【がくルカ】memory【6】
投稿日:2022/01/10 01:30:20 | 文字数:2,333文字 | 閲覧数:3,035 | カテゴリ:小説
2012/04/23 投稿
「波乱」
グミちゃんのくだりを中心に改稿しました。
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この気持ちの正体は?
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「ルッカーーー!」
メイコが私めがけて走ってくる。私は危険を察知し、陸上選手の日本記録ぐらいはあろうメイコの突進(体感)を回避するために、真横にずれる。
そしてスピードを落としたメイコの手が、空を切る瞬間。
「え」
メイコの制服の襟を掴んで、私から見て右に思いっきりぶん投げた。
「ぎゃふっ」
「ふう」
メイコは壁に激突。はじめてメイコに勝った。
「いてて……ルカ、何するの……」
「危険を察知したから、真横に放り投げただけなんだけど」
「それがもう凄いわ。当たりどころが悪かったら怪我してるから、私も凄いわ」
でもメイコってピンピンしてるよね。私、けっこう全力で投げたのに、メイコはかすり傷すらない。いや傷つけていたらシャレにならないから、メイコの頑丈さに感謝するべきだろう。良い子は決して真似をしないでね。
「あと、ルカって後ろから近づいても、気配を察知して避けるよね」
「私をなめちゃダメだよ! ふふん、私を後ろから驚かすなんて、まだ百年は早――」
「朝から元気だなお前ら。何やってんだよ」
「わぁっ!?」
真後ろから神威先生登場。どうも、この人の気配だけは察知できない。
「いやー、フラグの回収があまりにも早いね。ルカも、先生には負けるんだ」
「せ、先生」
「よう巡音。おはよう」
先生は手に何かを持って登場。
「って、先生何食べてるんですか」
「昼飯用に持ってきた食パンだけど」
何故!? 変だなあ、まだ登校して間もないくらいには朝早い時間なのに。
「なんでもうお昼ごはん食べてるんですか!? お昼どうするんですか!」
「腹がへったから。まだいろいろ持ってきてるし、足りなかったら購買行くからいいし」
まだあるの!? っていうか、先生も購買に行っちゃうの!?
「……教師って、購買に行っていいんですか?」
「え? 普通に買いに行ってるぞ。学園長とか、メロンパンを買うために営業五分前から並ぶこともあるぞ」
学校のトップである学園長が行っているのなら、確かに他の先生も買いに行ってはいけないなんて理由はないだろう。だけど私、先生たちが購買にいるの、見たことがないんだけどなあ。
「購買のおすすめのパンとかありますかね?」
「知らん」
「えぇー……」
普通に買いに行ってるのに、なんでおすすめのパンとかないの? それとも彼が興味がなさすぎて認識していないだけなのだろうか。
「それよりも、さっさと自分のクラスに入れ。もうそろそろホームルーム始まるから。二人とも二-Bだったな」
「「はい」」
「じゃあな」
私とメイコは、教室に入った。
*
「えー今年からこの学校に入った人が、このクラスに来ます」
とりあえず、今年の担任の先生は適当すぎる。もっと情報を整理してから話してよ。
「高校なのに転校生ですかー?」
クラスメイトの誰かがそう言った。すると。
「詳しいことはちょっと待って。はい入場ー」
本当に適当すぎるなこの人。こんなのが教師でいいのかな? よくないね。
そしてガラガラと扉を開けて出てきたのは、緑髪の女の子。
「はじめまして。今日からこの学校で勉強することになった、緑川グミです。気軽に話しかけてくださいね」
女の子は笑顔で言った。次の瞬間、予想外の言葉が飛んできた。
「えーっと、中学三年生のころ、ずっと入院してて、退院してからも去年は休学してたので、体感的には一年生みたいなものです。なので、まだいろいろとわからないことがあるので、皆さんに教えていただきたいです」
女の子――緑川さんがぺこりと頭を下げる。その瞬間、教室に叫び声が響きわたった。
「感覚的にはやっぱり転校生!」
「休学してても進学できたってことは、中三と高一の二年分ほとんど家の勉強で補ったってこと!?」
「この子、どれだけ凄いの!?」
私も驚いているが、皆が驚くのも無理はない。なぜなら、この高校は地元でもレベルの高い高校で、入るのは難しい。
そして転校でこの高校に入る人なんて、そう滅多にいない。いや、この子は実際は転校生ではないのだから、その条件には入らないのだけど。
二年分まとめて家で勉強し、無事に二年に進級。出席日数をどうクリアしたのかは謎だけど。
ということは、この子はかなり頭がいいことになる。
「あのー……とりあえず、よろしくお願いします」
*
数日後。授業初日の放課後。
「半年ぶりの補習……」
「また体調崩したのか?」
「はい。しかも、よりによって苦手分野の古文だなんて……」
「……国語、得意って言ってなかったか?」
「現代国語だけで、古文とか日本史は苦手なんです……」
国語より英語のほうが得意。私は本当に日本人?
その時、突如ケータイが鳴った。私はマナーモードにしているので音が鳴ることはない。
「あ、電話だ」
「今は一応仕事中ですよね?」
「誰だよ、俺が仕事中ってわかってて電話かけてくるヤツは」
先生は携帯の表示を見て、目の色を変えた。
「ちょっと行ってくる」
そうして彼は廊下に行って、扉を閉めた。窓とかもきっちり閉まっている。寒いからね。それでも、うっかり聞き耳を立ててしまう。
「……だから、仕事中にかけてくんなって、何度言ったらわかるんだよ?」
『だって……』
「だって、じゃない」
あれ? 説教の雰囲気? よし真面目に勉強しよう。聞かない聞かない。
……真面目に勉強するって決めたのに。聞かないって決めたのに。どうしても私の手は、シャーペンを置いてしまう。
締め切った扉の向こうから、楽しそうな先生の声が聞こえたから。
作品へのコメント3
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ご意見・感想
大罪ギャグの眠らせ姫を読み返しててつい言いたくなったのでwww
(Turndogは地獄の方向に向かって思い切り息を吸い込んでいます)
アレ―――――ン!!めーちゃんは50mを1.85秒で走れるぞ!!負けるなアレ―――――ン!!!(大声)
足のしもやけはgiftで大変なことになってるかもしれんがそれがいいスパイスになってよく走れるはずだ!!(大声)
大変な人生を送った君ならめーちゃんを超えられるはずだ!!
負けるなアレ――――――――――――――――――――――――――ン!!!!!!
ふう、すっきり☆
お邪魔しました~www2012/05/30 23:13:54 From Turndog~ターンドッグ~
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コメントのお返し
なぜ地獄ww
アレン聞いてるか――!?
足がやばいことになって今歩けないとか!!
超えれないって言ってます!!
memory関係ねえwwwww2012/05/31 23:16:37
ゆるりー
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ご意見・感想
ルカさんがあのメイコさんに勝ったww
それでもメイコさんかすり傷ナシとは・・・・・・凄いぞw人類の兵器として扱えるのでは?www
っていうか電話の相手・・・・・・誰ですか!?
めっちゃ波乱の予感がッ!・・・・・・それでがっくんのお袋だったらウケるけどw←
ブクマはいただいた!
ハーハッハッh(銃(心臓命中!(幽体離脱~2012/04/24 22:22:18 From 雪りんご*イン率低下
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コメントのお返し
凄いぜルカさん!
凄いぜめーちゃん!
「めーちゃん、ターミ○ーターと戦ってきて」
「了解!…へ?」
電話の相手…今は言えないw
波乱…なのかはわかんないw
おぉー…凄くいい線いってる!でも…惜しいかどうかは今は言わない(((((ズサー!
りんごのブクマ報告が毎回面白いw2012/04/25 01:06:09
ゆるりー
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ご意見・感想
待った待った!!秒速27mって50m走で1.85秒で走れるスピードだぞ!?
ウサイン・ボルト形無しだからwww
しかもそれを投げるなよルカさん!!どうせ投げるならおれを投げt(ry
グミちゃん頭よすぎだっwww
ちょっと脳みそ貸してよせめて受験の時だけでもいいからねえお願いやばいんだよもう助けてy(ry
電話の中身気になるが―――予想はつかんでもない自分が憎いっ。2012/04/24 20:21:48 From Turndog~ターンドッグ~
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コメントのお返し
めーちゃんですからっ!ww←
「ルカさーん、ターンドッグさんが投げてほしいって言ってるよー?」
「もう無理です」
その理由はー…って、危ない言うところだったw
本当にうらやましい…と言いたいところですが…次回のグミちゃんは!!なんt「ニ?ッコニッコどーうが♪」あ、時報だ(((
電話の内容は!!皆さんわかっているはず!!((2012/04/25 00:58:47
ゆるりー
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【がくルカ】memory【21】
ねぇ、信じてもいい?
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「――ッ」
ちょっと待ってよ、嘘でしょ? こんなの、理解できないよ。だって、だって。こんなの、台本にはなかったはずで。
突然、天井から、何かが落ちてきた。あれは何? 何か黒くて硬い物。もし当たれば、絶対に怪我をする。擦り傷とか切り傷とか、そういう軽いものじゃないことは理解できる。
【がくルカ】memory【21】
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【がくルカ】memory【9】
その理由を教えて
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見てしまった。
彼女が彼に何かを叫び、彼は逃げ出した。その際、彼の表情は恐怖を宿していたことを。彼が苦しそうに、左胸を押さえていたことを。
その瞬間、自分は悟ってしまった。彼は、何かを思い出した。
【がくルカ】memory【9】
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【がくルカ】memory【7】
あなたにとって、彼女はどんな存在?
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「―――といって、ここは……」
二-Bの教室に響くのは、神威先生の声、チョーク、シャーペンを動かす音。いたって普通の光景だ。
私のノートは、言葉で埋め尽くされて真っ黒だ。他の教科とかもそうだけど、日本史とこの古文だけは、ノートを解読するのに時間がかかるほどに、真っ黒だった。
【がくルカ】memory【7】
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【がくルカ】memory【11】
ここで何が起こる?
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「うおー、すげえ!」
クラスメイトである鏡音君――鏡音はこのクラスに二人いるので、レン君でいいだろう――が、窓を開けて叫んでいた。はっきり言うと、うるさい。でも、このバスの窓から見る景色は、本当に素晴らしいのだ。
山の新鮮な空気はとてもおいしい。景色については、下のほうに見える街がとても小さく見える。そして、山の緑色が深い。
【がくルカ】memory【11】
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【がくルカ】memory【12】
どういうこと?
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「……で、どうしてこうなった」
バスから降りて最初に見たのは、初音先生が転んでいる光景だった。別に初音先生がよく転ぶのはいつものことなのだが、右足の靴が無くなっている。どういう転び方をしたんだろう。
「どうしたんですか、初音先生」
【がくルカ】memory【12】
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【がくルカ】memory【2】
ほら、やっぱりそうなんでしょ?
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しばらく沈黙が続いていた。私は頭が痛かったり腕が痛かったりで喋るのは辛いし。神威先生はというと、なぜか表情が曇っていた。それは、この前からだろうか。それと共に、私は……。
その沈黙を破り、私は一つの疑問を口にした。
「どうして……」
【がくルカ】memory【2】
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【がくルカ】memory【20】
結末はどうなるの?
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「さあ今日も頑張ろう!」
初音先生がにこやかな笑顔で告げる。対するメンバーは、皆微妙な顔をしていた。
今日は学園祭二日目、最終日である。昨日はライブだったが、今日は演劇である。ずっとステージにいる気がするけど、私に休みはないのか?
【がくルカ】memory【20】
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【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
……今宵の犠牲者は誰だろう?
わからない。それは富豪の誰かであるということ以外は。
さぁ、わけのわからない言葉を発する太った豚にナイフを突き立てて。
黒から、赤へ─────
【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
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【がくルカ】memory【3】
これは『罪』なのだろうか?
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巡音はまだ体調が良くないので、今日は休むようだ。なんとなく、咲音が寂しそうだった。
休み時間、俺が一-Aの教室から出た時、誰かに腕を掴まれた。恐る恐る振り返ると、そこには咲音。
「な、なんだ?」
【がくルカ】memory【3】
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【がくルカ】memory【18】
非日常は、案外すぐ傍に
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「すまない、迷惑をかけた」
学園長が失踪してから十日経ったある日。失踪した本人である学園長は、突然帰ってきた。現在は学園長室にいる。
「何も言わずに、十日間もどこに行ってたんですか!」
【がくルカ】memory【18】
のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。
IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。
全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。