タグ「感動」のついた投稿作品一覧(27)
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はじめに読んで下さるとより一層楽しめると思います。
本作品の特徴
本作品は全ボーカロイドが登場し、さらにボーカロイドにゆかりの深いキーワードが多数登場します。
各有名Pも色んな所で登場するので、それを楽しみに読んでいくのも面白いと思います。
物語の舞台は月の国と呼ばれる夜しかない国、常に月が空で輝い...紅のいかずち ~まずはじめに読んでもらえると、より楽しめますよ~
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イラスト募集について
イラストは基本的に自由です。気に入ってくれた場面を描いてくださってもいいですし
人物の立ち絵でもいいです。紅のいかずちのタイトルロゴなんかでもいいです。
各人物ごとの基本モデルは決まってますが、衣装は基本的には自由です。
下記に挙げるポイントくらいを押えてくれるといいと思います...紅のいかずち イラストを描いてくれる人は読んでね
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24.そして未来へ
体にわずかな痛みが走る。その痛みに導かれ、シンデレラは目を覚ました。
まだはっきりしない意識のなか感じるわずかな痛みが彼女をより覚醒へと導く。
ある一線を越えた所でシンデレラの覚醒度は急激に上昇する。
「クミ!!」
最愛の友の名を呼びながら、横たわっていた上体を自ら起こす。
腹...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第24話 そして未来へ
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23.響き渡る歌のなかで
「……あのさ、クミ」
場の和やかな空気を切り裂くように、静かなトーンで語り出した。
「私たちの今回の目的地までの道、わかる?」
「もちろん、わかってるよ。もしかして道わからなくなったの? 仕方ないな~」
クミは場の空気の変化についてこれず、明るいトーンのまま返事をした。
「...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第23話 響き渡る歌のなかで
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22.全てのはじまり(後編)
天を覆い尽くさんばかりの巨大な一体のライジュウ。
月もその巨体で隠れてしまって見えない。
「おまえが最後だな。いよいよ本気だしてみよっかな」
間髪入れず、シンデレラが山のようにそびえ立つ巨大な獣に斬りかかる。
「うそ……」
今まで何千、何万とライジュウを倒して来た刀の...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第22話 全てのはじまり(後編)
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21.全てのはじまり(前編)
――しまった!!
慌ててテントの外へ飛び出し、辺りの様子を確認する。
360°赤い点がいたる所で鋭い光を放っている。
テントを中心に見わたす限りに数えきれないライジュウが取り囲んでしまっている。
小型のものから、超大型のやつまで。
「おいおい、これから世界大戦でも始まる...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第21話 全てのはじまり(前編)
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20.親愛なる友へ
クミと出会ってから一年、私とクミは色んな所を旅して回った。
最初はクミも初めて見るものに戸惑っていたけれど、
しばらく旅をしている間に世界にも慣れてきたようだ。
もちろん旅の目的は忘れてはいない。
私は旅で訪れた場所で色んな不安を取り去るために人々に手助けをした。
大体は簡単な...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第20話 親愛なる友へ
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19.まだまだだな
「クミ、あんたちょっと汚れてないか? 服もボロボロだし」
「そうか? 一応毎日水浴びはしていたのだけど」
シンデレラとクミは宿の一室でなにやら問答している。
ここは二人が森を出発してから初めて立ち寄ったの町の宿屋である。
「ちょっと、こっちにおいで」
素直に近づいてきたクミの着て...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第19話 まだまだだな
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18.長き話(ストーリ)の後で
シンデレラが自分の過去の話、外の世界の話を長々と話した後――
彼女の膝下で一人の少女がすやすやと寝息を立てて眠っている。
「無理もないか、あんなことがあったんだもんね……」
――どれだけ気丈に振る舞っても、やっぱり怖かったんだな。
それにしてもここの遺跡の人たちは、...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第18話 長き話(ストーリ)の後で
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17.目が覚めて
薄暗く湿気の多い所で少女は目を覚ました。
まだ、はっきりとしない意識の中で、左ほほに温もりを感じた。
やがて意識がはっきりしてくる中で、自分が横になって寝ていることに気がついた。
左ほほに感じていたのは、だれかのひざの温もりだ。
安心感に包まれるようなあたたかな温もり。
さっきま...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第17話 目が覚めて
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16.脱出
そこにはふるふると怯えている少女の姿があった。
シンデレラの予想なら、そこには真っ黒なモノが転がっているはずであった。
「ご ごめんよ」
小動物のように怯えている少女を見て、ついシンデレラは謝ってしまった。
「なんともないの? 体……大丈夫?」
怯える少女に対して、めいっぱい優しく質問...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第16話 脱出
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15.背中
「はあ、はあ、はあ」
少女はただただ、走り続けた。生涯で初めて感じる恐怖と共に。
やがて、少女は行き止まりにぶつかってしまった。
今度は、都合よく壁が開いて安全な部屋が現れることはない。
少女はもう走れなかった。廊下の隅で身を縮め、震えることしかできなかった。
そうして、見つからずに全て...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第15話 背中
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14.壊れゆく小さな世界
シンデレラはあてのない一人旅を続けていた。
旅先の町にいるチンピラをこらしめたり、悪徳商人をこらしめたり。
そんな旅も始めてから数年が経ったある日のことだった。
今日も町から町へ、果てしなく続く荒野を自慢の二輪車で疾走していた。
「ふふふーん♪ さて、次の町はどんなとこか...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第14話 壊れゆく小さな世界
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13.止まらない戦争
私たちのギルドにもある変化が起こっていた。
テレパス君がなくても融解することなく、自身を保っていられる人間がギルドを訪ねてきた。
しかも、二人――。
それはつまり、私たち双子と同じ存在がまだいたってことだ。
やはり彼らも同様に独自の色を放つ雷をまとっていた。
青い雷をまとって...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第13話 止まらない戦争
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12.宣言
メルト症候群を救う方法を開発したとして、私は月の国の首都へ招待された。
国はこの装置を全患者分ほど製造することを約束してくれた。
私は全国民に向けての会見に出席することになった。
その場で、私は国王から賛辞の言葉と多大な報奨金をいただいた。
その後、全国民に向けてのスピーチが用意された...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第12話 宣言
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11.思いを馳せて
あの決意の日からはや五十年が経ったのか…… 今思うとあっという間だった気がするな。
私たちはあれから国中を旅しながら、たくさんのメルト症候群の患者を診たんだ。
でも、まるで治療法は見つからない。それどころか原因すら見当もつかなかった。
あの頃の私たちはいつも自分たちの無力さにい...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第11話 思いを馳せて
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10.送り火の前の決意
「あの、トラボルタさん」
「なんだい、あらたまって」
突然の言葉にトラボルタは少し驚いた様子で答えた。
「私をあなたの旅に同行させてくれませんか?」
予想だにしなかった提案に対して困惑した様子で質問に質問で返答した。
「いや……でも、弟を探しに行かなくていいのかい?」
「はい...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第10話 送り火の前の決意
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9.悲劇の地にて
「着いたよ。本当に大丈夫かい?」
すでに村のほとりまで来ていた車内でトラボルタは心配そうに尋ねた。
「はい、もう落ち着いてますから、大丈夫です」
健気にも少女はそう答えた。
もうあれから何日も経ったはずなのに、村の様子はあの時と何一つ変わってない。
壊れた建物、崩れた瓦礫、ただ火は...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第9話 悲劇の地にて
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8.車の中で
数日後、少女の体は奇跡的な回復を遂げていた。
もちろん、トラボルタの献身的な治療もそれに寄与している。
シンデレラは頭は悪くない。
体も治らないまま弟を追いかけるのは建設的ではないと理解していた。
しかし、追いかけること自体をあきらめたわけではなかった。
同時に今から慌てて闇雲に探し...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第8話 車の中で
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7.突然の別れ
月のせいではなく少年の体はわずかに発光しているようだった。
少年は私の方をゆっくり向いた。
私は先の光景を思い出し、恐怖を感じ、立ちすくんでいた。
「ありがとう……」
意外な少年の一言に私は戸惑った。
言葉の出ない私に少年は続けた。
「俺は大丈夫だから…… 姉ちゃんのこと 頼みます...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第7話 突然の別れ
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6.あの時何が起こったか ~トラボルタ視点~
今日は二人が倒れていたあの丘の近くで私はキャンプを張っていた。
急にまばゆい閃光と共に爆発音が聞こえ、現場の近くまで行ってみた。
そこはまさに地獄絵図だった。黒い雷を放つ人らしきモノが多くの異国の兵士を惨殺していた。
いや、正確にはそのモノは何もしては...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第6話 あの時何が起こったか ~トラボルタ視点~
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5.夢の中で
丘を覆っていた黒い渦は霧散した。辺りは大量の砂が舞っている。
丘の頂上、力なく横たわる弟の胸を両手で何度も強く押しこむシンデレラがいた。
「ロミオ ロミオ 戻ってきて 息をして」
何度か繰り返し、胸に耳を当てるが生命の鼓動は聞き取れない。
「どうしてよ どうしてよ…… 私の呼んだ本じ...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第5話 夢の中で
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4.黒い渦の中で
やがて荒野に大きな爆発音が響きわたる。その音の方角がやたらまぶしく光っている。
シンデレラがそこに着いた時には、事のほとんどが終わっていた。
けむり、におい、村が襲われたときに状況は似ていたが、その規模は比にならない。
惨劇、その中心に弟がいることは明白だった。
「ロミオ……」
...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第4話 黒い渦の中で
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3.幸せの終焉
森の野鳥たちがにわかに騒ぎ出した。
やがて遠くの方から、地を揺らすような低い地鳴り音が聞こえてきた。
その音はどんどんこちらに近づいてくるのがわかる。
森の木々の隙間からその音の正体が確認できた。
たくさんの動物たちだ。種類を問わず色々な種類の動物たちがこちらに駆けてくる。
シンデ...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第3話 幸せの終焉
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2.聖母の光
しかし、母親の対応は意外なものだった。
優しく二人の小さな体を抱きしめ、優しく微笑みかけた。
あれだけ泣いていた赤ん坊がふいに泣き止み、天使のような笑顔を母親に見せかえす。
「大丈夫ですよ この子たちは きっと」
驚いた表情をする老人に聖母はそう答えた。
「しかし、これは、そんな精神...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第2話 聖母の光
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1.二色の産声
「おぎゃー、おぎゃー」
「ふぎゃー、ふぎゃー」
月の国のある辺境の村 ここで二つの命が同時に産み落とされた。
「ふー、ようやく赤ちゃんが生まれましたよ……うっ しかし これは……」
産婆は表情を凍りつかせた。
―2087年 惑星地球をかつてない厄災が襲った。
60億人いた人類はこの厄...紅のいかずち Ep0 ~シンデレラストーリ~ 第1話 二色の産声
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1)さよならの時が 来ることぐらい 私も わかっていたんだ
だって 君が見せてくれた未来に 君の姿はなかったから…
私もう 決めたんだ 君が心配しないで 帰れるように
毎日 宿題もするし きっと テストもがんばるし…
だから もう心配ないから
君が導いてくれた あの未来まで
私は 一人で...「ひきだし」