【がくルカ】memory【7】
投稿日:2022/01/10 01:36:21 | 文字数:2,119文字 | 閲覧数:2,373 | カテゴリ:小説
2012/04/27 投稿
「事件」
改稿しましたが内容はあまり変わってません。
前:memory6 https://piapro.jp/t/KOri
次:memory8 https://piapro.jp/t/eQFi
あなたにとって、彼女はどんな存在?
----------
「―――といって、ここは……」
二-Bの教室に響くのは、神威先生の声、チョーク、シャーペンを動かす音。いたって普通の光景だ。
私のノートは、言葉で埋め尽くされて真っ黒だ。他の教科とかもそうだけど、日本史とこの古文だけは、ノートを解読するのに時間がかかるほどに、真っ黒だった。
私は、日本史と古文が苦手で、いつも他の教科より点が低いのだ。得意科目の英語と比べたら、泣けてくるほどに。でも先生は「これ、本当に苦手、なの?」と驚いていた。やっぱり、私の頭が悪いから驚いていたんだね。
……あ、集中集中。
しばらくチョークの音が響いていたが、突然その音がやんだ。先生が、チョークを動かす手をとめたからだ。
「窓際の席の人は伏せてください。特に巡音はよけて」
先生はなぜかそう言った。皆、わけがわからないという顔をしている。メイコだけは何かを察したようで、顔が青ざめていた。なんでだろう。
その瞬間だった。
「わあっ!?」
突如、何かが私のほうに飛んできた。慌てて頭を伏せる。その直後に、真後ろで何かが砕け「ふがっ!?」た音がした。
なんだろう、凄く嫌な予感がする。恐る恐る後ろを振り向くと、そこには頭をおさえてうなっている緑川さんがいた。
「い、いい、い、いひゃ、い……いい………」
「寝るな、グミ」
緑川さんの机の上には、砕けた白い何かと、白い粉。神威先生は、こちらを真っ直ぐに見ていた。よく見ると、先生の左手から、先ほどまで握られていた、短いチョークが消えている。
つまり……先生は寝ていた緑川さんに、チョークを、投げつけた?
ゾンビみたいなうめき声を発している緑川さん。よけるのがあと少し遅れていたら、私の右目に……。考えただけで、恐ろしくなった。運動神経が思っていたよりも良くてよかった。
「けが人はいないか?」
「あたしが……すでにけが人、です……」
「いないな。まったく。グミ、放課後に第三会議室」
それだけ言って、先生は新しいチョークを手に取った。
「せんせぇ、これ、女の子に、やることじゃ、ない……」
「お前だから大丈夫。あ、寝ようものなら容赦なくチョークを投げるからな。次は黄色」
「あい……」
そして、先生は授業を再開した。しようとした。
なぜなら、突然教室の扉が開かれたからだ。そこに立っていたのは―――息切れしている、若い女性。制服を着ていないから、教師だろうと勝手に判断した。
「はぁ、はぁ……神威、先生……」
「とりあえず落ち着いてください。はい、吸って」
「スゥ~……」
長めの緑の髪をツインテールにした女性は、彼の言うとおりに大きく息を吸い――
「吐いて」
「ハ~……ス~……」
大きく息を吐き、また吸って――
「うぇ、げほげほっ」
むせた。なんでそこでむせたの。なんなのこの人。そもそも、こんな教師はいたっけ?
……あれ? この人、どこかで見覚えが……。
必死に頭をフル回転させる。でも、一件も脳内検索に引っかからなかった。
「で、どうされたんです?」
むせて咳き込んでいる女性を心配することなく、神威先生は冷静に問いかけた。
「え、えーっと……」
「もう! 廊下を思い切り走っちゃ駄目ですよ! 授業中なのに!」
クラスメイトの誰かが「うるせぇな」って呟いたような気がした。なぜなら、また新たな人物が乱入してきたからだ。でも、この人は皆知っている教師だった。
「し、始音先生……」
女性は、おどおどして始音先生を見た。
「始音先生、どうしました?」
「あぁ……授業中で悪いんですけど、これ」
神威先生は始音先生が差し出した紙を受け取り、中を開いて呟いた。
「これは……呼び出しの紙か」
「そう。学園長が、今教師を全員集めているんです」
「それ、放送の機材で伝えればよかったんじゃ?」
「昨日壊れたので、使えないんです」
「ああ……」
神威先生は腕時計と黒板を見たあと、チョークを置いた。
「丁度キリがいいところだな。えー、席を外すので、自習をしていてください」
「じゃあ行きますか」
「はい」
クラスの皆は、自習と聞いて、顔が嬉しそうだった。
「あ、グミは放課後第三会議室にか、な、ら、ず、来るように」
「は、はいぃっ!」
ただし、緑川さん以外は。
「えーっと……巡音。緑川がまた寝たら、起こしてやってくれ。そいつはすぐ寝るから」
「はい……」
いや、あんなことされたんだから、さすがにもう寝ないでしょ。まだ痛いみたいだし。
「ほら、いつまで突っ立ってるんですか。行きますよ?」
「は、はいぃっ」
「まったく。って、第一会議室はそっちじゃないです! 方角自体が間違っています!」
「だから授業中だから走らないでくださいって! 戻ってきてくださーい! カムバアァ―――ック!」
「す、すみませんっ」
「はぁ……ほらほら、こっちですよ。―――――初音先生」
三人は、教室を出て行った。
「なんだったの? 今の……」
「さぁ……」
メイコだけじゃなく、皆もそう思っているんじゃないんだろうか。
作品へのコメント2
ピアプロにログインして作品にコメントをしましょう!
新規登録|ログイン-
ご意見・感想
なwwwんwwwとwwwいwwwうベタなwwwwwチョークアタックとかマジでベタなwww
そして砕ける音が響くとかどんなスピードで激突したんd
神威先生「そこ!私語するな!!」
ふがっ!!ぐはぁっ!!(のけぞったところにもう一発食らいました)
ミクさんドジっ娘とか鼻血がぐはっ!!(変態
とはいっても深呼吸してむせるのはすごく難しいぞ!?意外とすごい子だったりして。
学園の名前ですか。
学校長ですか。
じゃあ自分は学園町の名前でも考えましょうか。
「怜央(れお)」…「露羅(ろら)」…「アン」…『清輝(きよてる)』…「友莉(ゆり)」…。
うーん…ビミョ!!しかも男女日外混合な名前だしwww全員ボーカロイドの名前からきてたりするのですがわかりますかね。
そして前回の予想が確実に間違っていると分かった自分。2012/04/29 15:32:19 From Turndog~ターンドッグ~
-
コメントのお返し
ベタですかwwそしてがっくんの戦闘術がまた増えた…投げナイフでしょモデルガンでしょ冥界式(ryでしょそんでもって今回はチョークアタックでしょ…
どれくらい速いんだろう…
あれうちのがっくんってそんなこと注意するっけ…?
って二発くらった―――――!!!!
ドジっ娘を入れてみたかったので。え?鼻血?
そうなのです!!ミクさんは色んな意味ですごい子なのです!!←
キヨテルってもう言っちゃってるwww
ゆりって誰?リリィ?
ボーカロイドってことはわかりました。
テトさんでもいいんだが…でもIAさんかゆかりさんでもいいな…
え?学園長の話です。
え?予想?ターンドッグさんが何を予想したのかすごく気になります。2012/04/29 20:05:25
ゆるりー
-
ご意見・感想
memoryの続きが見られるなんて!
夜こっそりやっててよかった!(ウチはパソコンは10時までってされてるのだ←)
ヤバイwミクがドジっ娘(?)って結構萌えるよwwいや、もちろんルカさんも萌えるけど!
っていうかがっくん怖いwグミちゃん痛そうwww
学校名・・・・・・。
・・・・・・「ユルカ学園」とか? ・・・・・・はい、すみません。センス悪すぎですね、はい。
ブクマもらいま「ふがッ!!(←!?)」す2012/04/28 00:36:16 From 雪りんご*イン率低下
-
コメントのお返し
こっそりw
その場のノリで書いたんで、珍しく書いたプロットを無視しまくりました。夜中のテンションって怖いね!←
そうですかw
こうなってる理由はちゃんとありますよ!
ゆ、ユルカ学園・・・・
・・・・・
・・・・・・なんていうか・・・すげぇ。
本人は何も思いつかなかった←
候補に入れますね。
ブクマありがああぁりんごおおおぉ!!←
チョークが、チョークがあたったあああぁ!!??!?!?
誰だ投げたなのは!!
レン「・・・ごべんなざいorz」
ゆるりー「ま た お 前 か !」
【見せられないよ!】
【見せられないよ!】
【見せられないよ!】
---数分後---
レンは変態になりました。((なんで!?2012/04/28 00:45:54
ゆるりー
-
【がくルカ】memory【21】
ねぇ、信じてもいい?
----------
「――ッ」
ちょっと待ってよ、嘘でしょ? こんなの、理解できないよ。だって、だって。こんなの、台本にはなかったはずで。
突然、天井から、何かが落ちてきた。あれは何? 何か黒くて硬い物。もし当たれば、絶対に怪我をする。擦り傷とか切り傷とか、そういう軽いものじゃないことは理解できる。
【がくルカ】memory【21】
-
【がくルカ】memory【9】
その理由を教えて
----------
見てしまった。
彼女が彼に何かを叫び、彼は逃げ出した。その際、彼の表情は恐怖を宿していたことを。彼が苦しそうに、左胸を押さえていたことを。
その瞬間、自分は悟ってしまった。彼は、何かを思い出した。
【がくルカ】memory【9】
-
【がくルカ】memory【11】
ここで何が起こる?
----------
「うおー、すげえ!」
クラスメイトである鏡音君――鏡音はこのクラスに二人いるので、レン君でいいだろう――が、窓を開けて叫んでいた。はっきり言うと、うるさい。でも、このバスの窓から見る景色は、本当に素晴らしいのだ。
山の新鮮な空気はとてもおいしい。景色については、下のほうに見える街がとても小さく見える。そして、山の緑色が深い。
【がくルカ】memory【11】
-
【がくルカ】memory【6】
この気持ちの正体は?
----------
「ルッカーーー!」
メイコが私めがけて走ってくる。私は危険を察知し、陸上選手の日本記録ぐらいはあろうメイコの突進(体感)を回避するために、真横にずれる。
そしてスピードを落としたメイコの手が、空を切る瞬間。
【がくルカ】memory【6】
-
【がくルカ】memory【12】
どういうこと?
----------
「……で、どうしてこうなった」
バスから降りて最初に見たのは、初音先生が転んでいる光景だった。別に初音先生がよく転ぶのはいつものことなのだが、右足の靴が無くなっている。どういう転び方をしたんだろう。
「どうしたんですか、初音先生」
【がくルカ】memory【12】
-
【がくルカ】memory【2】
ほら、やっぱりそうなんでしょ?
----------
しばらく沈黙が続いていた。私は頭が痛かったり腕が痛かったりで喋るのは辛いし。神威先生はというと、なぜか表情が曇っていた。それは、この前からだろうか。それと共に、私は……。
その沈黙を破り、私は一つの疑問を口にした。
「どうして……」
【がくルカ】memory【2】
-
【がくルカ】memory【20】
結末はどうなるの?
----------
「さあ今日も頑張ろう!」
初音先生がにこやかな笑顔で告げる。対するメンバーは、皆微妙な顔をしていた。
今日は学園祭二日目、最終日である。昨日はライブだったが、今日は演劇である。ずっとステージにいる気がするけど、私に休みはないのか?
【がくルカ】memory【20】
-
【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
……今宵の犠牲者は誰だろう?
わからない。それは富豪の誰かであるということ以外は。
さぁ、わけのわからない言葉を発する太った豚にナイフを突き立てて。
黒から、赤へ─────
【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
【五番目のピエロ】今宵の犠牲者は……【原曲者に謝れ】
-
【がくルカ】memory【3】
これは『罪』なのだろうか?
----------
巡音はまだ体調が良くないので、今日は休むようだ。なんとなく、咲音が寂しそうだった。
休み時間、俺が一-Aの教室から出た時、誰かに腕を掴まれた。恐る恐る振り返ると、そこには咲音。
「な、なんだ?」
【がくルカ】memory【3】
-
【がくルカ】memory【18】
非日常は、案外すぐ傍に
----------
「すまない、迷惑をかけた」
学園長が失踪してから十日経ったある日。失踪した本人である学園長は、突然帰ってきた。現在は学園長室にいる。
「何も言わずに、十日間もどこに行ってたんですか!」
【がくルカ】memory【18】
のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。
IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。
全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。