アイスを食べている時に思う。
モカとコウはいつも文句を言わずに出されたアイスを食べているが、好き嫌いはあるのだろうか。
聞いてみるか。

「みっ」

…表情からして見るに、何でもいいらしい。
モカはどうだろうか。
悩んでいるみたいだが。

「……………特に……」

呟く様に言った。
正直モカは表情が読めない、というか無表情なのでわからない。
本当にそうなのだろうか。
まぁいいか。物凄く知りたいわけではないし。
で、今日は何を食べるんだ。

「みー…み!」
「………………何でもいい…だそう、です…」

何でもいいというのが一番困るのだが。
何でもか。この間買ってきたやつにするか。
ブルーベリー……美味しいのか、これ。

「み………」
「…………何ですか…これ…」

ブルーベリー。
色…何故一色にしたんだ。
バニラと混ぜてマーブルにすればよかっただろう。
食べるのに勇気が必要そうだ。
コウが一気に口に運ぶ。
しばらく味わう様に口を動かして、嬉しそうに二口目に突入した。
どうやら美味しかったらしい。
嬉々として食べている。
モカは食べないのだろうか。
コウの様子を見て決してまずいわけではないことはわかった。だが踏ん切りがつかない。
そういった感じか。
気持ちはわからなくもないが。
しかしこのままだとコウに食べ尽くされるぞ。

「コレ美味しい!」

…またコウは知らない人格に変わってるし。
ブルーベリーカラー。ちょっと紫が強すぎだがKAITOに近いな。
いつも思うがアイス食べた後の別人格の時、コウの元の人格ってどうなってるんだ?
明らかに一つの人格には見えないから、どこかにはいるんだろうけど。
これが普段と同じ人格とは思えない。
悩んでる隙にモカがブルーベリーアイスを口にしていた。
やっぱり無表情なのでわからな……どうした。
いつもと雰囲気が違う。

「………………………」

スプーンを置いた。
もしかして…ダメなのか。ブルーベリー。
無言のままモカがコウを見ている。
不思議そうというか、納得のいかないといった目だ。
気に入らなかったか、これ。
モカは肯定も否定もしなかった。苦手らしい。

「マスタァ、美味しいです」

それはよかった。
モカには別のを持ってきてやるか。
何なら食えるんだ?
それよりも何の種類があっただろうか。
冷凍庫を漁る。
あ、カフェモカなら食えるだろ。
おーい、モカ。

「カフェモカですか?美味しいですよねぇ~」

ブルーベリーカラーのコウが言った。
……よく見えたな。
コウとアイスの距離、人の足で五、六歩。
モカとかコウにとっては結構あるんじゃないのか?アイスの文字は小さいし。
普通の人間同士でも近づかないとわからないと思うが。

「えー、でも見えますよぅ?ちゃんと読めましたけど」

どれだけ目いいんだよ。
もしかしてあれか。ブルーベリーは目にいいとかいうやつか。
ブルーベリーアイス食べたからか。
いやいや、流石にそれはないな。
いくらそういうとはいえこんなすぐに効果が出るわけがない。
普段から目がいいんだろ。
うん。そういうことにしておこう。

「…………マスター…」

モカがスプーンを抱えている。
カフェモカアイスは好きらしい。
さっきとは雰囲気が違う気がする。

「…ありがとうございます……」

…ああ。アイスか。残すなよ。
モカはこくりと頷いた。
無理して食べると腹痛起こすかもしれないが。
そうなったら正露丸か。
今無いから絶対腹壊すなよ。
買いに行かないからな。
身体に不釣り合いな大きなスプーンで、二人はせっせとアイスを食べる。
妙に和む光景だ。

「……マスター…」

モカに差し出された一口のアイス。
そのまま食べる。カフェモカの味。
真似してコウも一口くれた。
今度はブルーベリーの味がした。
結論。カフェモカとブルーベリーは合わない。
一緒に食べない分には美味しいが。

「おいしーですか?」

一つずつならば。

「やった!モカモカもーちょっと混ぜよ」

モ…モカモカ……。
てかちょっとまて。混ぜるな。
絶対美味くない。
うわ…色が…。
自分で食えよ、コウ。

「マスターのために作ってるんだから、マスターが食べるんですよぅ」

心底いらない。
本当にいらない。

「はい、あーんして下さい」


その日、生まれて初めて正露丸が家に無いことを後悔した。
たまたま切れてた、じゃ駄目だ。
切れる前に買いに行くべきだと思った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

KAITOの種9(亜種注意)

忙しいのが終わった!やっとのんびりできる!!
という事でゆるーいのを書こうとしました。見事に撃沈しました。
ゆるいとオチがつかないですね。グダグダと進んでいきます。

何文字超えたら前バ使おう、とか何となく決めてるんですが、全くもってキリがいいところがない。
仕方ないので一枚にしました。…長い。

ブルーベリーverコウがとてもうざかったです。
多分マスターは他のアイスのコラボも食わされました。
正露丸は神だと思います。



うざくない種の子に会いに行きましょう
http://piapro.jp/content/?id=aa6z5yee9omge6m2&piapro=f87dbd4232bb0160e0ecdc6345bbf786&guid=on


3月1日 22:09
氷、確かに万能ですね。染まる染まる。
次は何に染まることやら…。
ブルーベリー味のかき氷は食べたことないですね。
ダブルベリー(いちごと何かw)が好きです(聞いてない)

閲覧数:449

投稿日:2009/02/28 13:19:31

文字数:1,857文字

カテゴリ:小説

ブクマつながり

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