【第十話:少女たちの大騒ぎ】

 あの後、午後6時ぐらいからぐみの家で、パーティーが始まった。

 私と、ぐみと、レンと、瑠花姉と、めいこさんと、がくぽ(?)さんで。

 ぐみのお父さんたちは今日はいないようで、大丈夫なのか、心配すぎた。

 ―――その、嫌な予感は当たった。

 まず、めいこさん。
めいこさんは驚くほどお酒を飲んだ。
そしてぐみの家の、ビールやらワインやら焼酎やらは全てめいこさんの胃袋の中へ。

 「ぐぁ~くぽぉおオオ!!びぃ~るぅう!!」

 「でもめいこさん、もうめいこさんが飲みつくしたよ?もうないよ?」

 「ンなことぉしるくぁああ!!ねーなら買ぁって来いよぉおオオおオオ…」

 挙句の果てにはこんな状況が延々と続いた。
結局、がくぽさんは近くのコンビニまで買いに走った。

 ※私たちは未成年なので、お酒を飲むことも買うこともできません。

 『がくぽさん、ごめんなさい!』と思いながら私たちは意気揚々とオレンジジュースを飲んでいた。

 そして、瑠花姉。
瑠花姉は、これまた驚くほどお酒に弱かった。
もしかしたら下戸かもしれない。
ビールをちょっとずつ2杯飲んで、ソファーに突っ伏し眠りに就いた。
ほぼ、死ぬような感じで。

 極めつけは、レン。
あの袴姿でよくこんな暑いところに入れるのは尊敬に値する、が。

 ぐみが盛り上げようと持ってきた、カラオケセット。
これのせいで、この会場はもっとおかしなことになった。

 レンの歌声はまたまた驚くほど良くて、美声だった。

 それを私とぐみが褒めたのが、失敗。

 それから歌いに歌い続けて、かれこれ…1時間。
変わってくれない。

 8時になったところで、近所迷惑だからと、私がレンからカラオケセットを引っ剥がした。
結局、1曲も歌えなかった。

 でも、みんな楽しそうだ。

 がくぽさんは、独りさびしく…ではあるが、お酒を優雅に楽しんでいる。

 めいこさんは、いつの間にか寝ていた。
その左手の薬指のはシルバーリングが光っている。

 ちなみに、あの指輪の内側にはさらにかいとさんが用意した、サプライズが隠されていた。
 「I love you.」とか「Kaito Meiko」とかそんなんじゃなくて、ただ一言、「Dear」と書いていた。

 瑠花姉は幸せそうに眠っている。

 レンはカラオケセットが少々名残惜しそうだけど、あんまりこんなパーティーなんてしたことがないのか、とても楽しそうだ。

 ぐみは、みんなを観察するのが楽しいようで、何か起こるたびにニヤニヤしてた。

 「これだけ人が集まると、…面白いな…。」

 その顔、やめてください。
どっかの詐欺師とか、ヤ○ザに間違われかねない。
そう何度思ったことか。

 でも、もちろん私も楽しかった。


 ずっと、こんな日が続いてほしいと、願った。
否、信じていた。





 しかし、私は知らなかった。




 




 憂鬱少女が――――











ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

憂鬱少女と陰日向

ほのぼの。

ちなみに、始まる前にちゃんとめいこさんはカイトの為の
アイスを買っております。

閲覧数:107

投稿日:2012/07/07 10:00:50

文字数:1,263文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    めーちゃん、やけ酒ですか?w
    飲みすぎはメッです!

    レン君は…順番を守らなきゃメッです!

    ルカさんは飲めないなら、飲めないと言わないと他の人に迷惑になりますよ。メッ!

    グミはニヤニヤし………ま、それはいっか。よし!←

    2012/07/18 00:49:04

    • イズミ草

      イズミ草

      みんなルールは守らないとメッだぜww

      ぐみには何の罪もなしwww

      2012/07/18 18:27:33

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