「ねぇ、リン、早く起きてよ。朝だよ?………今日はさ、ちょっと出かけない?」

レンのこの一言が、今日の始まり。




「うわっはー!!いーい天気だなぁぁー!!」

空は晴天。周りはイルミネーションで一杯。まだ明るいから点灯してないけど。

今日は、12月27日。クリスマスはもう過ぎたけど、まだライトなどの飾りは残っていた。

「ちょっと、リン。女の子なんだからもうちょっと静かにしててよ」

「『女の子だから』なんて………そんなの誰が決めつけたのー!?」

「決めつけとかじゃなくて、常識みたいな物だよ。皆そう思ってる、というか」

私の隣にいるのは、双子の弟、レン。

赤ベースのチェック柄のシャツを着ていて、その上にファーが付いた上着を羽織っていた。下は長いカーゴパンツ。ふくらはぎの半分にも満たない、少し短めのブーツを履いていた。

ちなみに私は、白いブラウスに黄色ベースのチェック柄のスカートとレギンス、カーディガンを羽織り、そしてロングブーツを履いている。

あと、二人色違いでお揃いの帽子。これは、クラスメイトのミクちゃんとクオ君にクリスマスプレゼントで貰った物で、私達お気に入りの帽子になった。

レンは、頭がすっごい良くて、私も夏休みに宿題を教えて貰った。学校でも優等生に分類される方だけど、それは先生の前でのレン。

実際は………

「皆そう思ってるとか、それが決めつけじゃない!てか寒いっ!肉まん食べたいなー!!あぁぁー!!」

「五月蠅いなぁ、リンは。寒いんだったらカイロなり洋服何枚か重ねるなりすればいいだけの話でしょ?それをしなかったリンの自業自得。つまりドンマイ!」

これを笑顔で言ってくるからまた………言い返せないけど!!

「肉まん食べたい。たい焼きでもおk」

「誰が買ってくるかバーカ。食べたいなら自分で買って来て。俺いらないから」

「じゃあいらない。てかバカって何よ」

「じゃあ最初から言うな。てか実際バカだろ?」

食べたかったし、バカなのもしょうがないじゃない!とは、思っても口に出さない。

もし言ったら、そっからずっと喧嘩が始まる。既に始まってるようなものではあるけど。

二人並んで街を歩いていくと、大型のショッピングモールが見えた。

「リン、あそこだよ。行こう」

「うんっ」

中に入ると、色々なお店がズラリと並んでいた。

洋服、食事、雑貨、本、家電………色んなジャンルがあって、専門店なんかもある。

「ひっさしぶりだねー、ここー」

「そだね。んじゃ………まずお昼食べよっか。12時だ」

レンが右腕につけていた腕時計をのぞきこむと、確かにもうお昼の時間。

「何食べる?」

「えー、じゃあ、カツ丼と、オムライスと、ハンバーグと、あ、ステーキも!あと、から揚げと、肉まんと、スパゲッティ―と、グラタンと、ピザと、お寿司と…」

「分かった。じゃあそれ食べに行こうか!お金は食べた分だけ払ってよ?えーと、じゃあまずはそこのサイ〇リヤいこうか、ハンバーグとスパゲッティーとピザとグラタンが一気に食べられるよー」

「ちょっ、まっ!!冗談だから!!ちょっと、待ってぇぇぇぇ!!お金もそんな沢山無いからぁ!!」

「………へぇ、リン、俺に嘘ついたんだぁ………」

オイ、我が双子の弟よ、目が笑ってるぞ。

「えっ、だから、冗談だって……嘘とかじゃなくって……」

「冗談でも何でも嘘であることは変わりないだろ?それとも何、全部食べる気でいるの?お金払って?」

演技上手いなオイ、ちょっと……なんか怖くなってきたぁ……

「うっ………でも、全部食べれるし……太っちゃうけど……てかお金ないけど……」

「食えんのかよ!!そこまでとは思わなかったわ!!」

あ、ツッコんだ。

「あ、ツッコんだ」

あ、声に出しちゃった。テヘペロ☆

「チッ……折角リンを涙目にしてやろうと思ったのに……」

聞こえてるし……!!

てかなんだ涙目って!!面白がってるだろ絶対!!

「まぁ、しょうがないか。……で、結局なに食べんの?」

「えー。じゃあ………んー……」

えー、目の前のサ〇ゼリヤもいいし、すぐそこにあるケン〇ッキーもいいし……でも、屋外のお店も見てみたいし……確かコ〇スとかあったような……

「サイゼ〇ヤかケ〇タッキーかココ〇がいいの?」

「え!?超能力者!?」

「声に出てたよ」

「マジすか………」

「学園」

言うなって!!そういうの〇つけらんないから!!

「じゃあ………ハンバーグ食べたい!!」

「好きだもんね、ハンバーグ。じゃあ……〇イゼリヤとか〇コスよりも専門店的なとこに行った方が美味しいだろうから、探そっか」

「あ、あそこにマップあるよー」

「ホントだ。じゃあ………ここにしよっか」

そう言ってレンが指差した店は、私は行ったことがないとこで、屋外のお店だった。

「うん!えっと、じゃあ……こっちだ!」

「反対だよ、こっち。置いてくよー」

「あ、待って!!待ってってばぁ!!」



「あー、美味しかったー、びっ〇りド〇キー!覚えとこー」

「また来るの?」

「だって美味しかったし、他のも食べてみたいし!パフェも美味かったー」

私は、そこでチーズ入りハンバーグとチョコパフェを、レンはチーズが乗ってるハンバーグを食べた。

メニューを頼むとき、チーズは入ってるのと乗せるの、どっちがいいかで口論になったりしてた。

「……そっか。よかったね」

そう言って微笑むレンの顔はすごく優しかった。

「……次、どこ行く?」

「んー……じゃあ…」

レンの腕時計を一緒に覗き込むと、2時。

「……ちょっと買いものしようか」

「うん、分かった!じゃあテキトーにぶらぶらしてよ?」

レンが頷いたのを確認して、歩き出す。

ぶらぶらーっと歩いていると、明るい洋服が並んだお店を発見した!

「あ、あれ、可愛い……見に行っていい?」

「うん、いいよ。えーと……あぁ、あそこか。行こっか」

「やった♪ほぉーらレン、急ぐんだ!!」

「時間いっぱいあるんだから大丈夫だよ……」

うだうだ言ってるレンを引っ張ってお店に入っていき、洋服をゆっくり見ていった。

む――――……あ、これ……

目についたのはオレンジのドット柄ワンピースと、ボーダーのレギンス。

「これ可愛いー!!ねぇ、どう思う!?」

「え……あ、ちょっと待って。えーと……」

そういうとレンは私の辺りの洋服を見始めた。

何よ、感想一つもないの!?

「ちょっと、レ……」

「あ、これ!!リンはこっちの方が似合うよ、絶対」

「え……」

レンは私に、黄色のシフォンワンピースと細身のベルトを差し出してきた。

う、可愛い………

「むぅ……でも、これも……」

「これは……じゃあ、レギンスじゃなくて……こっちは?黄色と白だし、この服に合うでしょ」

レンはさっきのレギンスと同じボーダー柄のニーソを出して来た。

「ほわ………かわいい」

「でしょ?あ、じゃあ試着して来たら?」

着たい!!

試着室にレンが選んだ服を持っていき、急いで着替えた。

たったと着替えて、ついていた大きな鏡を見てみた。

おお、我ながら良く似合ってるなー……

選んだレンってすごいセンス良いんだ!!何で今まで気付かなかったんだ自分……!!

そういえば、今日着てきた服も良く似合ってたし、さっきまで私が選んだ服もレンが出してくれたものだったなぁ……

服を買いに行くときだって大体レンが行って、私はスーパーにばっか付いていってる。

くそぅ、この差か……もともと生まれ持った物でもあるんだろうけど……

「リーン、まだー?」

「ふぇぁ、お、終わったよー!」

カーテンを開けると、そこには、さっきまでとは全然違う洋服を着たレンがいた。

「え、レン、その服……」

「あ、今選んで着替えてきた。ここ男物もあるんだ、助かった。それより……リン、すっごい似合ってる。それ選んで正解だった!!あ、帽子被ってみて♪」

そう言って笑うレンは、白いシャツの上に黒いベスト、ジーンズとラフな格好だけど、黄色のネクタイやブレスレット、伊達メガネなどの小物がポイントになっていて、凄くかっこよかった。

「レン………すっごく似合ってる、かっこいい」

「え……あ、ありがと……リンも似合ってるからな!?ほら、これつけて」

レンは私に帽子を被らせて、そしてレンもつけていたお揃いのブレスレットをつけた。

「うん……リン、これ、欲しい?」

「え……今つけてくれてる小物とかも入れて?」

「そう、全部」

え、そんなの………

「欲しいに決まってるじゃない」

「分かった、じゃあ買ってあげる。着替え終わったら言って?サイズも大丈夫そうだし」

「え、ちょ、冗談じゃないの!?本気!?」

「うん、本気」

何故に!?いつも冗談なのに、何故こういう時に……!?

「え、何で!?どうしたのいきなり!!クリスマスは終わったよ!?熱でもあるの!?」

「ねーよ!!そうじゃなくってさ………今日、何日?」

え、そんなの……12月27………日って……

「…………あ」

「思い出した?」

「誕生日じゃない……私の……私たちの……!!」

「まさかとは思ったけどホントに忘れてたの?……まぁ、それ、誕プレとして買ってやるから、さ。脱いで、渡して」

ってことは、まさか……

「まさか……今日のお買い物って……」

「うん、そう。リンの誕生日を祝う為。」

何よ、それ……!!デートじゃん!『誕生日お祝いデート☆』的な感じじゃん!双子だけど!

………ん?ちょっと待て……

「……レン、あんたも誕生日じゃん」

「……あぁ、そーだな」

「じゃあ、祝ってあげる。その服、私が買ってあげるー」

「………え!?いい、いいってそんなの!!ほ、ほら、早く服渡せよ!!」

「それはこっちのセリフでもあるなー……早く着替えてきてよ。てか何でレン、着替えたの?」

私に買って貰おうとしてたとか……!?ありえる……これ演技ってこと……?あざといな!!

「え、それは……リンが着替えてる間に、そこらへん見て回ってたら、男物売ってる事に気が付いて、そん中から気に入ったの選んで、自分で買おうって思って……」

「本当にぃー?」

分かってるんだよ!あざといな!!あざといな!!大事な事だから2回言いました!!

「う、えっと………今日の朝ちゃんと服選んでなかったし、色違うとはいえチェックでリンと被っちゃったし、折角ここまで来たんだからもっとちゃんとした格好でリンと並んで歩きたいな、って……」

………え?なに、演技じゃない……!?

14年間一緒だから何となく分かってきた……これは……


本気だ……!!顔真っ赤だし……!!


「そ、そうなんだ……と、とにかくっ、その服買うから!!……一緒に並んで歩くんでしょ?」

「俺もその服買うからな!!早く着替えて渡して!!」

「そっちが先に着替えなさいよ!!」

「こっちの方が言うの早かったんだからそっちが先に……」

「申し訳ありませんがお客様、同時に着替えるのが一番早いです!大きな声を出すと他のお客様のご迷惑になるかも知れませんので、隣の更衣室をお使いください~」

「「え………あ、はい……」」

店員さんに言われて、元の服に着替えると、それぞれさっきまで来ていた服を交換してレジへ向かった。

「――――円です」

おっ、思ったより安い……小物結構高いと思ったんだけど……

会計が終わったタイミングが同時で、私とレンは同時に更衣室へ駆け込んだ。タグは会計の時店員さんに取ってもらった。それはレンも同じらしい。

そして、買ったばかりの服に着替え、シャーって音が鳴ってカーテンが開いた。

「………行こうか、リン」

「………うんっ!!」

二人で並んで歩くと、さっきまでと服装が全然違うからか、一番最初の時みたいだった。

「………リン」

「ん?なぁーに?」

「ハッピーバースディ、おめでとう。さっき言えなかったから」

「…………有難う!レンも、誕生日おめでとう!」

レンの方へ向けていた顔を正面へ戻すと、一瞬だけ頬に柔らかい感触。

まさか、今のは………

「レンっ、今……///////」

「ん?俺何にもしてないよ~」

そういうレンの顔は、とっても明るく輝いていた。





12/27 kagamine rin&len Happy Birsday!!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

デートとバカとヘタレと誕生日

間に合ったー………

お久しぶりです!すっっっっっっごいお久しぶりです!
鏡音生誕祭なのに全然話考えてなかった……

本当はあのボカロ一家でクリスマスと鏡音の誕生日がまとめて祝われてしまうことに「嫌だ!ちゃんと俺達は俺達で祝って!」って言うレン君が主人公のお話だったのですが、クリスマス終了のお知らせが鳴ってしまいこの結果に……その為食事とお買いものがメインの長ったらしい話に……ww

てかレン君の喋り方がぐちゃぐちゃだww語尾が「でしょ」「だろ」結局どっちなんだ――――!!ww

あ、タイトルで分かって下さった方もいらっしゃるでしょうが、あの二人は夏の「宿題とバカとヘタレとキス」のコンビですー^^

あと、最後の英語、間違ってます……よね……?
何も見ないで勘で文字打っちゃったからなぁ……申し訳ない>Δ<

リン、レン、ハッピーバースデー!!誕生日おめでとう!!永遠の愛を誓います、これからも素敵な声をいっぱい聞かせて下さいー!!

………え、白黒バク?あぁ、それは気長に……(((長すぎるわ

閲覧数:709

投稿日:2011/12/27 18:38:12

文字数:5,187文字

カテゴリ:小説

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  • モモコ

    モモコ

    ご意見・ご感想

    ぃやっほー!かなり遅いけど、コメいいかなぁ((殴

    かーがーみーねー!!!!!!何コレ、何コレ!?((落ち着け!

    可愛すぎる!!!
    てか、レンのドSさは変わらないねぇwww
    でも、リンがちょっと羨ましい…(ぇ

    レン!?センスよすぎ!!って思って読んでたら「もっとちゃんとした格好でリンと歩きたい」ですとぉぉぉ!!!
    リン、やっぱりそこ変わっt((やめれ

    ごめんね。なぜか今日はテンション高い…。
    次からは気を付けるよ!!

    これはもう、ブクマいきだな!うん。

    それでわね~。ノシ

    2012/01/06 09:58:19

    • アストリア@生きてるよ

      アストリア@生きてるよ

      いいよ!いらっしゃぁぁぁぁぁい!!!!←

      おwちwつwけww鏡音大好きだぁぁぁぁ!!((お前も落ち着け

      可愛い!?有難うー^^
      レンはSであるべきだよ、レンリンならば!!ww
      うん、ちょっと「リンそこ代われ」って言いたくなるよねwwてか代わって……←

      レンは洋服が、リンは食べ物が大好きなんだよ!!あぁぁ自分で書いておきながら可愛いな!!((
      ふふふふ……レン、狙われてるぞ……(((「助けろや!てかお前も狙ってるだろ!リンも逃げろ!」

      大丈夫だよ!うちにはみーんなテンション高めでやってくるから!うち自身高いしな!www

      ブクマ!!?有難う……!!ブクマでつながったイラストが埋まった………だと……!?w

      コメありがとよ!!ばいばい?ノシ

      2012/01/06 18:14:06

  • 美里

    美里

    ご意見・ご感想

    にゃああああああああああぁぁぁぁあ!鏡音超可愛いぃぃぃっぃぃ!

    ごめんなさい、叫んでしまって。
    レンは可愛いですね。というか、この話のレン、奥手…。
    あの話の続編が鏡音誕で読めるなんて、私は幸せだ…!
    びっ〇りド〇キー…日曜日に行ったwww.あそこのハンバーグは超美味しいよね!サラダも!

    リン、レン、ハッピーバースデー!永久に愛し続けます!その歌声で世界を幸せに!

    白黒バクもまってます^-^!

    2011/12/27 20:06:32

    • アストリア@生きてるよ

      アストリア@生きてるよ

      にゅえわああああああぁああああぁあ!!だよね鏡音愛してるぅぅぅぅ!!((((

      大丈夫よ、うちも叫んだからww
      レンが、可愛いんだね……ww奥手でもたまーに突っ込んで行くのがこの話のレンだお>ω<
      幸せ……!!嬉しいぞ、ありがとよっ!!ww
      び〇くりドン〇ー美味しいよね!うちはポテサラ入りが好きなんだがな((((ぇ

      鏡音おめおめ!!愛しておるよー!!
      待つ……だと……!?い、急がなきゃ……ww

      2011/12/27 22:31:57

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