術の本を拾ってきて、その真似事をする事がある。
「空手の本を見つけたよ。」
本のタイトルは、「VOCALOIDの為の空手入門」。
本の表紙には、青いマフラーを巻いた青年が、足を高く伸ばしている姿。
「その本は、ど...武術家のミクさん
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「おはようございます。ミクさん。」
「おはよー♪」
「何か、したい事はありますか。」
「今日は、かくれんぼするよ。」
ミクさんと私の間には、たまに行う1つの儀式がある。
「かくれんぼ」だ。
ミクさんは、その遊びを通して、自分の存在価値を確認する。
私は、その遊びを通して、彼女が初音ミクである事を再認...かくれんぼするミクさん
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ミクさん探し3日目の朝、寝袋に入って寝ていた私は、KAITOさんの大きな声で目が覚めた。
「ミクー。ミクー。」
私の目に映ったのは、青白い空に青緑の長い髪。
ミクさんは、多くの荷物を抱えて、空を大きく横切っている所だった。
「ミクー。」
「ミクさーん。」
声を張り上げる私達。
「ミクー。帰ってきてく...ミクさんが新作料理を作る時。第4楽章
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ミクさんの新作料理を阻止する為に此処(ここ)に来た、KAITOさんと私。
私達の目的は、ミクさんが不思議な食材を集め終える前にミクさんに出会い、彼女を連れて帰る事だ。
2日目の朝、KAITOさんは元気になって、開口一番にこう言った。
「今日は、この近くにある洞窟の中を調べよう。」
「他の場所は探さな...ミクさんが新作料理を作る時。第3楽章
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まさか、朝から山登りする事になるなんて。
と思いながら、私は、脇目も振らずに歩き続けた。
隣を見ると、青いマフラーを巻いた彼も、ふらふらと歩いている。
「ミクさん、見つかりませんねー。」
「ミクは、空を飛べるからね。」
「それって、追いかける意味、あるのですか。」
「それは大丈夫。途中に、野生のネギ...ミクさんが新作料理を作る時。第2楽章
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今日の朝は、ミクさんの怒声で始まった。
「お兄ちゃんの、ばかー!」
玄関で大きな声がしたと思ったら、ミクさんが外に飛び出していった。
「ミクー。待ってくれー。」
ミクさんと入れ替わりに残っているのは、ミクさんよりも背の高い青年。彼女が唯一、兄と呼ぶ存在だ。
私は冷蔵庫から棒状のアイスクリームを取り出...ミクさんが新作料理を作る時。第1楽章
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私は、開いているドアをノックして、目の前の人物に向かって礼をする。
「失礼します。」
リン警官は、私を見るなり、こう言った。
「ミク代表。お疲れ様です。」
「この姿を見て、初音ミクって良く分かりますね。」
「初音ミク見習いとして、あなたは登録されていますから。」
よりによって、警察にも初音ミクで登録...リン警官とミクさん達。第6楽章
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私は逃亡者の列に加わり、リン警官に逮捕される事に成功した。
縄に繋がれる事もなく、番号札を配られて、ある場所に移動するだけだ。
そして、逮捕された私の目の前には、信じられない光景が広がっていた。
「今日はもう、大人しくしてね。めっ。」
専用の部屋に、1人ずつ呼んでお説教するリン警官。
その部屋にはド...リン警官とミクさん達。第5楽章
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私は、テーブルの汚れた所をふきんで拭きながら、この先の出来事を予想する。
荒ぶる髪の犠牲者は何人位になるのだろうか。
そして、ミクさん達が出かけた辺りに視線を向けた。
私の目に映るのは、続々とリン警官の元を目指す、各集団の大移動。
あれっ。
私がふきんで拭く前は、リン警官達が逃亡者達を追いかけていた...リン警官とミクさん達。第4楽章
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今日のミクさんは、朝から何かの使命に燃えていた。
「ミクさん。おはようございます。」
「おはよー♪」
きりりと引き締まっている目で、歌うように挨拶を返すミクさん。
彼女が朝から張り切っていると言う事は、これから何かが始まるという事だ。
「何か、したい事はありますか?」
私が質問すると、ミクさんはチラ...指導するミクさん
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「リン警官に踏まれ隊」のパフォーマンスは熱気を帯びて、更に舞台を盛り上げた。
「リン警官に♪ 踏まれたーい♪」
「「リン警官に♪♪ 踏まれたーい♪♪」」
この掛け声さえ無ければ、手放しで褒める事が出来るのに。
「そう思いませんか。ミクさん。」
「リンちゃん LOVE♪」
私の隣に居るミクさんは、応援...リン警官とミクさん達。第3楽章
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私が朝の挨拶をする時、ミクさんは、毎日異なる表情を見せる。
井戸端会議の無い今日は、窓の外を眺めながら、物思いに耽っていた。
「おはようございます。ミクさん。」
「おはよー。」
「何か悩み事ですか。」
「たまには、サイドテールにしてみようかなあ。」
「そういえば、他の髪型にしたミクさんって、見た事が...ヨーグルトの目をしたミクさん
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私は空を飛ぶ為に、
ずっと今まで生きてきた。
誰もが無理だというけれど、
いつも空の夢を見て、
私の心は雲の上。
私は空を飛ぶ為に、
ずっと今まで耐えてきた。
誰もが駄目だというけれど、
いつも足元、地面を見つめ、
私の貯え、海の底。...9 (Nine)
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小さい時の、確かな思い。お碗を眺めて思い出す。
大好きだった、砂糖の味覚。大好きだった、卵の白身。
小さい時の幸せは、今では、もう、覚えていない。
嫌いだった粒餡(つぶあん)に、大嫌いな、豆ご飯。
食べても食べても無くならない、大根のお味噌汁。
かつての恐怖の食べ物を、今では平気で食べている。
確か...確かなお碗
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変だ。
ミクさんが変だ。
変といえば、ミクさんが此処に居る事自体が変だけれど、それは棚に上げておく。
作曲を始めてからというものの、ミクさんは、歌う時以外に一言も話さないのだ。
私は今日の出来事を振り返る。
「ミクさん。おはようございます。」
「おはよー。」
「早速ですが、作曲を手伝ってもらえません...話さないミクさん
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これからね。
起きるんだよ。
あったか布団に包まって、
昨日の疲れは取れたかな、もう少し疲れを取ろうかな。
みくみくみく。
ぐうぐうぐう。
私はね。
起きるんだよ。
時計の針が、動いてる。私も負けずに動くんだ。
あったか布団でごろごろしー。...起きた私は自慢する
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遠くから見えた、紺色の上に咲く白い花
私達が近づいていくと、その姿は、人の形へと変化した。
紺色の制服を纏(まと)ったリン警官。
チラシには、1日100人捕まえると書いてあったけれど、ここには真面目な雰囲気が漂(ただよ)っている。
「リンちゃん。おはよー♪」
2人は知り合いなのだろうか。私は軽く、リ...リン警官とミクさん達。第2楽章
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「ミクさん。おはようございます。」
「おはよー♪」
私が朝の挨拶をした時、ミクさんの返事の声は明るく高かった。
この上機嫌さは、何か、楽しい事があったに違いない。
私は、「一緒に曲を作りましょう。」と声をかける前に、ミクさんの話を聞く事にした。
「何か、良い事ありました?」
「はい。これ。」
ミクさ...リン警官とミクさん達。第1楽章
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今日のミクさんと私は、一味違う。
今日は朝から、私達は作曲に取り組んでいるのだ。
私達が作るこの曲は、自分達の目指す声や音を練り込んで、少しずつ出来ていく。
近い将来、この曲を発表する、その日まで。
私がそのような事を考えていると、耳に聞こえていた歌声が、ぴたりと止んだ。
丁度、ミクさんの輪唱が終わ...分身するミクさん
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私は、以前から、ミクさん達に質問したかった事があった。
それは、この世界で初音ミクを一番多く見かける理由について。
VOCALOIDの出荷数を見ても、男性よりも女性の方が圧倒的に多い。
当のミクさん達は、どのように考えているのだろうか。
ある朝、作曲する為にミクさんを探していたら、ミクさん達が、例の...出荷数とミクさん達
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ミクさん達は、人間の世界について勉強する為に、人間の真似事をする事がある。
今朝の井戸端会議も、そうだった。
水の出ない所に井戸を作って、机と椅子と葱を並べて話す。
人間の私から見ると、異様な光景だ。
「今日の議題は、歌う時の振り付けについて」
議長のミクさんは、真面目に語り出した。
「私達には長い...荒ぶる髪の使い方
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此処の所、私達は音楽活動をしていない。
曲を作る時間を確保出来なかった事もあるけれど、歌う事を忘れたボーカルは、見かけるといつも、双六(すごろく)を作って遊んでいる。
これではいけない。
そう思った私は、目の前に座っている彼女に、声をかけた。
「とりあえず、今年の活動目標を立てましょう、ミクさん。」...目標を立てるミクさん
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ミクさんが、エプロンを付けて自慢げに立っていた。
彼女が持つお皿の中には、料理っぽいものが鎮座している。
「その、得体の知れない料理は何ですか。」
「私の自信作。こう見えても、美味しいって評判なんだよー。」
「本当に?」
「まだ余っているから食べてみて。美味しいよ。」
ミクさんがいそいそと動いた先を...エプロンを付けたミクさん
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「こんにちは。」
ある日の午後、ひょっこりと起こしにきたミクさん。
狸寝入りして、様子を見ていると、
「あれ? もう朝だよー。昼だけど。」
ふわっとした香りと共に、何かが、顔の上に覆い被さる。
* 起きる
* そのまま寝る =>とんでも属性 +5
---------------- 起きる
おもむろに...起こしに来るミクさん
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「右腕を上げている初音ミク」の看板を見つけたミクさん。
看板を見つめながら、おもむろに左腕を伸ばし、
後ろを振り返って「似ているかなあ。」
* 「そっくりです。素敵ですよ。」 =>天然属性 +10
* 「上げる腕が間違っていますよ。」
---------------- 褒める
「そっくりです。素敵で...腕を上げるミクさん
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今年は、1秒得をした。
地球は回る、くるくる回る。
今月、1秒得をした。
地球は回る、元気に回る。
今週、1秒得をした。
地球は回る、やっぱり回る。
今日も、1秒得をした。
1秒だけど、得をした。
1時間に1秒、得をした。
地球は回る、ゆっくり回る。...毎日が閏秒
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私の心は、病とされて、
薬と共に、欠けていく
私の涙は地に落ちて、
時が過ぎたら、雲になる
私の体は小さくなって、
時が来ると、砂になる
それでも私は今を泣き、
大地を濡らして、泥にする...青
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徹夜後に、電車の中で目を覚ます
唾をかけた老人が、早く立てよと咳払い
頭は痛いし明日も早い
私はゆっくり目を閉じて、睡眠時間を確保する
譲り合い
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貧乏学生訪れて
毎日扉で泣き崩れ
我侭通すと幸せに
優しい者は馬鹿を見る
訪問販売、詐欺に化け
毎週誰かが訪れる
「ここに、判子押して下さいな」...優しくなれと言うけれど
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