タグ「神威がくぽ」のついた投稿作品一覧(58)
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世界の終わり。
テレビや新聞でそんな話題が多く取り上げられるようになったのは、一年前のことだった。
シナリオもベタなもので、隕石が普段の軌道とは違うらしく、そのままこの星に衝突するらしい。
小説やドラマ、はたまた映画でやり尽くされた題材――そう言ってもいいだろう。
事実は小説よりも奇なり、...【世界の終わりの】ワールズエンド・ダンスホール【………恋】 プロローグ
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「神威」
僕の背中から声をかけたのは初音だった。
初音は僕の友人……というカテゴリでいいのかな。正直言ってよく解らない。かつてはなんでも知っている人間で、そして今はただの僕のクラスメイト。
「どうしたんだい、そんな寝ぼけた声で」
「別に寝ぼけたつもりはないし、まるであんたが話したくないような口ぶ...僕と彼女の不思議なゲーム
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MGR団を結成した理由は、幾つかある。例えばその一つには『ツマラナイから』というのが挙げられる。
けれども、一番正しい理由は一個だけ存在していてね。
気になる? 気になっちゃう?
それじゃ……言うけど。
MGR団ってのは、何からとっているか、解る?
え? ミク・がくぽ・ルカだって? あん...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 15
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それはとある夏のことだった。
「神威、暑い。あつすぎるわよ」
「知らんよ。というかどうしてお前はこの暑い中何も対策をしていないんだ。ぼくなんてちゃんと対策しているぜ?」
「ふーん、例えば?」
「例えば……アイス!」
初音には絶対に出来ない、研究室を借りている僕だから(?)出来ることだ! 冷蔵庫の...僕と彼女の不思議な日常 Another03
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「ムーンリット・シリーズを理解できるのは一応私だけなのよね」
おおう、唐突に訳の分からないこと言い出したぞ。まあ、最初から訳がわからないんだが。
「ムーンリット・シリーズはある人間が作り出したの。それは人であり、凡人であり――“天災”だった」
「“天災”? 天才じゃなくてか?」
「ムーンリット・シ...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 13
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――話は、遠い昔。
ひとりの少女が古びた家で椅子に座っていました。
彼女は病気で、外に出ることを許されませんでした。
少女の世界は、ずっとその家の中だけ。
ずっと、ずっと、ずっと。
≪第一巻・百八十七ページ 『追憶』≫
父親の髪は青かった。
それを受け継いだのか、彼女の髪は水色だった。...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 9
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「なんじゃこりゃ」
そこには文章が書かれていた。
メビウスの輪とは帯状の長方形の片方の端を180°ひねり、他方の端に張り合わせた形状の曲面である。数学的には向き付け不可能性という特徴を持ち、その形状が化学や工学などに応用されているほか、芸術や文学において題材としてとりあげられている。
「……なん...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 7
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「……私が、ムーンリット・アート」
待て待て、初音。お前はいったい何を言っているんだ。
「解らないならそれでいいわ。……記憶さえ戻れば、いいんだから」
「ミク姉さん、これを」
気付くとグミは目を覚まして、初音の隣に立っていた。何かを持っていたのだが……果たしてそれはなんだろう?
「……なになに。...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 5
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「おっ、電話だ。誰からだろ」
初音はそう言って電話に出た。誰からだろう?
「……なんで解ったの」
初音の声が変わった気がした。怒られているわけでもなさそうだが誰からの電話だろう。まさか親というわけではないだろうけど。
初音は事故で姉と両親をなくしている。そのためか、遠い親戚――確か僕の祖父の弟...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 3
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こんにちは、僕は神威がくぽって言います。神威って呼んでください。
えっ、なんでまた僕が主人公なんだ、って? そんなの知りませんよ。描きやすいとかそんな感じの理由なんじゃないですか?
……さ、てと。
今僕がいる場所は、科学研究部が使っている理科実験室です。僕のいる学校の旧校舎にあります。すっご...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 1
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「クリスマスね」
「実際には一日遅れてるけどね」
「いいのよ、近似してクリスマスだから」
「……なるほど」
どうして僕が、初音と一緒にデートなんかしてるんだって?
それは――二時間前に遡る。
≪僕と彼女の不思議なクリスマス≫
二時間前。
「よーし神威付き合え」
「何をいきなり言い出すんだよ」...僕と彼女の不思議なクリスマス
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「遅かったわね」
すまなかったね。なんだか三ヶ月くらい過ぎちゃった気分だよ。こういうのってなんていうのかな? ……そう、『メタ発言』ってやつだ。
「まあ、そんなことはどうでもいいのよ。トリックオアトリート!」
「……さっきあげたよね?」
「遅れた罰」
「えー」
まあしょうがないか。まだ飴余ってる...僕と彼女の不思議なハロウィン【後編】
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白衣の神威がくぽ
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(本作は『僕と彼女の不思議な校内探検』第五話の行間部分からの続きとなっております。)
ハロウィン、とは――。
ヨーロッパを起源とする民俗行事で、毎年10月31日の晩に行われる。西ヨーロッパ古代のペイガニズムにもとづく死者の祭りおよび収穫祭、とりわけケルト人の行うサウィン祭に由来するとされている。...僕と彼女の不思議なハロウィン【前編】
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「ねーミク姉ー」
私が歌のトレーニングをしようと自分の家にある部屋へ向かおうとした時のことだった。
「どうしたの? リンちゃんにレンきゅん」
「いい加減俺に「きゅん」付けやめてくんねーかな!!」
「いいじゃんかわいいし」
「ですよねー」
「……じゃなくて、どうしたの?」
「あのね、えーとね……」
...秋季大マジカルバナナ大会! その1
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【世界の終わりの】ワールズエンド・ダンスホール【………恋】
*前編*
「ねえ、私と踊らない?」
「僕と?」
カクテル・ブルームーンを一口啜って、私は目の前の彼に尋ねた。
彼はほろ酔い気分の私を見て、少しおどけた笑いを見せたけど、そんなことはもうどうだっていい。
気分の悪いニュースばかりがこの世...【世界の終わりの】ワールズエンド・ダンスホール【………恋】 前編
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「し、しまった!!」
花の高校生、初音ミクはひとり教室で叫んだ。女の子の恥じらいも見せずに。その理由とは……。
「体操着忘れた!! ってかきょうもしかして水泳だったり?!」
「僕の水着なら貸してあげるけどー」
「神威あんたさらっと私の胸がないって言ったでしょ!?」
「いってないけど……なんで殴られ...僕と彼女の不思議な日常 Another02
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≪7話より≫
「さあ、神の座よこしなさい!」
初音。話の次元が違いすぎて、ついていけない。
「初音、それはどういうことだ」
「そういえば、貴方は私の考えてることが知りたい、と言っていたわね? 私の計画は……私が、私自身が、神になることよ」
「ずいぶんおもしろいことを、お言いになさるのですね……? ...僕と彼女の不思議な日常 Another01
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そういえばまだ今日は何も食べていないことを、口付けで思い出した。
「……ねえ、どうしたの神威?」
ルカがベッドに寝ていた身体を起こして、問いかける。どことなくそのプロポーションは僕だけでなく男全体を必ず興奮させるものだろう。
「……いや、なんでもないよ」
「会社でなんか嫌なことでもあったの?」
...Day first kiss
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僕はあれから考えていた。
なんども、何度も考えていた。
あれは想像だったのか? 偽りだったのか? 現実じゃなかったのか?
彼女――初音とは会えないのか?
そんなことを――今日も思っていた。
***
僕はあれから少しして退院、何年ぶりかの学校は僕を優しく受け止めた。クラスメイトも僕に優しく...僕と彼女の不思議な日常 エピローグ
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ゴールデンウィークってのはあっという間に明けてしまうもので。それはどの学生もあと数日欲しいとか思ってしまう時期なのだろう。五月病ってやつだ。
神威がくぽという少年はそんなこともなく、今日もまた文庫本を読み耽っていた。
そういえば。
神威はふと思い出したように呟いた。
「転校生がくるんだったな...夢と実験とラプソディー
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ゴールデンウィークってのは始まってしまえばあっというまに休日はすぎていってしまい、気付けば残り2日とかになってしまっているものだ。
神威がくぽという少年はリリー先生から出された『体内の電子数を試算する』宿題をあっという間に終わらせていて、毎日本を読み耽っていた。
そんな、優雅な一日をつぶしにか...鯉と連休とアイロニー
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4月ももうすぐ終わりに差し掛かり、クラスはもうゴールデンウィークの熱気に包まれていた。
ただひとり、神威がくぽという人間を除いては。
「……ゴールデンウィークなんてそんないいもんじゃないだろうに……」
そう、神威は呟いてまた本を読み始めた。確か若い小説家が書いたSF小説で、小説内の登場人物が小...笹と理論とプラネタリウム
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少年は、目を覚ますと白い天井が目に入り込んできた。
「なんだこれは……?」
少年は、ベッドに横になっていた。点滴がされ、重いギブスがつけられ。
どうやらここは病院のようだった。
少年が起き上がろうとして横を見ると、ピンク色の何かが見えた。どうやら、それは髪の毛のようで。
「う、うーん……」
...僕と彼女の不思議な日常 最終話
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≪第三節≫
そのころ、リン。
「人間はカミサマになるべきなのよ……。
何がカミよ。
何がカミサマよ。
ヒトの面倒を見ないで、祈ったときに救わないで、何がカミサマだっていうの?」
そんなことをつぶやきながら、真っ暗な場所をただひたすらと歩いていた。
≪ヒトはカミをどのように思うか?≫
不...【リレー】僕と彼女の不思議な世界 05 MGR団【後編】
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4月も半ば、そろそろ学校になれるクラスメイトが増えてくるばかりだ。
「――というわけで、地球プラネタリウムってのは2000年頃に考えられ始めた理論のことをさしている――」
リリーがもはや授業に関係ない小話をしている最中、終了を知らせるチャイムが鳴った。
「ありゃ、もう授業終わりか」時計を見ながら...窓と席替えとクラス代表
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ここはある学校。
ただ、校風は自由で田舎の田んぼのど真ん中に建てただけはある。
「……はあ、暇だなあ」
そんな学校に、ひとりの少女がいた。
彼女の名前は初音ミクという。
……なんというか、悪戯が大好きな女の子である。
≪【オリジナル】暇と小話とライバル関係≫
「七不思議?」
「そうさ。七不...暇と小話とライバル関係
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≪第零節≫
「当たり前だろ。もう僕は逃げない。
彼女を……初音を救ってみせる」
僕が言うと、
「その言葉が聞きたかった」
グミは笑って、呟いた。
そして、
「……特例ですよ。23942回目の部分リセット。3回目になる10月28日です。
必ず彼女を救ってくださいね。
もう“特例”は存在しま...【リレー】僕と彼女の不思議な世界 05 MGR団【前編】
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僕はとりあえずカイトとともにその光景を傍観していた。初音が僕のよく知る場所へ入っていく光景を、ただただ傍観していた。
気づけば、彼女が僕のいる場所に来たのが全てのはじまりだった。
彼女が僕の世界に、言い方は悪いけど土足で上がってきた。それって遠慮がちになっていたみんなよりかは素晴らしいことなのかもし...【リレー】僕と彼女の不思議な世界 05 壁
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そのころ。
「……ここはどこだ?」
僕は別の世界へと来ていた。
全てが歪んだ、世界。
そして、背景の所々に0と1の数字が描かれている。
「……君か」
声に驚き、振り返ると、
「カイト……だったな」
「ああ。なぜお前がここにいる?」
カイトは傷ついていた。いったい何があったというのだろうか?...【リレー】僕と彼女の不思議な世界 05 邂逅
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