【がくルカ】memory【11】
投稿日:2022/01/10 01:53:28 | 文字数:2,107文字 | 閲覧数:1,463 | カテゴリ:小説
2012/06/11 投稿
「称号」
合宿編です!
内容をそこそこ改稿しました!歌うシーンは全カットです!勢い大事!
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ここで何が起こる?
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「うおー、すげえ!」
クラスメイトである鏡音君――鏡音はこのクラスに二人いるので、レン君でいいだろう――が、窓を開けて叫んでいた。はっきり言うと、うるさい。でも、このバスの窓から見る景色は、本当に素晴らしいのだ。
山の新鮮な空気はとてもおいしい。景色については、下のほうに見える街がとても小さく見える。そして、山の緑色が深い。
「空気がうめえ!」
レン君は、テンションが上がっている。だから気づかなかったのだろうか。少しずつ、黒い影が近づいていることに。
「ここでしばらく過ごせるとか最高だよな、リ――」
「やかましい! 静かにしろ!」
「いってえ!」
レン君は、本の角で殴られた。はい、殴ったのは毎度おなじみ神威先生です。
『白い鉄槌・チョークアタック五連撃(対やかましい子用)』(名づけたのは学園長だったような気がする)の発射はさすがに車内では無理らしい。まあ揺れる車内でコントロール調整とかいろいろあるよね。あと学校以外でチョークを持ち歩いている人はどうかと思う。
「あのさ、目の前で叫ばれる身にもなりなさい。そして優等生のルカさんを見習いなさい」
もう一人の鏡音である鏡音リンさんは、頭を抱えていた。双子なのにこんなに(中身に)差があるとは。とはいえ、うちの高校に合格するくらいだから、レン君も本気を出せば凄いんだけどね。っていうかリンさん、私は優等生じゃないよ?
『近くで寝てるヤツはいないか? いたら起こしてやれ』
神威先生がマイクで呼びかける。
目的地まで、残り十キロメートル。その間、何故か皆で楽しめることをしようということになったので(学園長の提案)、寝ている人は起きなくてはならないのだ。あと十キロってすぐじゃん、どうせならそのまま寝かせてあげなよ。
私は、隣で眠っているグミちゃんを起こす。うん、起きない。
「先生、グミちゃんが起きません」
『はいよ』
そう言うと、先生はマイクを置いてこちらへ歩く。そして私の隣の席に座って寝ているグミちゃんの横に立って。
「ていやっ」
「うーん……魔王ごときがえらそうに……みんながくれたアイスの力、今ここでくらうがあああっ!?」
チョップをかましました。グミちゃん覚醒。っていうか、何今の寝言。絶対起きてたって言った方が自然なくらい長い寝言だったよ?
「おはよう。いい夢は見れたか?」
「魔王に『おのれ! 最後の砂糖をお前に奪われるとは……! またしても、セールで勝ち取ることができなかったか! 次こそはお前に勝ってやるからな、覚えてろよ! 夜道には気をつけるんだな!』とか言って去っていく勇者の夢を見てました……」
「待て。その設定だとさっきのセリフに合わんぞ」
何その夢。どう考えても勇者が悪役だよね。っていうか負け犬?
『これで全員起きたな。さて、目的地に着くまで、何かやりたいことはあるか?』
再びマイクを手にした神威先生が問いかける。
「歌う、とかはどうですか?」
「今、ここに『Singer』の称号持ってる人が歌うとか」
うちの学校では、あるテストを一回だけ受け、合格と認定された人に与えられる称号がある。そのうちの一つが、『Singer』。『Singer』の称号を持つ者は、生徒に限らず教師にもいたりするとか。
「確かこのクラスだと、鏡音リンさんレン君は持ってたよね」
「咲音さんも持ってたはず」
「緑川さんもそうだよね」
「ルカさんも持ってたよ」
リンさん、レン君、メイコは去年の時点で称号『Singer』を取得していた。リンさんとレン君には二つ名っぽいのがついてるとかついてないとか。グミちゃんは、復学してまだ二ヶ月しか経っていないのに、もう称号を取得している。やっぱりすごいよね。
そして、何故か私も持っている。あんまり知られてないけど。なんで取ったのかは私もよく覚えていない。まあその場のノリとか、いろいろあったんだろう。
「このクラスに五人か。すごいな」
「じゃあ『Singer』の称号持ってる人、順番に歌ってー」
『勝手に決められてる……もうそれでいいよ……』
「神威先生も持ってるって、私は聞いたけどなー」
『何故知ってる』
「おおっと、編集者たるものソースは秘密でーす」
『お前別に編集者ではないだろ』
神威先生も持ってたんだ。初めて知った。っていうか、リンさんはどこでそんな情報を仕入れてきたんだろう。
『じゃあ適当に、リンとレン。……と思ったが、お前ら、十キロは正直あっという間だよ。ほら、もう着くからこれまでの話はなかったことにしよう』
「えー」
「めっちゃ構えたのに肩透かしじゃーん」
「なんか損した気分する。どうせだから、オレたち以外にも歌ってほしかった。巻き込みたかった」
『そもそも、歌の企画をやるなら出発直後からやるべきなんじゃないか?』
主に鏡音ーズから、すごいブーイングだ。どうせだから神威先生の歌を聞きたかったけど、仕方ないか。
まもなく、バスは到着する。高校から遠く離れた地、自然に溢れた山に存在する、キャンプ場へ。
作品へのコメント1
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ご意見・感想
リンレンキタアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
そして登場早々殴られるレン君ドンマイwww
本の角で殴られるのっていたいよね。私はもっと硬い出席簿の角で殴られたことがありますwww
ところでゆかり学園長、あなたネーミングセンス皆無だなwww冥界の主の次に皆無だなwww
グミちゃんあんたいったいどんな夢見てるのさ!!?www勇者が悪役ってそれはアリなのか。
あ、うろたんだーは基本そんな感じかwww
にしてもつくづく面白い学校だなwww欲しいよ『Singer』の称号。歌なら自信あるよ?高校三年男児のくせして基本的に歌うのは超高音の悪ノ娘だぜ!!(誰も聞いてない
今日わかったこと。がっくんは攻撃方法が多彩。学園長はハチャメチャ。グミちゃんは脳内構造摩訶不思議。レンはドンマイ。リンは地味にデータバンク。
結論。この学園はいろいろどうかしているwww2012/06/11 23:29:17 From Turndog~ターンドッグ~
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コメントのお返し
レンは不純な子←
出席簿…!それは痛さが半端ない…
wwwww
グミちゃんの夢は30%の確率で変な夢ですw
勇者が悪役ってどう考えても変ですよね!←
この学園は学園長がアレなので、世間一般と大分ズレてるんですよ。まぁ私が高校をよく知らないから、というのが大きな理由なんですがw((ggrks
がっくんの攻撃は、いつ何がくるかわからないのです!!←
ゆかりさんのキャラが大体わかったかとw
グミちゃんは、しっかりすれば凄くいい子です。
レンは…本気を出せる日がくるといいねー(棒
リンは常に情報収集をかかさないので。そして地獄耳。あとは、記憶力が凄くいいんです。
よく気づきましたね!((←
いつか設定出すので、詳しいことはそちらで。2012/06/12 01:34:11
ゆるりー
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【がくルカ】memory【21】
ねぇ、信じてもいい?
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「――ッ」
ちょっと待ってよ、嘘でしょ? こんなの、理解できないよ。だって、だって。こんなの、台本にはなかったはずで。
突然、天井から、何かが落ちてきた。あれは何? 何か黒くて硬い物。もし当たれば、絶対に怪我をする。擦り傷とか切り傷とか、そういう軽いものじゃないことは理解できる。
【がくルカ】memory【21】
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【がくルカ】memory【9】
その理由を教えて
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見てしまった。
彼女が彼に何かを叫び、彼は逃げ出した。その際、彼の表情は恐怖を宿していたことを。彼が苦しそうに、左胸を押さえていたことを。
その瞬間、自分は悟ってしまった。彼は、何かを思い出した。
【がくルカ】memory【9】
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【がくルカ】memory【7】
あなたにとって、彼女はどんな存在?
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「―――といって、ここは……」
二-Bの教室に響くのは、神威先生の声、チョーク、シャーペンを動かす音。いたって普通の光景だ。
私のノートは、言葉で埋め尽くされて真っ黒だ。他の教科とかもそうだけど、日本史とこの古文だけは、ノートを解読するのに時間がかかるほどに、真っ黒だった。
【がくルカ】memory【7】
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【がくルカ】memory【6】
この気持ちの正体は?
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「ルッカーーー!」
メイコが私めがけて走ってくる。私は危険を察知し、陸上選手の日本記録ぐらいはあろうメイコの突進(体感)を回避するために、真横にずれる。
そしてスピードを落としたメイコの手が、空を切る瞬間。
【がくルカ】memory【6】
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【がくルカ】memory【12】
どういうこと?
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「……で、どうしてこうなった」
バスから降りて最初に見たのは、初音先生が転んでいる光景だった。別に初音先生がよく転ぶのはいつものことなのだが、右足の靴が無くなっている。どういう転び方をしたんだろう。
「どうしたんですか、初音先生」
【がくルカ】memory【12】
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【がくルカ】memory【2】
ほら、やっぱりそうなんでしょ?
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しばらく沈黙が続いていた。私は頭が痛かったり腕が痛かったりで喋るのは辛いし。神威先生はというと、なぜか表情が曇っていた。それは、この前からだろうか。それと共に、私は……。
その沈黙を破り、私は一つの疑問を口にした。
「どうして……」
【がくルカ】memory【2】
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【がくルカ】memory【20】
結末はどうなるの?
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「さあ今日も頑張ろう!」
初音先生がにこやかな笑顔で告げる。対するメンバーは、皆微妙な顔をしていた。
今日は学園祭二日目、最終日である。昨日はライブだったが、今日は演劇である。ずっとステージにいる気がするけど、私に休みはないのか?
【がくルカ】memory【20】
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【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
……今宵の犠牲者は誰だろう?
わからない。それは富豪の誰かであるということ以外は。
さぁ、わけのわからない言葉を発する太った豚にナイフを突き立てて。
黒から、赤へ─────
【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
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【がくルカ】memory【3】
これは『罪』なのだろうか?
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巡音はまだ体調が良くないので、今日は休むようだ。なんとなく、咲音が寂しそうだった。
休み時間、俺が一-Aの教室から出た時、誰かに腕を掴まれた。恐る恐る振り返ると、そこには咲音。
「な、なんだ?」
【がくルカ】memory【3】
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【がくルカ】memory【18】
非日常は、案外すぐ傍に
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「すまない、迷惑をかけた」
学園長が失踪してから十日経ったある日。失踪した本人である学園長は、突然帰ってきた。現在は学園長室にいる。
「何も言わずに、十日間もどこに行ってたんですか!」
【がくルカ】memory【18】
のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。
IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。
全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。