小さな小さな僕の宝箱にはもう
これ以上何も詰め込めなかったんだ
どうしても出会ってしまうものたちを
泣きながら選んでは置いてくしかなくて

忘れてないよずっと覚えてる今だって
手のひらが小さすぎて持ちきれなくて
どうしたらみんなみたいに大きくできるかって
どうしたらみんなと同じに沢山持てるかって

背伸びをしても何かを学んでもまだ
昨日は今日の私を許してはくれない
明日も今日の私を認めてはくれない
小さなままで閉まらない僕の宝箱

拾い上げてくれたのは誰？
「キミにたどり着いた」って呟いて
もう光らなくなった大好きなものたちを
僕の代わりに指先で輝かせてるのは


幼い幼い僕のポケットにはもう
これ以上何も押し込めなかったんだ
いつまでも抱きしめてたいものたちを
謝っては取り出して落としてくしかなくて

消えてないよずっと刻まれてるここにって
手も腕も細すぎて抱えきれなくて
どうしたらみんなみたいに愛してられるかって
どうしたらみんなと同じにたどり着けるかって

塾に行ってもお店で頼んでもまだ
カコはイマの私に笑ってはくれない
ミチはイマの私を見つめてはくれない
幼いままで破れていく僕のポケット

すくい上げてくれたのは誰？
「一緒に持ってあげる」って呟いて
もう欠けてしまった愛しいものたちを
僕と並んで運ぼうとしてくれているのは


こぼさないように歩くのは難しくて
たくさんの人に追い越されても走れなくて
それでもポロポロ落ちていくのを止められずに
どうしたら良いか分からなくなっていたんだ

「だからキミに出会いたくなった」

引き寄せられていくように集まってく
今まで置いてきたものが落としたものが
もう二度と会えないと諦めてた全てを
キミは隣で簡単そうに包み込んでいった

「これでもう何もこぼれないよ」

告げられた僕は最後のしずくを止めて
大切な世界を大好きな未来を
真っ白な地図に書き込み続けてる
ずっと昔からもっと明日まで毎日
変わらないものを流れを灯していくために


拾い上げてくれたのは誰？
「キミにたどり着いた」って呟いて
もう光らなくなった大好きなものたちを
僕の代わりに指先で輝かせてるのは

今もきっとどこかで声がしてる
誰かの落とし物を抱きしめて手を取って
そばで楽しそうに歌ってる笑ってる

ねぇ気づけばあなたの近くにもほらね