*亜種・崩壊注意*
『僕は何の為に歌う?』『ストップ!』
低温のは森にマスターの声のは無理がストップをかけた。
「帯人ロボいー。」
「テンポバラバラだよ…もうちょっと頑張ろうか。」
きっぱり一刀両断した大人のマスターは先輩帯人―KAITOの試作品1号機で失敗作だった人だ―で、後者のやんわり注意したほうが僕のマスターだ。
「そんなこと言っても新しいリズムは覚えられないんですよ。知っているでしょう?」
僕より副眼の大人の低温が困ったように返した。エラーやバグでシステムの1部が作りかえられて、そこを完全に取り除くために歌に関する機能の1部を取り除いてしまった先輩は新しい音の並びが覚えられないのだという。
「楽譜見てーそんでー何とかしてー。うん、俺、さっぱりだからさ。」
「自分も以下同文。」
マスター、そんな投げやりな…
ピンポーン
「ん?だれだろ?焼きナスさんかな?それともアイトの友達か?」
四苦八苦してみていた楽譜を手放してマスターが玄関に行った。
そこにいた茶髪の少女は万人受けしそうな顔…いわゆるアイドルとかそういう可愛いとか好感持てる感じの人だ。
「貴方が亜種マスター契約者?私は研究所の工場長秘書の咲音芽衣子っていうわ。」
咲音と名乗った彼女は名刺をマスターに渡すと、彼女に似た強気そうな男と逆に気弱そうな緑の少年を紹介した。
「彼は私と同じMEIKOの不良品。で、彼は初音ミクの不良品よ。」
「どーも。」
「どうも・・・」
何でそんなに大量の亜種が押し掛けてくるんだ?
「契約により一時的に預かってもらうことになるけれど貴方が本人で間違いないわね?」
「ええ。自分がマスターです。」
「…音声認識完了です。」
「間違いねぇ、こいつだな。」
「そう。じゃあ、もらい手が見つかるまで頼むわね。」
男2人を置いて咲音は帰って行った。
「…マスター、今のは何ですか?」
「うん、また処分される子が居るんじゃかわいそうだから引き取り手が現れるまでわけありVOCALOIDの一時預かり所になってるんだ。」
「ああ、俺も最近引き受けた。君んちの兄さんたちがまた処分されかけたわけありと聞いて黙ってらんなくって3人で乗り込んだよ。懲りないんだから。」
「お陰で賑やか過ぎる位ですけど。カイコ、キカイト、ニガイト…カイトばっかりすぐ引き取るんですもん。」
「あはは、にいさんなら何人いたって俺はいいよ。うん、幸せ。」
「・・・マスター、僕だけじゃ物足りないんですか?確かに歌えなくなったし家事もほかのKAITOのほうが新機能満載でうまいですけど…」
先輩が泣きそうな顔して彼のマスターに言う。ほんと人間っぽいよなぁ、先輩は…。表情が特に。
ぼろぼろだし黒に染めてるから帯人の様だけどなんか、動画のKAITOみたいに表情豊かで素直な先輩はちょっと面白い。まあ、歌えないは配色違うだけのKAITOっていうのが正しいんだけど。
「KAITOみたい。」
「あはは。でもこいつ嫉妬してる時は思いっきり帯人だよー。うちのアカイトとバトったりしかねないし。」
「うちのはストッパーが弱って手は移植違うだけ、何だけど…暴走しやすいからホントの帯人みたい。でもマスターに無関心なのかそっけなくて寂しいんですよ。」
無関心ってわけじゃないけど、ゲームの途中に帰ってくるから気が回らない。夢中になってるときに何言われてもカラヘンジになるものでしょ?
「でもアカイトと仲良くできるっていいなー。こっちは寄り付いてくれないもん、家に。」
「自立してくれてるならいいじゃないですか。」
「自立っていうよりあんたが遠ざけてるだけでしょー。」
先輩の家も楽しそうだ。
「あのさ、忘れてないか?おれたちのこと。」
「…。」
むしろ忘れたかったんだけど。
「・・・あれー、おきゃくさんふえたのー?」
寝起きのアイトが緑に飛びつくとそのまま方までよじ登った。
「はじめましてー!ぼくアイトって言いますっ!おにーちゃんたちはだれー?」
人見知りしないアイトが満面の笑みで自己紹介をした。
「MEIKOの不良品だ。」
「えっと、僕は、初音ミクの不良品です。」
名前がないんだ、そうとしか言いようがないだろう。
「ながい!分かんない!メートでミクオ?」
…今の1文全部名前じゃないぞ。
「それでも僕はいいけど…」
一応仮マスターの僕のマスターを見た。勝手に名前付けるわけにいかない。彼はマスターのものですべてを決める権利はマスターにあるから。
「それでいい、じゃ、もっと名乗りたい名前があるならいいよ。」
「へ…?」
「それでもいいって君は言ったでしょう?本当は名乗りたい名前があるのかなって思って。それとも気に入らなかったかなってさ。」
やんわりとマスターは言うがつまりはこういうこと。
物事を選択するときに”~で良い”は妥協点。”~が良い”は意思。
名前は一生ものだから、妥協しないで自分で意思選択してほしいと思っての質問なんだ。一時預かり所だから一生というよりはうちにいる間が正しいけど。
「あ、いえ。…僕は名乗れるような名前も、候補もないので。呼びやすいなら何でも構いません。」
「でも、名前は大事なものだよ。少なくとも家にいる間ずっとそれで呼ばれることになる。だから自分はいつも名前つけるのに悩みすぎるんだけど。」
「わーすごい。俺なんてノリと勢いだけだよぉー。」
「僕なんて包帯や眼帯が似合うカイトだからだって帯人ですもん。」
「厭?」
「全然。帯人が良いです。貴方がつけてくれた名前じゃないですか。」
アー・・・砂糖はける気がする。今なら。これがのろけ…
「なら僕はミクオが良いです。はじめて失敗作とか何号だとかじゃなくて名前らしい呼び方でしたから。」
自信なさげだった緑のが初めてはっきりと言った。言葉が遅れるのは彼が極端に物事に自信がないから。
「おれもメイトが良い。何かしっくりきた。」
茶色いのも気に入ったようだった。
「どうせならお祝いしない?家族が増えたさ。俺、おごるし!ねー帯人ー?」
「マスター、そんなこと言って自分のお金だからって飲みすぎないで下さいよ?仕事に支障が…そんなことより体壊したら心配です。うちじゃ静かに休む場所もないですよ。」
「自重?何それおいしいの?さあ皆の衆居酒屋だー!焼き鳥だー!」
この人、未来から来たカイトマスターなんじゃないかと思う時がある。
ノリとか。
「お?一回行ってみたかったんだよなー。酒、楽しみだ。」
茶色いのがうれしそうにしていた。見た目こいつも成人だしいける口かな?
「焼き鳥ー!行くー!カイトと一緒に行ってもいいですかー?」
「こいこい!まとめておごってあげるから!」
「キャー!先輩太っ腹ー!」
家の住民が終結してすでにお祭り騒ぎだ。…うるさい。
「…ああ、後が大変そうだな。」
「…そうですね。」
今からマスターはげっそりしていた。
「亜種注意」手のひらサイズの彼 その68「KAITOの種」
http://piapro.jp/content/?id=aa6z5yee9omge6m2&piapro=f87dbd4232bb0160e0ecdc6345bbf786&guid=onにて。
噂のアメブロ記載過去編からのゲストをお迎えしての大宴会!
メートとタイト先輩後輩と先輩マスターはずっと酒飲んでると思います。
過去編最終話が実はこのころの話。
え?そのブログにどう行くか?
内緒です。
もし本家(動画)が完結すれば知らされるかもしれません。
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