一人バンドで音楽作ってます。 頻繁に轟音を鳴らしてやかましいです。
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「いつもの朝へ」
この夜は月が昇らない
大人達は目を覚まさない
冷えきった蛇口が出す小石
僕等は強がって頬張ったよ
あの部屋で崩れた積み木は
造反の合図だったはずさ
割れ散った翡翠色の小瓶
僕等は破片を空に撒いた
片足で進む優しさなら...いつもの朝へ
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「悲しいゲームの続きが終わらない」
君が好きな合言葉と
僕は隠れんぼをするよ
いつまで経っても弱いままの
声で名前を叫んでる
開かないドアの前で立つ
強がった意思表示の目は
いつもより黒く鈍くて
片方を隠して笑った
どの風景にも君はいない...悲しいゲームの続きが終わらない
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「アノマロカリスの憂鬱」
夢の中の壊れた扉
その前で始まる藍色の寸劇
点滅する蛍光灯
魂のレビューと愛の讃歌響く
悲しみに暮れたこの僕に
その手に隠したコデインをくれないか
みんな星座になったあの夜
終演の合図、虚ろな鼓動響く
止まない雨は無い...アノマロカリスの憂鬱
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「ヘイロー」
薄汚れた天使の羽を一つ手に取った
空の便箋にそっと隠して言葉を綴る
触れた夢が醒めたらまたモンマルトルへ
信じた偽物をまた壊して笑ったね
二人だけの世界みたいだねって
君は無邪気な夜の希望だった
その翼はまるで星の様で
白いスカートは欲望そのものだった
薄汚れた天使の言葉、とても儚げで...ヘイロー
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「ヴィヴィの為に」
僕はあのコードを鳴らし
その消える光に触れたかった
破滅についてあと数秒
君と歌い合って灰になる
触れ合った名も無き小指と
馴れ合った惨めな性器は
ヴィヴィの青い傷跡という
偶像を作って眠っていく
夢見心地 まるで死んだような...ヴィヴィの為に
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「よごれた世界、きれいな心臓」
君は天使の胃袋を食べて
その綺麗な心臓の血に変えた
美しい物しか知らない目が
汚い言葉で綴った映画を知る
好きな物を分け合う
千切れた心をあげる
君がお気に入りだった
あの台詞はもう無いよ
君は女神の心臓を食べて...よごれた世界、きれいな心臓
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「オピウムの還る海」
君は還る場所を探しながら
白んだ意識を虚無に溶かした
その香りが部屋に漂えば
僕らは空が壊れる夢を見る
煙草の灰の中から産まれた
傷跡だらけの天使は喋る
死んだらみんな澄んだ海へ還る
僕らはそれを信じてまた眠る
乾いたゴムを無造作に捨てる...オピウムの還る海
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「ままならないね」
昨日の白亜の教会で
澄みきった朝を祈ったその手
光をなぞるその指で
線を二つ空に描いた
壊れてしまいそうな腕で
明日を受け入れる抱擁を
光に浸すその指で
這わす傷跡に寵愛を
いつか見たあの姿は...ままならないね
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「継ぎ接ぎの命を与えられて」
寝室で一人ぼっちなのは幽霊
いつまでも恋人を待ち続けている
砕けたピルを飲んだアンドロイド
錆びついたメモリーは昨日を忘れた
猫背の白い背中を丸め
浴槽に身体を埋めている
僕は君に嘘を吐き尽くす
君は僕に儚げに笑った
リビングに伏せたモノクロの俳優...継ぎ接ぎの命を与えられて
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「僕らは標本室の夢を観る」
シベリアの森に広がる砂漠
あの少年が遺した歌
水の枯れた海で溺れた月
鳥達が泳ぐ夢を見る
懺悔をする痩せた野良猫の絵
煙草を吸うブリキの人魚
初夏の夢に降る綺羅星の雪
ナミクアに流れる魂
踵の潰れたスニーカーを履きながら...僕らは標本室の夢を観る
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「天使とコインランドリー」
昨日死にたかった僕が廻って
明日はきっと苦も無く生きている
見慣れた朝陽がそっとこの部屋に
閉め切ったカーテンを透かして満ちる
命の選択をしたい
新しい自分を見たい
命の洗濯をしたい
新しい自分はいない
時計の中に閉じ込められては...天使とコインランドリー
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「ノエル、泡沫の窓」
いつからか純粋な
心なんて忘れていた
信じたもの全てを
壊しては掻き集めていた
笑える様になって 鏡の中で泣いていた
あの夜の誓いが こんなにも胸を締め付ける
苦しみだけがいつも
心で煩く燻った
美しく見えるもの...ノエル、泡沫の窓
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「North Marine Dive」
バックシートに愛を積んで
悲しみの無い街へ行こうよ
明日の天気は晴れだって
そんな夢を見て嬉しくなった
繋がらなくなった指は
いつか遠くへ行ってしまうんだ
海岸沿いを走って
美しい波を見た
君が可愛く笑って...North Marine Dive
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「ヴァンデミエールの心臓」
君のその腕はとても華奢で
触れれば骨の様に冷たく
君のその髪はとても可憐で
飛べない翼と絡み光る
君が亡くしたものは
僕の中で生きている
君の口 その指
君の髪 足りなくて
完璧さ しゃべらないで...ヴァンデミエールの心臓
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「かつて惑星だったきらめきは」
君が名前をつけた星が
昨日きらめきになった
君が名前をつけた世界
永遠に朝が来ない
君が名前をつけた星が
明日生まれるらしい
君が名前をつけた僕は
星になりたかったんだ
ブリキの翼で空は飛べないって...かつて惑星だったきらめきは
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「君は天使に憧れて」
娼婦の最後の朝食
透明な瓶に詰めた海
樹海のガス室の僕ら
壊れた夢の中ですれ違う
鍵盤に溶けた錠剤
朽ち果てた秘密基地の絵
戒厳令下のガス室で
二人終わらない約束をした
螺旋階段を登った君が...君は天使に憧れて